か行QC(きゅーしー)
QCとは
QCとは、Quality Controlの略語で「品質管理」のことを指します。具体的には、「品質保証」を意味するQA活動の一環として行われる実務的な手法と活動のことで、医薬品の品質を安定的な基準に維持することと、品質のさらなる向上を図るとともに、安全性を確保するという役割があります。
また、QCが担当する領域は多岐にわたります。例えば、医薬品の製造工程に関するマニュアルなどの作成をはじめ、医薬品の製造での適正な装置やラインを検討・決定することや、トラブルが発生した際の原因の究明や再発防止対策の立案、さらには消費者から寄せられるクレームへの対応などがあげられます。
求められる資質
QCには、臨床開発において、治験が適切に行われているかどうかを評価・検証する役割があります。また、CRA(臨床開発モニター)が作成した報告書などを確認・検証し、新薬を開発するデータとして活用するために的確なフィードバックを行うことも役目になります。
つまり、理論的・科学的な観点から医薬品の品質の向上を図るために重要な役割を担っているといえます。この役割に求められる資質としては、治験に対する正しい倫理観を持っていることが大前提となります。
また、新薬開発時においては、各種の重要なデータを扱うこともあります。そのため、目的を完遂する責任感や自らが置かれている状況を客観視することができる能力なども併せもっておきたい資質といえるでしょう。
確認・点検の際の対象文書
QCは、主に治験に関する文書や記録について、GCPをはじめとする関連法規の順守状況を確認・点検します。こうした記録は、セキュリティーが厳重な場所で徹底管理が行われています。
QCが確認・点検をする際の対象文書としては、モニタリング報告書、医療機関や治験責任医師の調査・選定に関連する資料、治験依頼等に関連する手続き資料、安全性情報に関連する資料、治験薬管理に関連する資料、原資料の直接閲覧に関連する資料、症例報告書と原資料との照合に関連する資料、治験総括報告書などがあげられます。
また、こうした文書は資料保管室で厳重に保管されており、非常事態の場合に備えて、自動拡散型消火器や耐火キャビネットなどを導入することで防護をしています。また、保管室に入ることができるセキュリティーカードを所持できるのは許可された一部の人間のみになります。そして、不審な入退室がないように定期的な確認が行われています。