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さ行創薬(そうやく)

基礎研究開始から製品発売までのプロセス

「創薬」とは、新薬を開発するための基礎研究開始から製品発売まで、およそ10~18年という長期間にわたる一連のプロセスの総称です。創薬のプロセスはおよそ以下のように分類できます。

●基礎研究
新薬になる可能性を秘めた物質を探し求め、最終的にどんな新薬を開発するかの取捨選択(スクリーニング)を行う。この段階にはおよそ2~3年の期間を要する

●非臨床試験
培養細胞や実験動物を使って「薬効薬理試験」「薬物動態試験」「安全性薬理試験」「一般毒性試験」「特殊毒性試験」などを行う。この試験によって薬の安全性と有効性(薬効)を確認し、臨床試験の安全性を担保する。この段階はおよそ3~5年が必要

臨床試験は3つのフェーズ

非臨床試験を経て、新薬の一定の安全性が確認された段階で臨床試験へと進みます。臨床試験には第I相~第III相まで、3つのフェーズによる試験が繰り返し行われます。

これらの臨床試験は医療機関で、医師や治験コーディネーター(CRC)などの治験専門家の立ち会いのもと、治験に同意した人(健康な人・患者)を対象に繰り返し行われ、慎重にデータが採取されます。期間は第I相から第III相まで、およそ3~7年がかかります。それぞれのフェーズは以下のようになっています。

●第I相試験
初めて新薬(治験薬)が人間に投与される段階。健康な成人を対象に安全性や体内動態(薬物の吸収~排泄までの変化)を知るのが主な目的

●第II相試験
治験薬の効果が期待される疾病の少数の患者に協力してもらい、有効性・用法・用量などを調べる

●第III相試験
第I相、第II相試験よりも多くの協力者に対して治験を行い、実際の治療に近い形で投薬を行い、安全性と有効性を確認する

臨床実験が完了すると、製薬会社は厚生労働省に新薬の承認申請を行います。

これを受けて「独立行政法人医薬品医療機器総合機構」が審査を行い、承認が下りれば晴れて新薬として製造販売が可能になります。この申請から審査、承認までの期間にはおよそ1~2年がかかります。

「創薬」と「育薬」との補完関係

このように、新薬の開発から販売までには膨大な時間と手間がかけられ、安全性と有効性を慎重に追求しています。

そして市場に出された新薬に対しては、臨床試験よりもはるかに多くの患者に投薬されるようになってから新たな副作用が発見されたり、さらに的確な使用法が医師や薬剤師によって発見されたりということも考えられます。また、ある疾病のために開発された新薬が、思いがけず別の疾病に劇的に効いたというケースもあります。

こうした情報は製薬会社にフィードバックされ、薬の改善に役立つとともに、共有するべき情報は医療従事者に幅広く報告されます。
このような、新薬販売後の改良工程は「育薬」と呼ばれ、創薬と育薬との補完関係により、より安全で有効な薬が提供されるようになっています。

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