サポートを受ける

お電話でのご登録・ご相談も承っております。

フリーコール 0120-332-290

月~金曜(祝・祭日を除く) 9:00~20:00

  1. 薬剤師の求人・転職情報ならアポプラス薬剤師
  2. 薬剤師の転職お役立ち情報
  3. 薬剤師の働き方(スキル・資格)
  4. 【令和8年度調剤報酬改定対応】かかりつけ薬剤師の条件とは?算定要件・届出・業務内容を徹底解説

【令和8年度調剤報酬改定対応】かかりつけ薬剤師の条件とは?算定要件・届出・業務内容を徹底解説

更新日:

かかりつけ薬剤師は、患者さまの専属として安全な薬物治療と生活を支える専門家です。2026年6月の令和8年度診療報酬改定では、従来の「かかりつけ薬剤師指導料」「かかりつけ薬剤師包括管理料」が廃止され、「服薬管理指導料」へ統合され、新たな加算が新設されます。在籍期間や勤務時間の要件緩和など、今後のキャリアに直結する重要な変更が多数含まれているため、最新動向の把握は不可欠です。
この記事では、改定内容を踏まえた算定要件や実務、メリット・デメリットまでを網羅的に解説します。資格取得を目指す方や、改定への対応が必要な方は、ぜひ参考にしてください。





この記事からわかること

  • 令和8年度改定の内容(算定要件・届出のポイント、新設された加算の算定要件)
  • かかりつけ薬剤師になるための5つの条件と、改定で緩和された要件の詳細
  • かかりつけ薬剤師の業務内容、メリット・デメリット、時短勤務・パート勤務での取得可否

目次アイコン目次

【令和8年度調剤報酬改定対応】かかりつけ薬剤師の条件とは?算定要件・届出・業務内容を徹底解説

1. かかりつけ薬剤師とは? 転職市場における今後の需要は?

かかりつけ薬剤師とは? 転職市場における今後の需要は?

かかりつけ薬剤師とは、薬務や健康・介護の豊富な知識を持ち、患者さまのニーズに沿った相談に応じられる薬剤師を指します。継続的な服薬状況の把握により、重複投与や飲み合わせを防止し、安全で効果的な治療をサポートします。高齢化に伴うポリファーマシーや複数医療機関の受診で服薬管理が複雑化する中、処方箋単位の「点」の対応では限界があり、生活背景まで踏まえた「線」での継続介入が求められています。

また、かかりつけ薬剤師フォローアップ加算、かかりつけ薬剤師訪問加算の算定や地域支援体制加算の要件にも関わるため、在籍数は薬局の収益力を左右する経営指標でもあります。こうした背景から転職市場での価値は高まっており、とくに高齢化が進む地域での需要は大きく、今後は薬剤師にとって必須のスキルになるでしょう。

1-1. かかりつけ「薬局」と「かかりつけ薬剤師」の違い

「かかりつけ薬局」は一定機能を満たした「施設」(地域支援体制加算等)を指し、「かかりつけ薬剤師」は指名を受けた「個人」(服薬管理指導料等)を指します。両者は独立した概念ですが、かかりつけ薬剤師の在籍が薬局の施設基準にかかわるなど、制度上密接に連動しています。

かかりつけ薬剤師の役割と基本を押さえたところで、次は令和8年度の診療報酬改定による評価体系の最新動向を見ていきましょう。

2. 【令和8年度改定】かかりつけ薬剤師の評価体系はどう変わった?

【令和8年度改定】かかりつけ薬剤師の評価体系はどう変わった?

令和8年6月の改定で評価体系が抜本的に見直され、「実践行為への評価シフト」「働き方の多様化」を軸とした体系に再編されました。かかりつけ薬剤師を目指す上で重要な情報ですので、しっかりと改定内容を理解しておきましょう。

2-1. かかりつけ薬剤師指導料(76点)・包括管理料(291点)が廃止された背景

廃止の目的は、同意取得のノルマ化・目的化という課題を解消し、本来の趣旨へ立ち返ることです。独立点数化により「同意書獲得が目的化」し、患者本位のフォローが後回しになる現象が全国的に発生していました。独立点数を服薬管理指導料へ統合することで、算定要件のための業務から、実際の継続的服薬管理という「行為」を評価する体系へ転換されたといえます。これにより、より多くの薬剤師が機能を発揮しやすい体系となりました。

