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さ行生物学的製剤(せいぶつがくてきせいざい)

生物学的製剤とは

生物学的製剤とは、広義には化学合成されたものではなく、生物由来の原料から作られたもの、あるいは生物の機能を利用して作られた医薬品を指します。ただし、現在の薬事法や日本薬局方では生物学的製剤についての規定がありません。そのため、厚労省が告示した「生物学的製剤基準」に収載された医薬品を指すことが一般的です。具体的にはヒト血液細胞から作られる血液製剤、免疫抗体を作る働きを利用した各種のワクチンや抗毒素が挙げられます。

「生物学的製剤」という言葉自体が英語の"Biological agents"の訳語であるため、その定義は厳密に定まっていないところもありますが、バイオテクノロジーを駆使して作られたものには違いありません。一般的に高い効果が期待できますが、一方で、非常に高価であることや、副作用のリスクが比較的高いというデメリットもあります。

品質と安全確保のための管理体制

生物学的製剤は製造にあたり、厳重な品質管理がなされています。例えば、あるワクチンの場合には、培養用の細胞を準備するところから、ウイルスを接種して作ったワクチン原液、さらに小分けにして製品化するまでの、あらゆるプロセスで検査・試験が行われます。

こうした品質管理の厳しさは、一般の医薬品でも同じことです。ですが、生物学的製剤はその性質上、病原体混入の可能性を完全にゼロにすることができません。そのためメーカーによる品質管理に加えて、厚労省の「生物学的製剤基準」に定められた国家検定を受けることが義務づけられています。

この検定はメーカーで行われた各種の検査・試験の記録を国立感染症研究所で厳密に審査し、さらにワクチン原液と製品については同様に検定試験を行う、というものです。こうして医薬品としての効果と安全性を最大限に確保するよう、配慮されています。

安全かつ効果的な治療のためには

生物学的製剤は、治療薬としては関節リウマチをはじめとする各種のリウマチ性疾患、炎症性腸疾患、乾癬のような皮膚疾患にも適応されています。ですがこれらの医薬品は免疫システムで重要な役割を果たすサイトカインや分子に作用するため、免疫力の低下を招き、感染症のリスクを高めてしまいます。そのため治療にあたっては患者さんの既往症などを十分に確認し、投与後の状態の変化にも注意しなくてはなりません。

そのため病棟勤務の薬剤師に対しては、看護師と協力しながら患者さんに適切な説明と指導を行い、さらには患者さんの状態を確認したうえで医師に薬学的な提案を行うなど、より積極的な治療への関与が求められています。

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