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や行薬物代謝(やくぶつたいしゃ)

薬物代謝とは

薬物代謝とは、薬物や毒物などを体外に排出させるための物質にする反応です。そのほとんどが、対象となる物質の親水性を向上し、分解・排出しやすくすることを指します。また、代謝を促すために欠かせない酵素を薬物代謝酵素といいます。ちなみに、酵素による薬物代謝は肝細胞内にあるミクロソームで行われます。薬物代謝は薬物の効果や個々によって差異のある副作用、また、薬物の併用による相互作用といったことに密接に関連しています。また、薬物代謝は2つの反応に大きく区分されます。1つが「第Ⅰ相」です。第Ⅰ相反応では、薬物や毒物の化学構造を変化させることにより、水溶性を向上させる反応が生じます。一例として、エステルなどの加水分解やシトクロムP450(CYP)による酸化反応・還元反応などがあげられます。そして、もう1つが「第Ⅱ相」です。第Ⅱ相反応は硫酸や酢酸、グルタチオンといった内因性の物質を加えることで水溶性が大きくなる抱合反応です。これらの代謝反応により生じた化合物は水溶性が反応前の物質に比べ大きく、尿や胆汁によって排泄されやすくなります。

健康食品と薬物代謝の関係

厚生労働省研究班によると、健康食品(市販)の4割程度に、薬物代謝の働きを促進する作用があるとしています。つまり、多くの健康食品が薬物の効果を低下させてしまう可能性があるということになります。中でも、ハーブや、うこんの成分を含むダイエット分野の健康食品の薬効低下が顕著にみられるそうです。この結果を導き出した研究は、2010年から2011年度にかけて、各地の薬局、約100店を対象として、健康食品の販売状況を調査。その中で取り扱いのあった243品目のうち200品目程度を実験対象として、薬物との相関性を調査したそうです。実験では人間の肝臓をモチーフとした培養細胞を生成し、各健康食品に配合されている成分を培養細胞に吸収させて反応を観察。薬物成分を分解する働きをもつ「CYP(シップ)3A4」「CYP1A1」といった2つの薬物代謝酵素が活性反応を見せるかどうかを調査しました。この調査の結果、2つの酵素の両方、または片方を活性化させる健康食品(薬物の効果を抑える働きをする)が、80品目程度にも上ったそうです。薬効の低下を招く薬物としては、睡眠薬や降圧剤、抗うつ薬、免疫抑制剤などが当てはまったそうです。

薬物代謝酵素の種類

臨床で用いられている薬物の70%程度を代謝しているとされるのが、シトクロムP450 (Cytochrome P450: CYP)という薬物代謝酵素です。シトクロムP450は主要な第I相薬物代謝酵素として位置づけられています(多くの薬物がP450の基質となっています)。また、酵素阻害や酵素誘導を引き起こすため、P450を介した薬物相互作用は、全ての薬物相互作用で3分の1程度にあたるとされています。また、このP450の次に、多くの薬物の代謝に関連している薬物代謝酵素が、UDP-グルクロン酸転移酵素 (UDP-glucuronosyltransferase, UGT) や加水分解酵素 (Esterase)です。しかし、これらの酵素については人間における薬物動態を考察するにあたって、まだまだ未解決な点が多くあります。

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