サポートを受ける

お電話でのご登録・ご相談も承っております。

フリーコール 0120-332-290

月~金曜(祝・祭日を除く) 9:00~20:00

  1. 薬剤師 求人・転職TOP
  2. お役立ち用語集
  3. 二重盲検試験(にじゅうもうけんしけん)

な行二重盲検試験(にじゅうもうけんしけん)

二重盲検試験とは

臨床試験で用いられる検査方法の一種です。医薬品の臨床試験では、試験参加者を2つの群に分け、一方の群は処置群として試験対象となる新薬を投与し、もう一方の群は対照群として既存薬あるいは薬効成分のないプラセボ(偽薬)を投与します。このとき、参加者だけでなく試験を実施する側の医療スタッフにも、「どの参加者がどちらの薬を投与されているのか」を知らせない状態で行われる試験方法を二重盲検試験と呼びます。


新薬の治験はいくつかの段階を踏んで行われますが、その有効性や安全性などを実地に検査し検証するための、一連の治験のステップの中でも最終段階で用いられる検査方法のことです。


なお、病変を持っている参加者に対して、プラセボのみの単独投与を行うことは倫理上の問題があるため、通常の基礎治療薬に加えて「新薬またはプラセボ」のいずれかを投与する、という形をとります。

二重盲検試験の特徴

この試験方法の特徴は、試験を受ける側(参加者)だけでなく、試験を実施する医師やスタッフ、その結果の評価に関係するスタッフも「誰が新薬あるいはプラセボを服用しているのか分からない」という点にあります。さらには参加者のうち、誰にどちらの薬を投与するのかという選抜の時点から、コンピューターを用いて無作為選出で行う「無作為二重盲検」になると、誰がどちらの薬を服用しているのかを把握している人物は、医療機関側には存在しないことになります。


通常は、このような仕組みで参加者各群に対して同時に行われることが一般的ですが、一定の期間、試験を行ったあとで処置群と対照群を入れ替え、それぞれの試験結果を集計して評価する「クロスオーバー比較試験」という方法を組み合わせる場合もあります。

なぜ、この試験方法が必要なのか

薬物治療においては、プラセボ効果は無視できない効力を持っています。そのため治験参加者が、自分の服用している薬剤が新薬なのかプラセボなのかを知ることは、それ自体が試験結果に偏りを及ぼすことになり、薬剤そのものの効果を精密に評価することができなくなってしまいます。


また、試験を実施する医師ら医療スタッフにしても、誰がどちらの薬剤を服用しているかを知ることで、新薬を服用しているグループに対して実際以上に高い評価を与えたり、試験中に参加者に何らかの暗示を与えたりしてしまうこともあり得ます。こうした可能性をできる限り排除するために開発されたのが、この二重盲検試験です。

なお、この試験の実施においては、参加者の誰にどちらの薬剤を投与するのかという割付けは第三者によって行われ、前項で触れたようにその割付けは無作為で行われることが多いようです。

お役立ち用語集TOPへ