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さ行制酸薬(せいさんやく)

酸を中和して症状を抑える、代表的な胃の薬

制酸薬は胃炎に対する薬物療法によく用いられる医薬品で、胃酸を中和する作用を持ちます。

胃の内部は胃酸の作用で常に酸性ですが、その度合いは一定ではありません。酸性・アルカリ性のバランスを表す「pH値」でいえば、空腹時の胃内はpH1〜1.5で、これは食用酢よりも高い酸度です。しかし食事をした後ではpHは4〜5程度と、中性に近づいていきます。そして食後2~3時間が経つと、また元のpHに戻り酸度が高まっていきます。

このように胃内を常に酸性に保つことで、食物とともに侵入してきたばい菌を殺菌したり、タンパク質の消化酵素(ペプシン)の働きを高めたりします。しかし、あまりに多くの胃酸が分泌されてしまうと、胃の不快感やむかつき、痛みなどが発生してしまいます。

そこで酸性に強く傾いた胃内を中和し、pH値を高めて不快な症状を抑えるのが制酸薬です。

基本的な制酸薬は2種類

制酸薬はそれ自体がアルカリ性で、それによって胃酸を中和するという作用を持ちます。胃腸薬としては古くからあり、炭酸水素ナトリウムと酸化マグネシウムの2種類が主に用いられてきました。

炭酸水素ナトリウムは、いわゆる「重曹」です。飲むとすぐに胃酸を中和するため即効性があり、胃の不快感を解決してくれますが、持続性はありません。

酸化マグネシウムは「カマ」「カマグ」などと呼ばれ、胃酸を中和するだけでなく腸に水分を引き寄せる作用があり便通の改善が図れます。そのため便秘症にも処方される医薬品です。

これらの成分をベースに、痛みを取る成分や胃の粘膜を保護する成分などを配合した複合薬も多く作られています。一般に薬局・薬店で購入できる胃腸薬のほとんどは、こうした複合処方の薬です。

安全性は高いが、飲み合わせには注意

これらの制酸薬は医療機関で処方されるもののほか、薬局・薬店で胃腸薬として容易に購入できます。飲んですぐに効く即効性や薬効の判りやすさなどからも、一般の人々にとってはなじみ深い医薬品でしょう。

また制酸薬そのものが副作用の心配がほとんどなく、安全性の高い薬だといわれます。

ですが服用量や既往症などによっては、何らかのトラブルが起こる可能性はありますから、油断は禁物です。

調剤薬局を訪れる患者さんは、その薬局で処方された薬だけを飲んでいるわけではありません。他の薬局・病院からも薬が出ていたり、一般に流通している健康食品やサプリメント、あるいは胃腸薬やビタミン剤などを習慣的に使っていたりするケースもあります。それらの組み合わせによっては、特定の成分の過剰摂取や相互作用が問題を起こすことも十分にあり得ます。

そうした可能性を常に念頭に置き、充分なコミュニケーションのもとに服薬指導を行うことが大切です。

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