か行健康日本21(けんこうにっぽんにじゅういち)
健康日本21とは
健康日本21とは、第三次国民健康づくりの対策として、厚生省(当時)が2000年より行った一連の施策の総称です。「21世紀における国民健康づくり運動」とも呼ばれます(2008年に一部を改正し、2013年度からは全面改正された健康日本21〔第二次〕が適用となりました)。健康日本21では、高齢化社会が進むにつれて深刻さを増す生活習慣病(がん、心臓病、脳卒中、糖尿病など)を事前に予防するための行動を日本国民に促すことで壮年期での死亡を減少させ、介護がなくとも自立して生活できる健康寿命を延ばすとしており、そのための具体的な数値目標も設定しています。健康増進計画を立案し推進することが、地方公共団体レベルに対しても求められ、関連する学会や企業なども含めて取り組みが推進されています。
メタボリックシンドロームの診断基準
政府は健康日本21に示した病気発生そのものを防ぐ第一次予防を積極的に推進するために、健康増進法を制定します。そして、健康増進法に基づいてメタボリックシンドロームの診断基準が作られることになり、特定健診および特定保健指導が行われるようになりました。設定されたのは実に9分野59項目。栄養・食生活、身体活動・運動、休養・こころの健康づくり、たばこ、アルコール、歯の健康、糖尿病、循環器病、がんの9分野で構成されています。2011年10月に発表された最終的な評価においては、約6割が「目標とする値に到達した」または「目標とする値に到達はしていないが改善傾向にある」としています。この取り組みはめざましい成果があったと評価されており、特に栄養・食生活分野における「メタボリックシンドロームを認知している国民の割合の増加」においては、当初設定した目標値が「20歳以上の国民の80%以上」であったことに対して、2009年には92.7%という高い数値に達しています。
アルコールに関する指標
アルコールに関しては、第一次から継続して設定されている指標と、その後新たに打ち出された指標があるなど、健康日本21はその時代時代に合わせて内容の見直し・改善が図られています。例えば、節度ある適度な飲酒量は、1日平均純アルコール20g(1単位/2ドリンク)程度と第一次で定められましたが、これは第二次でも継続して定められている事項です。また、多量飲酒という点では、1日平均純アルコール60g(3単位/6ドリンク)を超える飲酒を多量飲酒として定めていますが、これも第一次から第二次を通じて定められています。一方、第二次から新しく打ち出された指標として、生活習慣病のリスクを高める飲酒として、男性は1日平均純アルコール40g(2単位/4ドリンク)以上、女性は1日平均純アルコール20g (1単位/2ドリンク)以上の飲酒で、生活習慣病(がん、高血圧、脳出血、心臓病、糖尿病など)のリスクが高まるとされています。また、第二次では、「未成年者の飲酒を平成34年度までに0%とする」や「妊娠中の飲酒を平成26年度までに0%とする」という新たな指標が定められています。
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