2-2. 服薬管理指導料への統合と新たな点数区分

服薬管理指導料に「イ(かかりつけ)」「ロ(それ以外)」の区分を新設。基本点数は同額ですが、「イ」のみ新設加算の対象となります。同意書は「お薬手帳への記載」へ移行する見込みですが、同意取得自体は引き続き要件です。

現場への影響として、同意書管理の事務負担が軽減される一方、加算算定には実質的な介入実績が必要となります。形式的な「囲い込み」では収益化できず、患者との関係性構築と継続支援の質が、薬局の収益力を直接左右する構造に変わります。

2-3. 「かかりつけ薬剤師がおかしい」と言われてきた理由と改定の関係

従来は勝手な指名や説明不足など、同意プロセスの形骸化に対する不満がありました。改定では「患者等の求めに応じて」を加算要件に明記し、患者起点の運用を徹底する姿勢が打ち出されています。

この変更は、薬局側の都合による同意取得を抑止し、患者自身の意思に基づく選択を制度上の前提とするものです。現場では、初回からの強引な同意取得は加算対象外となるリスクが高まり、信頼関係の積み上げを経た自然な指名へと運用の見直しが求められます。

評価体系の枠組みが大きく再編される中、具体的な業務に対する新たな評価も始まっています。続いては、新設された2つの加算について詳しく解説します。

3. 新設された2つの加算|フォローアップ加算(50点)と訪問加算(230点)

実際の対応に加算が設けられ、「かかりつけとして何をしたか」を評価する仕組みへ転換しました。

3-1. かかりつけ薬剤師フォローアップ加算(50点/3月に1回)

服薬管理指導料「イ」算定患者へ、次回受付までに電話等で状況確認や指導を行った場合に算定。外来服薬支援料1などの算定実績が前提で、「患者等の求めに応じて」行うことが必須要件です。

現場での落とし穴として、薬剤師側からの一方的な電話は「求めに応じた」要件を満たさず、算定不可となるリスクがあります。初回交付時に「次回までに不安があればご連絡ください」と患者からの依頼を引き出す導線設計が重要です。また、通話内容・依頼経緯の記録漏れは指導の対象になりやすく、薬歴への定型記載フォーマット整備が実務上のカギとなります。

3-2. かかりつけ薬剤師訪問加算(230点/6月に1回)

患者宅を訪問して残薬整理等を行い、その結果を「医療機関へ情報提供すること」が必須要件です。交通費は患者負担となり、在宅患者訪問薬剤管理指導料などとの併算定はできません。

詰まりやすいポイントは、医療機関への情報提供文書の作成・送付を失念し、訪問だけで算定してしまうケースです。情報提供がなければ要件未充足となるため、訪問→報告書作成→送付までを一連のフローとして運用する必要があります。また、交通費の事前説明不足は患者トラブルに直結するため、訪問前の同意取得書面に明記しておくと安全です。在宅指導料との併算定不可は見落としやすく、対象患者の選定段階で整理しておくことが求められます。

実践行為が直接評価されるようになった今、かかりつけ薬剤師には具体的にどのような業務が求められているのでしょうか。次章で詳細を確認していきます。

4. かかりつけ薬剤師に求められている業務内容

かかりつけ薬剤師に求められている業務内容

かかりつけ薬剤師は、一般的な保険薬剤師の業務に加えて以下のような役割も求められています。

  • 服薬情報の一元的・継続的な管理
  • 夜間・休日医療への対応
  • 医療機関との連携

かかりつけ薬剤師を目指すなら、含まれる業務を知っておく必要があります。それぞれの詳細を見ていきましょう。

4-1. 服薬情報の一元的・継続的な管理

かかりつけ薬剤師には、処方薬だけでなく、OTC(一般用医薬品)やサプリメントも含めた服用情報と残薬数の一元的・継続的管理が求められます。複数の医療機関からの重複投与や相互作用によるリスクを早期に発見・防止し患者さまが安全かつ効果的に治療を受けられるようサポートするのがかかりつけ薬剤師の仕事です。

現場のボトルネックとして、患者の自己申告に依存するOTC・サプリ情報の把握漏れが頻発します。お薬手帳の活用が進まない患者層では情報が分断されやすく、問診の標準化や電子薬歴へのヒアリング項目組み込みが不十分だと、一元管理が形骸化しがちです。

