か行基準薬局(きじゅんやっきょく)
基準薬局とは?
基準薬局とは、日本薬剤師会が制定する基準を満たし、都道府県の薬剤師会の認定を受けた保険薬局のことを指します。この制度は2015年3月31日から日本薬剤師会の制度としてではなく、都道府県の薬剤師会ごとの制度になります。
基準薬局の特徴は、すべての処方箋を受け付け、生活保護法、労働者災害補償保険法、障がい者自立支援法、特定疾患治療研究事業などの公費の取り扱いがあることです。
また、苛性ソーダなどの化学薬品を適切に販売し、地域住民のセルフメディケーション(自分の健康に責任を持って、軽度な体の不調は自分で手当てをする)を支援するために必要な一般用医療用品などを提供するといった特徴もあります。いわば、地域に根差した医療提供施設といえるでしょう。
地域に根差した基準薬局
基準薬局の大きな特色は、地域に広く密着し、地域の保健や医療、福祉に貢献するという点です。
具体的には、くすり教育などの啓発活動、学校薬剤師活動、薬物乱用防止活動、保健指導といった地域住民への指導活動です。地域の環境衛生、薬事衛生の維持向上のための事業に参加し、教育機関などとの連携も取りながら、保健衛生の維持向上に貢献します。薬剤師会が実施する調査活動に協力し、報告するという機能もあります。
また、薬学生の実施受け入れに積極的に協力し、安全管理のための職員研修を行うなど、薬剤師の育成にも大きな役割を担っています。
管理薬剤師は保険薬剤師として3年以上の経験があることが必須になっており、十分な知識と経験がある薬剤師が勤務しているといえるでしょう。このほかの特徴として、薬局内は全面禁煙で、たばこの販売をしていないという点もあります。
医療提供施設としての体制を整備
基準薬局は医療提供施設としての以下のような取り組みも強化しています。
・休日、夜間にも場合に応じて処方箋の受け渡しや一般医薬品などの供給を行うことができるような措置を備える
・使用済み注射などの回収、廃棄についての指導を行う
・在宅患者訪問薬剤管理指導を行える届け出を提出する
・情報収集のためのインターネットを使いIT環境の整備をする
ほかにも、災害時における救護活動に協力することも行っています。
2015年3月31日から日本薬剤師会の制度から、都道府県の薬剤師会ごとの制度に移行することで、基準薬局は、今後ますます地域に密着したものとなることが見込まれます。