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か行抗不整脈薬(こうふせいみゃくやく)

数十種類もある抗不整脈薬の分類

抗不整脈薬は、文字どおり不整脈に対する治療薬です。現在、日本国内では数十種類の薬が使用されていますが、作用機序によっていくつかのグループに分類できます。古典的ともいわれる分類法「Vaughan Williams分類」では、次の4つのグループに分けられています。

・分類I:「ナトリウム(Na)チャネル」というタンパク質を遮断することで、「活動電位」(何らかの刺激により起こる、心臓を規則正しく収縮させるために必要な電気信号の変化)の立ち上がりのスピードを下げる作用を持つ。その後、心臓が収縮したままでいる時間を延長するか短縮するか、あるいは変化させないかによって、「Ia」「Ib」「Ic」に分類される。

・分類II:「アドレナリンβ受容体」を遮断することで、交感神経の興奮を抑える作用を持つ。

・分類III:「活動電位持続時間(APD)」を延長させ、「カリウム(K)チャネル」というタンパク質を遮断することで、乱れた脈を整える作用を持つ。

・分類IV:「カルシウム(Ca)チャネル」を遮断し、血管を拡張する作用を持つ。

また、現在ではこれらの分類に収まらない作用を持つ抗不整脈薬も登場しており、患者さんの状態に合わせて最適な医薬品が選択されています。

ほとんどの不整脈は治癒できる

不整脈とは、脈が整っていない状態を指します。脈が異常に速い「頻脈(ひんみゃく)」や、脈が遅くなる「徐脈(じょみゃく)」のほか、規則的に打っているはずの脈が飛んだり、リズムが急に乱れたりする状態もあります。

ですが、ひと口に不整脈といってもその種類は多く、原因もさまざまです。心臓そのものに問題があると考えがちですが、心臓を動かすための電気信号が乱れるために起こることが多く、必ずしも「不整脈=心臓が悪い」というわけでもありません。

しかも、不整脈治療はここ十数年で大きく進歩し、今やほとんどの不整脈は治すことができるといわれています。

心臓の鼓動が乱れると、患者さんとしては穏やかではいられません。そのため、不安や心配が大きくなり、緊張してなおさら動悸が速くなることもあります。ですが、医師の診察をきちんと受け、その上で発作を抑える薬を処方されているのであれば、必要以上の心配は無用でしょう。

不整脈の副作用には要注意

さまざまな種類がある抗不整脈薬ですが、そのほとんどに副作用があります。どのような副作用の症状が表れるかは、薬のタイプや人によって異なりますが、口の渇きや便秘、めまい、吐き気、体のだるさ、食欲不振などがおもなところです。

そして厄介なことに、副作用として重度の不整脈、特に脈拍が遅くなる徐脈が表れることがあります。

抗不整脈薬の副作用による不整脈は、場合によっては心不全を起こす危険性もあります。ですから、薬剤師は治療にあたる医師と連携を密にしながら、患者さんの情報をすべて引き出すことが重要になります。

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