4-2. 夜間・休日、在宅医療への対応

かかりつけ薬剤師は、薬局の閉局時間帯や休日でも薬の相談や問い合わせに応じます。また、外出が難しい患者さまに対して在宅訪問を実施し、自宅で服薬指導や管理サポートも提供します。こうした24時間体制の柔軟な対応により、患者さまがいつでも安心して療養できる環境を整えています。

現場のボトルネックは、個人携帯への連絡対応による薬剤師の負担集中です。当番制やオンコール体制が未整備の薬局では、特定の薬剤師にしわ寄せが行き、離職要因にもなり得ます。在宅対応も移動時間の確保が難しく、調剤シフトとの両立に苦慮するケースが多く見られます。

4-3. 医療機関との連携

調剤業務だけでなく、処方内容の確認や医療への疑義照会・処方提案も積極的に行います。服用後の効果や副作用を継続的に見守り、得た情報を医師へフィードバックすることで、医療チームの一員として多角的に患者さまをサポートします。医師や看護師と密に連携しながら、患者さまの健康状態を総合的に管理し、より良い治療結果に導くのもかかりつけ薬剤師の業務です。

現場のボトルネックとして、トレーシングレポート等の情報提供が一方通行になり、医師側のレスポンスが得られず形骸化するケースが少なくありません。また、提案内容の医学的根拠を示す力量差が薬剤師間で大きく、書式の標準化や事例共有の仕組みがないと連携の質にばらつきが生じます。

令和8年度改定により、従来のかかりつけ薬剤師指導料(76点)・かかりつけ薬剤師包括管理料(291点)は廃止され、服薬管理指導料の中に『かかりつけ薬剤師が行った場合』の区分として統合されました。詳しくは本記事の2章をご参照ください。

続いて、令和8年度改定で一部緩和された「かかりつけ薬剤師になるための5つの条件」を確認していきましょう。

5. かかりつけ薬剤師になるための6つの条件【令和8年度改定で一部緩和】

かかりつけ薬剤師になるための6つの条件【令和8年度改定で一部緩和】

かかりつけ薬剤師になるためには、薬剤師個人としての要件に加え、令和8年度改定からは薬局としての要件も新たに設けられました。ここでは従来の5つの条件をベースに、改定による変更点を反映して解説します。

5-1. 3年以上の薬局勤務経験がある

かかりつけ薬剤師になるためには、3年以上の薬局勤務経験が必要です。かかりつけ薬剤師には、薬の知識だけでなく、食事や運動、生活習慣など、健康に関する幅広い知識が求められます。薬局にて、地域の患者さまの総合的な健康管理に3年以上携わることで、かかりつけ薬剤師に必要なスキルの土台ができるのです。

病院での薬剤師勤務経験は、たとえ長期間であっても1年のカウントになります。病院勤務からかかりつけ薬剤師を目指す場合、追加で2年以上の薬局勤務経験が必要です。

<なぜこの条件があるのか>

薬局業務特有の「外来患者への継続フォロー」「OTC・セルフケア相談」など、病院では経験しにくい業務スキルの担保が目的です。

<誤解されやすい点>

「病院勤務が長ければ短縮される」と誤解されがちですが、病院経験は何年あっても上限1年換算です。また、ブランク期間中は経験年数に加算されません。

<満たすための現実的な方法リスト>

  • 病院出身者は早期に薬局へ転職し、2年以上の勤務を計画的に積む
  • パート勤務でも保険薬剤師としての登録があれば期間にカウント可能
  • 転職時は前職の在籍証明書を確実に取得・保管しておく

5-2. 6か月以上該当の薬局に在籍している(旧:1年以上 → 緩和)

かかりつけ薬剤師になるには、「該当の薬局に6か月以上(旧要件の1年以上から緩和)在籍している」という条件もあります。これはかかりつけ薬剤師は、指名をくれた患者さまとの信頼関係が重要なためです。

地域の患者さまと継続的にコミュニケーションを取り、時間をかけて信頼を得ることで、かかりつけ薬剤師としての役割を果たせるようになるのです。産休・育休・介護休業から復職する際、同一薬局であれば休業前の在籍期間を合算できるようになりました。ライフイベントによるキャリアの中断が不利にならないよう整備されています。

