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薬剤師が残薬問題解消のためにできることは?

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医療費高騰の原因の一つに挙げられる残薬問題。特に高齢者は服用する薬の種類が多く、残薬が生じやすいと言われています。残薬は医療費を圧迫するだけでなく、誤飲や飲み間違いによる健康への悪影響の原因ともなります。薬剤師の立場から、残薬問題を解消するためにどのようなサポートができるのでしょうか。

残薬問題とは

「残薬」とは、本来服用するべきはずの薬を飲み忘れたり、薬を飲み切らないうちに病院を受診して処方日数に重複が出たりしたために余った薬のことです。残薬は日本の医療費(薬剤費)の約2割を占めており、医療費増加の要因となっていると言われています。

平成25年度(2013年度)に厚生労働省が実施した「薬局の機能に係る実態調査」に、残薬に関する調査が掲載されています。これによると、「残薬を持っている患者さんが頻繁にいる」と答えた薬局が17.1%、「ときどきいる」が17.1%だったことがわかりました。また、患者さん自身にも残薬の有無を確認したところ、残薬が「大量に余ったことがある」が4.7%、「余ったことがある」が50.9%だったことも判明しています。

日本薬剤師会が行った別の調査では、75歳以上の在宅患者への調査を基に推計したところ、残薬の総額は475億円に上る可能性があることが指摘されています。増え続ける医療費を抑制する上で、残薬問題の解消が重要な課題となっているのです。

残薬問題が起こる背景

残薬が生じる理由について、「薬局の機能に係る実態調査」で最も多かった回答が「飲み忘れが積み重なったから」でした(67.6%)。また、「自分で判断し飲むのをやめた」「新たに別の医薬品が処方された」「飲む量や回数を間違えていた」「別の医療機関で同じ医薬品が処方された」なども残薬を生み出す理由として挙げられます。

そのほか、別の調査では「服用時間が生活習慣に合っていない」「薬の管理ができていない」「副作用が怖い」「残薬があると言うと失礼だと思うため相談できない」といった理由も見受けられます。

指示通りに薬を服用しないと治療で期待される効果が得られないため、患者さんの体調不良が長引く可能性があります。また、患者さんが「前と同じ症状だから」と自己判断で残薬を服用してしまったり、剤形が似ている薬を飲み間違えたりすることで、思わぬ副作用を招いてしまう恐れもあります。

残薬が生じてしまう原因を精査すると、薬に関する情報(飲み方、副作用など)が十分に伝わっていない様子がうかがえます。このあたりに、薬剤師が残薬を発生させないためのお手伝いできるヒントがありそうです。

残薬問題解消のために薬剤師ができることは

以上を踏まえて、薬剤師が残薬問題解消のためにどんなことができるかを検討してみます。

残薬が出る理由を丁寧に聞き取る

患者さんに残薬があることが判明した場合、まずできることは残薬数を把握し、医師に処方日数の調整を提案することです。その際、残薬が出た理由を尋ねてみると、患者さんの状況に合った薬剤への変更を医師に提案することもできます。

たとえば、飲みづらさを感じる薬だったのが原因であれば剤形の変更を、慣れ親しんだ生活サイクルに取り入れづらい薬だったのが原因であれば、1日あたりの服用回数が異なる同じ効果の薬への変更を提案するといったことです。

そのほか、患者さんが残薬を持参しやすくするように専用のバッグを配布することも、残薬整理の効果を期待できます。

患者さんに合った服薬指導を行う

患者さんが自己判断で薬の服用をやめてしまわないよう、丁寧に服薬指導を行うことが大切です。処方薬の効能や副作用だけでなく、服薬が必要な理由や薬の飲み方、注意すべき飲み合わせ・食べ合わせなど、個々の患者さんの状況に合わせて説明しましょう。

もし、患者さんから「薬を飲み忘れがち」といった相談を受けたときは、薬の置き場所を工夫したり、お薬カレンダーや配薬ボックスなど、忘れないための工夫を提案してみるのもおすすめです。

「お薬手帳」の持参を促す

残薬問題が生じる理由に「別の医療機関で同じ薬を処方された」ことが挙げられています。このような状況を防ぐためには、薬局を訪れる際に「お薬手帳」を持参してもらうよう促すことが有効です。

「お薬手帳」は、いつ・どこで・どんな薬を処方してもらったかを記録する手帳です。複数の医療機関や薬局でどんな薬が処方されているかを正確に把握できるため、薬の重複や薬物相互作用、多剤併用による重複投与などを予防できます。
「お薬手帳」は、以前は紙のものが主流でしたが、最近はスマートフォンアプリのものも増えています。患者さんの状況に合わせて提案してみましょう。

患者さんと良好な関係を築く

服薬指導や残薬整理、お薬手帳持参の提案といった取り組みで残薬を減らすために、日ごろから患者さんと良好な関係を築くことが大切です。

患者さんの中には、薬のことで悩みがあっても、医師や看護師になかなか打ち明けられない方もいます。困っていることや不安に思っていることを打ち明けてもらうためには、日ごろから患者さんの様子をチェックし、いつもと違うと感じたら声かけて話を聞く、といった心がけが大切です。患者さんから信頼してもらえる薬剤師になれるよう、気軽に話しやすい雰囲気を出せるよう意識したり、患者さんの性格や様子に合わせて薬の飲み方の伝え方を工夫したりしてみてください。

残薬が生じる原因を把握し、適切な対策を

残薬が生じてしまう最大の原因は「飲み忘れ」ですが、一歩踏み込んで原因を探ると、飲みにくい薬だったり、薬の服用方法がライフスタイルに合っていないために飲み忘れてしまったりなど、根本的な原因はさまざまです。患者さんおひとりおひとりの状況に合わせて対策を取ることが、残薬を減らすのはもちろん、患者さんの健康を守るうえでとても大切です。

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