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た行毒性試験(どくせいしけん)

医薬品開発には欠かせないプロセス

医薬品の開発段階では、薬理作用が認められる成分の具体的な効果とともに、人間に対する毒性の有無を確認することが必須となります。そのため人体で試験をする臨床試験の前に、動物を使って毒性の有無を確認する検査が行われています。この検査のことを毒性試験と呼んでいます。これは最終的にその薬剤をヒトに投与するとき、どのような形でどれほどの量を投与すべきかを決定するための情報を得る、非常に重要なプロセスです。

毒性試験は、医薬品開発に関するその他の試験・検査と同様、その実施要綱がガイドラインによって厳しく定められており、毒性の検出と安全性の確保に万全を期すような形に整えられています。一例として試験に用いる動物については「2種類の哺乳類の雌雄」、たとえば齧歯類であるラットと非齧歯類であるイヌの雌雄で実施することなど、試験の方法に関して具体的かつ厳密な規定が定められています。

さまざまな危険性を確認する毒性試験

実際の毒性試験は一般毒性試験と特殊毒性試験とに分かれています。一般毒性検査はいわば基礎的な検査で、単回投与試験(急性毒性試験)と反復投与試験(慢性毒性試験)がそれに当たります。

単回投与試験は一度に大量の薬物を投与する試験で、これは一回あたりの投与量とその急性毒性を見るためのものです。反復投与試験はその後の臨床試験を見越したもので、投与期間を考慮したうえで一定の期間を区切り、その間に継続的に試験薬物を投与して、その毒性を確認するものです。一定期間にどれほどの量を投与すれば中毒症状を示すのか、あるいは示さないのかを推定するために、この試験は欠かせません。

特殊毒性検査では、薬物の投与によって生殖機能にどのような影響を与えるか、遺伝子の構造や機能に影響を及ぼすことはないか、依存性、発がん性やアレルギーを引き起こす性質を持っていないかどうか、さらに使用方法によっては皮膚や粘膜への刺激性はどの程度かということまで検査されます。

国境を越えて新薬を早く届けるために

毒性試験は臨床試験等とともに、新薬の安全性を確認し、行政機関によって製造販売の承認を受けるために欠かせないものです。ですが国際的な医薬品流通を考えると、そこには無駄も発生してきます。

たとえば海外で承認され、流通している医薬品。これらは各国の規定に基づき、厳格な毒性試験を経て承認されたものです。それを日本で製造・販売する場合、日本の規定に沿った試験を改めて行うことは、時間やコストの面でデメリットが大きすぎます。また動物愛護という観点からも、決して妥当とはいえません。

そのため日・米・EUでは各国の管轄機関と業界団体が連携して、医薬品の規定・規制に関する国際会議(日米EU医薬品規制調和国際会議=ICH)を発足させ、医薬品の試験についてのガイドラインを設けています。

このガイドラインに準拠することで、有益な新薬をより早く、しかもコストを抑えて各国に供給できる体制が作られたのです。

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