また、別の薬局に転職した場合も、待機期間が従来の1年から6か月に半減したことで、届出が可能になるまでの期間が大幅に短縮され、かかりつけ薬剤師としてのスキルを活かした転職がしやすくなりました。

<なぜこの条件があるのか>

患者と薬剤師の継続的関係構築には最低限の時間が必要との考え方ですが、緩和により人材流動性とのバランスが取られました。

<誤解されやすい点>

「異動」でも同一法人内であれば店舗が変われば期間はリセットされます。また、復職時の合算は「同一薬局」が条件で、グループ内別店舗への復職では合算不可です。

<満たすための現実的な方法リスト>

  • 転職時は入職日から6か月後の届出予定をあらかじめ薬局と共有する
  • 産休・育休取得時は復職先を同一薬局に確保しておく
  • 法人内異動の打診時は、かかりつけ要件への影響を必ず確認する

5-3. 週31時間以上該当の薬局に勤務している(旧:週32時間以上 → 緩和)

かかりつけ薬剤師になるためには、週31時間以上(旧:週32時間以上から緩和)該当の薬局に勤務する必要があります。

週31時間以上勤務すれば、患者さまと話す機会が多くなり、信頼関係も築きやすいでしょう。また、来店の際に見知った薬剤師が対応してくれるのは、患者さまの安心感につながるはずです。

「かかりつけ薬剤師 条件 時短(またはパート)」とよく検索されるように関心の高いテーマですが、今回の緩和により、週31時間以上であれば時短勤務でも要件を満たせる可能性があります。ただし、パート勤務の場合は「週31時間以上のシフトを継続的に確保できるか」が実質的なハードルとなります。

<なぜこの条件があるのか>

患者の来局タイミングに対応できる頻度と、薬局運営に関わる時間量の担保が目的です。

<誤解されやすい点>

時短勤務には別途「週24時間以上かつ週4日以上」という緩和条項があり、育児・介護中の薬剤師は31時間未満でも要件を満たす可能性があります。また「31時間」は実労働時間で、休憩時間は含まれません。

<満たすための現実的な方法リスト>

  • 時短勤務希望者は「週24時間以上・週4日以上」の特例適用を薬局に相談
  • パート契約時は週31時間以上の固定シフトを契約書に明記
  • 残業ではなく所定労働時間で要件を満たすシフト設計を依頼

5-4. 「研修認定薬剤師」等の資格を取得している

かかりつけ薬剤師になるには、日本薬剤師研修センターをはじめとする認定団体が「自己研鑽により資質向上の努力を継続している」と認めた薬剤師に与える「研修認定薬剤師」の資格取得も必要です。

「研修認定薬剤師」の資格はさまざまな認定団体が発行しているため、複数あります。かかりつけ薬剤師の場合は、とくに認定の種類を限定していませんが、自身の勤める薬局や患者さまの様子から、必要と思われるものを取得するのが望ましいでしょう。

<なぜこの条件があるのか>

継続的な自己研鑽を制度的に担保し、知識のアップデートを義務化する目的があります。

<誤解されやすい点>

「薬剤師認定制度認証機構(CPC)が認証した制度」である必要があり、すべての研修認定が対象ではありません。また、認定の更新を怠ると要件喪失になります。

<満たすための現実的な方法リスト>

  • 日本薬剤師研修センターなどのHPを確認し、単位を計画的に取得
  • e-ラーニングで在宅学習を併用
  • 認定の更新時期をカレンダー管理し、失効を防ぐ

5-5. 医療にかかわる地域活動へ参加している

「医療にかかわる地域活動への参加」をすることも、かかりつけ薬剤師になるための条件としてあげられます。具体的には、以下のような活動への参加が求められています。

▼かかりつけ薬剤師に推奨される地域活動の例

  • 地域行政や医療関係団体などが主催する講演会への参加
  • 地域で多職種が連携して行っている研修会への参加や、演者としての実績
  • 子供たちに薬の適正使用について説明するなど、委託を受けて行う学校薬剤師の業務
  • 休日夜間薬局としての対応や、休日夜間診療所への派遣

