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は行粉末吸入剤(ふんまつきゅうにゅうざい)

薬剤を吸着させた粉末を用いる薬剤形状

粉末吸入剤は、粉末状に加工した薬剤を吸気とともに吸い込み呼吸器に作用させるための薬剤です。使用される粉末は薬剤粉末を乳糖などの担体と二次粒子を形成させたものです。そうすることで薬剤成分が器具に付着残留しにくくなり、また吸入しやすくなるというメリットがあります。

以前はガスを封入したエアゾール式用の容器が使われていたのですが、容器のリサイクルができないことや廃棄の際にフロンガスを放出させてしまうことなどから現在ではガスを使わず、また容器にもリサイクル可能なプラスチックを使うなど、環境にも配慮したものが登場しています。それらの多くは小型で携帯性に優れ、また使用方法も簡単なので、子どもでもすぐに使えるという利点があります。

呼吸器疾患には欠かせない存在

薬剤を霧状に噴出して吸入するという治療方法は、すでに数千年前から存在していたとされていますが、現在行われているような吸入療法が登場したのは1950年代に入ってからです。当時はガスを用いたエアゾール式の薬剤を使用していましたが、使用方法が難しかったことや、製剤化にあたって必要な添加剤が副作用を誘発する危険があるなど、現在と比較すると決して好ましいものではありませんでした。前項でも触れたようにフロンガスの問題もあり、添加剤を必要としない粉末吸入剤の研究が進み、やがて多数の吸入治療薬が作られるようになりました。

現在では吸入ステロイド薬とその配合薬のほか、インフルエンザ治療薬など、多種多様な粉末吸入薬が登場し、広く使用されています。

粉末吸入剤の新たな使用法

現在、主に注射薬として使用されている各種の薬剤を、吸入剤として「肺から吸収させる」という発想が具体化しつつあります。こうしたアイデアはすでに製品化され、欧米各国で承認されて実際に使用されてきました。それが吸入式インスリン「エクスベラ」です。

注射を使わない「夢のインスリン」と注目されたものの、吸入デバイスが30センチを超える大きなものだったことや、安価な注射薬で代替できること、その注射薬にしても自己注射が簡単にできるデバイスが開発されていたことなどから、エクスベラはほとんど普及せず、開発元であるファイザー社は発売からわずか1年あまりで撤退を余儀なくされました。

こうした経緯はあるものの、粉末吸入剤という薬剤の方式には多くのメリットがあります。特に「注射器不要」という点では、注射針の管理や廃棄が難しい発展途上国の患者や、あるいは針に恐怖心を持つ小児への服用に用いやすく、また注射針を介した感染症の防止などにも役立ちます。そのため、ワクチンとしての活用なども摸索されているといわれています。

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