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2004年10月05日
スパイス その1
こんにちは。みなさんには今ハマっているものとかありますか?
私はつい先日から「カレー」に取り憑かれてしまい、ここ数日お昼は毎日カレーを食べていたりします。しかも本格的なスパイスのカレーでないとダメなんです。幸いなことに会社の周りに何軒かあるので、毎日同じ所に通わずにすんでいますけれど(笑)
考えてみればカレーもハーブ(スパイス)ということで今回からスパイス編です。調べてみると、スパイスってかなり奥深いものでした。スパイスの正確な定義はないのですが、「植物の種子、果実、葉、皮、塊根などから得られ、刺激性・香味・着色性を持ち飲食物の風味や着色、食欲増進に関与するもの」といったところでしょう。ここでもふれていますがスパイスには大きく分けると3つの働きがあって、
1. 芳香性
2. 刺激性(辛味性)
3. 着色性
であると言えます。カレーはこれをバランス良くブレンドし、それぞれオリジナルの風味を出しているんですね。では、具体的にどんなものがあるかをお話していきましょう。
1. 芳香性
スパイスの芳香性には植物中の精油成分が大きく関与しています。スパイス類でも精油として販売されているものってありますよね。バニラ、シナモン、ブラックペッパー、バジル、マージョラム、フェンネルなど。刺激性も併せ持つシナモンやブラックペッパーの香りはあまり良くありませんが精油では薬理作用(血行促進、消化促進、殺菌など)に注目して用いられることがあります。
また、とある芳香性健胃消化剤にはケイヒ(シナモン)末、ウイキョウ(フェンネル)末、チョウジ(クローブ)末、ショウキョウ(ジンジャー)末、サンショウ末などのスパイス(この場合本当は「生薬」というのが適切でしょうね)が含まれていて特有の香りを呈します。芳香性スパイスの場合はある程度精油成分が分かっていますので、おおよそどんな作用を持つのか見当をつけやすいと思います。例えばシナモンに含まれる「シンナミックアルデヒド」は殺菌作用が高いですし、フェンネルに含まれる「アネトール」は駆風作用を持つと考えられています。ぱっと成分を見渡すとアルコール類やフェノール類などを含むことが多いので、抗菌作用が全般的にありそうです。
刺激性については、次週にお話します。
投稿者 tsukamoto : 14:23 | コメント (0) | トラックバック
2004年10月12日
スパイス その2
こんにちは。3連休はいかがお過ごしでしたか?私は青森の日本薬剤師会学術大会に行ってきました!最近旅のようにあちこちに行けていい気分転換になっています。やっぱり旅っていいですね!(一応仕事だったんですけどね)
さて、今回はスパイスの2回目で、「刺激性(辛味性)」についてです。 スパイスというとやっぱり刺激!って思う方が多いことでしょう。 しかし、「辛い」というのにもトウガラシのようなホットな辛さ、ワサビのようなシャープな辛さがありますよね。トウガラシの辛味成分「カプサイシン」は化学名でいうと(E)-N-(4-hydroxy-3-methoxybenzyl)-8-methylnon-6-enamide。酸アミド系の辛味成分です。ワサビの辛味成分は「アリルイソチオシアネート」で、イソチオシアネート系の辛味成分です。一般的に酸アミド系・カルボニル系はホットな辛さ、チオエーテル系・イソチオシアネート系はシャープな辛さと言えます。そういえばカレーはホットな辛さですよね。ワサビやマスタード、ニンニクなどシャープな辛さのものでカレーのようなもの(?)を作ったらどうなると思いますか?実は辛くならないんです。チオエーテル系やイソチオシアネート系の辛味成分は酵素によって誘導されますが、その酵素は熱によって失活するため加熱には向かないのです。
例えば、タマネギも加熱すると甘くなりますが、生のまま食べるととても辛いですよね。これは辛味成分の硫化物が甘味のあるメルカプタンになるためです。シャープな辛さのものに辛味を期待するのであれば、加熱は禁物。ホットな辛さのものは比較的熱に強いようですが、加熱に一番強いのはトウガラシです。トウガラシの香りは不揮発性ですが加熱に強いのでローストすると香りも辛さも楽しめます。 昔の人はどうしたらスパイスの風味や辛さを充分に生かせるのかということをいろいろ化学的に考えなくても様々な経験から学んでいたんでしょうね。それを薬理学的に考えてみてもなかなか面白いものだと思いました。
投稿者 tsukamoto : 14:25 | コメント (0) | トラックバック
2004年10月19日
スパイス その3
こんにちは。東邦大学薬学部でのアロマテラピーフォーラムも終わって、気が抜けつつも福島で調剤に勤しむ今週の私です。気を引き締めてやらないと過誤のもと!ですね。
さて、今回はスパイス第三弾。スパイスの色についてです。
スパイスの色というとまず、カレーの黄色が思いつく方が多いのではないでしょうか?