主に行政や薬剤師会などが地域住民に向けて主催する活動へ参加する必要があります。メーカー主催の勉強会などは、地域活動として認められません。

<なぜこの条件があるのか>

薬局内業務にとどまらず、地域包括ケアの一員として機能することを制度的に求めるためです。

<誤解されやすい点>

「製薬企業主催の勉強会」「自店舗での社内研修」は対象外です。地域活動参加証明書の保管も忘れがちなポイントです。

<満たすための現実的な方法リスト>

  • 地域の薬剤師会へ加入し、主催イベントへ定期参加
  • 学校薬剤師として委嘱を受ける(薬剤師会経由で打診可能)
  • 休日夜間診療所の派遣シフトに登録する
  • 参加証・出席記録は必ずコピー保管しておく

5-6. 【新設】薬局側の施設基準も確認が必要

かかりつけ薬剤師になるためには、所属する薬局も特定の届出を出す必要があります。改定により、提出書類が「服薬管理指導料の施設基準」へ移行しました。未手続きでは加算を算定できないため、届出の確認や再提出が必要です。

また、従来通りの個人要件の証明書類(認定薬剤師証明書や地域活動証明など)に加え、新たに以下の「薬局要件」が必須となりました。

  1. かかりつけ要件を満たす薬剤師の配置
  2. 常勤薬剤師の平均在籍1年以上、または管理薬剤師の継続在籍3年以上
  3. プライバシーに配慮した独立カウンター等の設置

これらの要件をすべて満たし、適切に届出を行うことで業務を正式に開始できます。

<薬局要件を満たせない典型例>

  • 新規開局・分院から1年未満で、常勤の平均在籍が短い薬局
  • 管理薬剤師が頻繁に交代しており、3年未満で入れ替わる薬局
  • カウンターがオープンで、隣の患者に会話が筒抜けの店舗レイアウト
  • グループ間異動が多く、常勤薬剤師の入れ替わりが激しい大手チェーンの一部店舗
  • 個人要件を満たす薬剤師が在籍していない薬局

<満たすための現実的な方法リスト>

  • 転職前に応募先薬局の「服薬管理指導料の施設基準届出」状況を確認
  • 管理薬剤師の在籍年数や常勤の平均在籍を面接時に質問
  • カウンター構造(パーテーション有無)を店舗見学で実地確認
  • 届出書類の控えは個人でも写しを保管し、要件喪失時の再届出に備える

要件をクリアしてかかりつけ薬剤師として活躍できるようになれば、待遇やキャリア面でも変化が期待できます。次は、気になる年収や転職市場での評価について見ていきます。

下田氏
下田コメント
令和8年度改定でかかりつけ薬剤師の勤務要件が緩和され、挑戦しやすくなりました。今後は「何をしたか」という実践力が直接評価されるため、資格取得後も患者さまに寄り添った丁寧な日々のフォローアップが重要です。

6. かかりつけ薬剤師の年収事情|キャリアアップや転職市場における評価は?

かかりつけ薬剤師の年収事情|キャリアアップや転職市場における評価は?

かかりつけ薬剤師は年収面での優位性に加え、取得までのキャリア設計や転職市場での評価という観点でも注目されています。ここでは年収水準とあわせて、キャリア形成の視点から解説します。

6-1. かかりつけ薬剤師の年収体系

かかりつけ薬剤師の年収は一般的に500万~600万円が相場とされています。

年収に差が出る理由は、かかりつけ機能が薬局の収益構造に直結するためです。服薬管理指導料「イ」やフォローアップ加算・訪問加算の算定は、1人の薬剤師が抱える指名患者数に比例して薬局収益を押し上げます。さらに地域支援体制加算や連携強化加算など上位施設基準の取得要件にも関わるため、かかりつけ要件を満たす薬剤師の在籍は経営インパクトが大きく、資格手当・役職手当の形で年収に反映されやすい構造になっています。

評価されやすい職場としては、以下のような薬局が挙げられます。

  • 地域支援体制加算を取得している調剤薬局(かかりつけ機能を経営戦略の中核に据えている)
  • 在宅医療に注力する薬局(訪問加算の算定実績が直接評価につながる)
  • 門前依存から面対応へ転換中のチェーン薬局(指名患者の獲得が店舗評価指標)
  • 高齢化率の高い地域の薬局(ポリファーマシー対応ニーズが高く貢献度が可視化されやすい)

逆に、処方箋枚数のみを評価軸とする門前型薬局では、かかりつけ機能が年収に反映されにくい傾向があります。求人選定時は、評価制度に「かかりつけ関連の加算実績」が組み込まれているかを確認することが重要です。

今後もかかりつけ薬剤師の需要が高まると予想されるため、年収の交渉もしやすくなるでしょう。

6-2. かかりつけ薬剤師の条件を満たすまでのモデルキャリア

新卒3年目までに実務経験と研修認定を取得し、4年目以降に「在籍6か月・週31時間」の要件や地域活動実績を満たして届出を行うのが標準ルートです。改定による要件短縮で、転職後も約半年で再取得が可能です。

6-3. キャリアアップ・転職市場での評価ポイント

算定実績は「関係構築力」と「フォローアップ力」の客観的証明として高く評価されます。管理職選考では取得・育成経験が有利に働き、新設の「訪問加算」を算定できる人材として、在宅注力薬局での採用優先度も高まります。

年収やキャリア面での魅力がある一方で、現場で働く上では特有の負担も存在します。続いて、かかりつけ薬剤師として働くメリットとデメリットを整理してみましょう。

7. かかりつけ薬剤師として働くメリット・デメリット

かかりつけ薬剤師として働くメリット・デメリット

かかりつけ薬剤師として働くメリット・デメリットは何があるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

7-1. メリット

かかりつけ薬剤師として働くメリットは以下の通りです。

  • 人材不足による高年収の傾向:地域医療の要として国が推進している制度ですが、対応できる人材が不足しています。転職市場での需要は年々高まっており、少子高齢化の影響もあって今後も高待遇が続く可能性が高いでしょう。
  • 専属薬剤師としての大きなやりがい:一元管理を通じて患者さまに深く寄り添った指導が可能です。知識をフル活用して最適な提案を行い、患者さまから信頼を寄せられることは、仕事への高いモチベーションに直結します。
  • 薬剤師としてのスキル向上:急な相談対応や幅広い健康サポートを通じて、通常の調剤業務では得られない高度な知識・経験を積むことができ、専門家としてのキャリアアップにつながります。

7-2. デメリット

かかりつけ薬剤師として働くデメリットには以下が考えられます。

  • 夜間・休日への対応負担:担当患者さまに対し、閉局時や休日も相談に応じる体制を整える必要があります。担当数が増えるほど多忙になりますが、令和8年度の診療報酬改定で「フォローアップ加算」が新設され、こうした業務負担が適切に評価される仕組みへと変化しています。
  • 質の高いサービスと責任の重さ:併用薬や体質、既往歴など、あらゆる情報を把握した上での的確なアドバイスが求められます。患者さま専属のパートナーとして、健康に対する責任の重さを感じる場面も多くなります。

7-3. どんな人に向いているか・向いていないか

かかりつけ薬剤師は、患者との関係構築や地域医療に意欲的な人に向き、夜間・休日対応がストレスな人には不向きです。迷う場合は、研修認定の取得や地域活動から始め、適性を見極めましょう。

7-4. 現場で起こりやすいコンプライアンス・トラブルと予防策

同意に関するクレーム防止のため、手帳記載への移行後も丁寧な説明と記録が重要です。新設加算の要件失念を防ぐため、スクリプトやチェックリストを整備し、レセプト点検に組み込みましょう。

メリット・デメリットや現場での注意点を理解した上で、実際に薬局で対応すべき令和8年度改定の具体的な実務チェックポイントを見ていきましょう。

8. 令和8年度改定を踏まえた薬局実務・届出のチェックポイント

令和8年度改定を踏まえた薬局実務・届出のチェックポイント

改定に伴う算定・届出・施設基準などの実務上の確認ポイントを整理します。

8-1. 届出・算定フローの確認事項

「服薬管理指導料」への届出切替が必要です。同意書廃止後も同意取得自体は必須のため、記録フローを再整備し、新設加算の併算定不可ルール等のシステム設定も確認してください。

8-2. 要件緩和を活かした人材戦略

要件緩和(在籍6か月・週31時間)により該当者が拡大し、産休等の復職者も期間合算で早期再開が可能になりました。新設の「薬局要件(常勤の平均在籍1年以上等)」の充足を確認し、届出準備を進めましょう。

下田氏
下田コメント
かかりつけ薬剤師は年収やキャリア面でのメリットが大きい反面、夜間対応や高度な知識など薬剤師としての責任も伴います。令和8年改定の実務対応ではフォローアップなどの負担も増えるため、経営陣と現場が連携して準備を進める必要があります。

9. かかりつけ薬剤師の条件・働き方に関するよくある質問

かかりつけ薬剤師の条件・働き方に関するよくある質問

かかりつけ薬剤師の条件や制度に関するよくある疑問をまとめました。

Q1. パートや時短勤務でもかかりつけ薬剤師になれますか?