カレーと言えば欠かせないのがターメリック(ウコン)ですね。ターメリックの学名はCurcuma longaで、「Curcuma」はアラビア語で「黄色」を意味する「Kurkum」から派生したそうです。黄色の成分は「クルクミン」でこれは、強肝作用・胆汁分泌促進作用などがあると考えられています。肝臓の機能を回復することによって疲れやすい体を改善するのに役立ちます。また「ウコン」は漢字で書くと「鬱金」。鬱症状の改善にも効果があるのでは、と最近考えられているスパイスです。
色の話から少々それてしまいましたので話を戻すと、クルクミンの黄色は酸性下で黄色を呈し、アルカリ性下では赤色を呈します。カレーのシミを衣類につけてしまった時石鹸などで洗うと、大概の石鹸はアルカリ性なので一旦赤っぽくなりますが、洗い流すと元の黄色に戻ります。アントシアニン系色素でも液性によって変化が楽しめますよね。マローブルー、ハイビスカス、ラベンダーなどのハーブがこれに当たります。ちなみにカレーの黄色いシミを落とすには、クルクミンが水に溶けにくい性質を持つために、洗い落とすことはなかなか困難ですが、紫外線で分解されやすいので、石鹸で油分を洗い落とした後に日の当たる所に干すと段々色が消えてくるのだそうです。直射日光に当てて良いような衣類に限りますけどね。
ターメリックの黄色のお話だけで随分時間を割いてしまいましたが、その他、スパイスの色素成分としてはカロチノイド、フラボノイド、クロロフィルなどがあります。カロチノイドは脂溶性ですから、色を取り出す際には油分が必要です。それぞれの特性に合せて調理することが大切ですね。
カレーの話、もう1週だけお付き合いくださいね。
投稿者 tsukamoto : 14:28 | コメント (0) | トラックバック
2004年10月26日
スパイス その4
こんにちは。日曜日に日本アロマテラピー協会主催のアロマテラピーシンポジウムに行ってきました。私が一番面白かったと思ったのは、「化学合成した成分と植物から単離した成分は同じなのか」という質問でした。「8割程度は全く同じだけれども、光学異性体レベルで全く同一と言えない場合もある」のだそうです。例えばレモンから単離したリモネンはd‐リモネンで、合成の場合はdl体が出来るのだそう。すごく興味深いお話の一部のご報告でした。さて、今までカレー(スパイス)の話を長々と書きましたが、最終回です。
どうしてカレーに私がハマったのかというと、結構いろいろなことが考えられました。
1. 胃腸の調子が完全に回復していなかった
2. 疲れやすかった
3. 頑張らないといけない時期だった
がそもそもの理由かな、と感じました。香りが本能によって「快」「不快」があるように 食の世界においても本能的に欲しがることってあると思うのです。例えば、頭をフル活動している時にはチョコレートをよく食べます。しかし、フル活動期が終わると、パタっとチョコレートを口にしなくなる(食べたくなくなる)のです。これも一度や二度ではなく自分自身も体験しましたし、自分に限らすそのような傾向を何人かに見ることがありました。今回のカレーもそうではなかったかな、と考えた上での心当たりを3つ挙げてみたのです。カレーの適度な辛味刺激には食欲増進が期待出来ますし、芳香性健胃薬の成分も先述したようにかなり含まれていますから、香りからも成分面からも弱った胃腸に効果的です。あまり荒れた胃にはおすすめ出来ませんが・・・。
それからこれも経験則なんですが漢方でいう「虚証」タイプの方はあまり辛いカレーや香辛料が効いているカレーは好きではないようです。多分体力以上にスパイスで活性化されることに身体がついていけないので、本能的に敬遠してしまうのかなあ?と感じています。 カレーは男性の方が特に好きなように思いますが、それも男性の方が体力があるからなのかもしれませんね。
投稿者 tsukamoto : 14:29 | コメント (0) | トラックバック