勤務時間要件が「週31時間以上」に緩和され、継続的にシフトを確保できれば可能です。ただし、シフトの安定性や薬局の施設基準も影響するため、事前のすりあわせが重要です。

Q2. 転職した場合、かかりつけ薬剤師の届出はどうなりますか?

以前の届出は無効になりますが、在籍要件が「6か月以上」に短縮され、再取得の待機期間は半減しました。なお、産休等から同一薬局に復職する場合は、休業前後の在籍期間を合算できます。

Q3. かかりつけ薬剤師の同意書は令和8年度改定後も必要ですか?

書面の同意書は廃止され、お薬手帳への記載へ移行する見込みです。ただし、「同意取得」自体は引き続き必須の算定要件となるため、適切な説明と手帳記載のオペレーション整備が必要です。

10. 要件緩和を機に「かかりつけ薬剤師」を活かした好条件転職を目指そう!

要件緩和を機に「かかりつけ薬剤師」を活かした好条件転職を目指そう!

かかりつけ薬剤師の要件は、令和8年度改定で緩和されており、時短やパートにも門戸が広がりました(他要件は継続)。評価体系の統合や加算の新設により、実績が直接評価される仕組みとなっています。そのほかにも、厳しい条件はありますが、患者さまと信頼関係を築きながら、総合的な健康管理ができるやりがいのある仕事です。実践スキルは転職市場での評価も高く、要件緩和を機に取得を目指す価値は大きいと言えます。

取得を迷っている方は、以下の4ステップで段階的に進めるのが現実的です。

  1. 研修認定薬剤師の単位取得を開始
  2. 在籍6か月・週31時間要件の充足確認
  3. 地域活動への参加実績づくり
  4. 薬局の施設基準確認と届出

かかりつけ薬剤師の需要は高まっており、年収アップを目指しやすい職種です。「かかりつけ薬剤師の資格取得を目指したい」「かかりつけ薬剤師としてより高収入を目指したい」という方は、転職を検討するのもひとつの手です。

かかりつけ薬剤師の資格取得を目指す方には、資格取得をサポートする職場、すでにかかりつけ薬剤師として働いている方には、今よりも好条件の職場を見つけられる可能性があります。

もし転職に関して相談したいという場合は「アポプラス薬剤師」へお問い合わせください。「アポプラス薬剤師」では、経験豊富なキャリアコンサルタントが、あなたにぴったりの薬剤師求人情報を紹介します。「アポプラス薬剤師」を活用して、希望の条件で働ける職場への第一歩を踏み出しましょう。

監修者

下田氏

薬剤師・薬局経営コンサルタント 下田 篤男

京都大学薬学部総合薬学科卒業。 卒業後は調剤薬局やドラッグストアグループで薬剤師として勤務。 総合病院門前などで管理薬剤師として経験を積んだのち、マネジメント業務にも携わる。現在は薬剤師として働く傍ら、医療記事の執筆、編集や薬局経営コンサルタントとしても活動している。

 かかりつけ薬剤師を
目指すには
年収が低いと悩むなら別の職場もチェック

かかりつけ薬剤師になるためには、いくつかの条件をクリアしなくてはなりません。もし今の職場では条件を満たせない...という場合は転職も一つの手です。かかりつけ薬剤師を目指しやすい職場がないかチェックしてみましょう。

新着記事一覧を見る >

薬剤師専門の転職サポート!32年の実績!

転職サポートに登録(無料)
過去の記事薬局長と管理薬剤師の違いとは?業務内容や職種ごとの特徴と目指す方法を解説

アポプラスキャリアの登録メリット

  1. 1
    「登録者限定求人」をすぐにご紹介します! 全体の80%以上がWEB公開していない求人。登録後、人気求人を優先的にご紹介します。
  2. 2
    あなたの希望条件により近づける調整をします! 求人条件はあなたの「最終条件」ではありません。より希望に近づける調整が可能です。
  3. 3
    応募から面接、就業条件の交渉まで全てお任せ! 就業中・育児中でもラクラク。企業とのやりとりは全てコンサルタントにお任せください。