薬剤師のボーナス平均額は?年収を上げる3つの方法も解説!
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「他の薬剤師はどれくらいボーナスをもらっているの?」「勤続年数が長くなってもボーナスは増えないって本当?」
仕事をするうえで、ボーナスについて気になる薬剤師の方も多いのではないでしょうか。薬剤師は専門性の高い仕事であるため、高収入だという印象を持つ人も少なくありません。しかし、給与やボーナスについては、親しい仲の人でも触れられない話題の1つです。
そこで今回の記事では、薬剤師のボーナスの平均額や、勤務先ごとの傾向、派遣社員のボーナスについて詳しく解説します。薬剤師がボーナスを上げるための方法も紹介していきますので、是非参考にしてください。
目次
薬剤師のボーナス平均額は?年収を上げる3つの方法も解説!
1. 薬剤師のボーナスは平均いくら?
薬剤師のボーナスの平均額は、いくらなのでしょうか。そもそも、ボーナスはどうやって決まるのか基礎知識も押さえておきたいものです。ここでは、薬剤師のボーナスにまつわる、以下4つの疑問について解説していきます。
- ボーナスの平均額は?
- ボーナスの仕組みは?
- 1年目のボーナスは出る?
- 地域によって変わる?
1つずつ見ていきましょう。
1-1. ボーナスの平均額は?
全国の薬剤師は、どれくらいのボーナスをもらっているのでしょうか。厚生労働省の2021年の賃金構造基本統計調査によると、ボーナスの年間平均額は約883,700円です。ボーナスは年2回支給されることが一般的であるため、1回あたりで計算すると約441,850円となります。
また、企業の規模により平均額は異なり、いわゆる大手調剤薬局といわれる従業員のボーナスの年間平均額は1,030,200円で、1回あたり約515,100円と、高めの傾向にあります。
1-2. ボーナスの仕組みは?
ボーナスは労働基準法などで明確に定められているものではないため、企業によって仕組みが異なります。多くの場合、査定基準は就業規則に記載されており、査定や業績により増減があることも少なくありません。
就業規則とは、従業員が守るべきルールと、従業員の労働条件が定められたものです。自分の勤める会社のボーナスを知りたい場合は、勤務先の就業規則を確認してみましょう。
また、ボーナスには査定期間があり、企業によっては査定を基準に支給額を決めることも珍しくありません。会社の決算月により異なりますが、査定期間は、夏のボーナスで10月~3月、冬のボーナスは4月~9月に分けられるのが一般的です。
多くの場合ボーナスの査定は、業績評価・能力評価・行動評価を基準として行われます。それぞれの内容は以下のとおりです。
【業績評価】
業績評価は、賞与の査定項目の中でも重視されやすい評価基準です。査定期間中に数値化された目標をどれだけ達成できたか、などによって評価されます。目標の難易度は、役職や能力によっても異なります。また、目標達成率だけでなく、企業の業績へと貢献したか、その他の社員と協力したかという仕事に対する姿勢なども評価対象になることがあります。
【能力評価】
能力評価は、個人が持つ能力や資格などの評価基準です。マネージャーなど重要なポストで働いた場合も評価対象となります。数値化された成果でなくとも、外部講習への参加や企業が推奨する資格を取得したなど、積極性が評価されることもあります。
【行動評価】
行動評価は、日々の遅刻欠勤などの勤務態度、コミュニケーション能力、出勤率などを評価する基準です。業績を挙げている社員でも、行動評価が低いと査定は下がります。企業によっては、勤続年数を評価項目に入れていることもあります。
1-3. 1年目のボーナスは出る?
入社して1年目に、ボーナスが出るかどうか気になる人も多いでしょう。結論から言うと、新卒1年目の薬剤師にも、ボーナスは支給されます。ただ、夏のボーナスが支給されるかどうかは企業によります。
ボーナスは査定期間内の評価により支給額が決まります。夏のボーナスは一般的に6月か7月に支給されることが多く、4月に入社した新卒1年目では3,4か月しか働いておらず、査定期間が短いためです。
しかし、従来の社員とは同等程度とはいかなくても、新卒社員を労うために賞与を支給する企業もあります。夏のボーナスは「寸志」として、数万円が支給されるというケースもあるでしょう。
1-4. 地域によって変わる?
薬剤師のボーナスは、地域によっても違いがみられます。厚生労働省の統計データによると、都道府県別のボーナスの支給額の全国平均は883,700円であるところ、静岡は797,000円と、およそ9万円ほど下回る結果です。一方、栃木県では1,115,900円と、全国平均よりも23万円ほど上回っています。
このように薬剤師のボーナスの地域差は、人口に対する薬剤師の充足率など、需要と供給の差に影響を受けていると考えられます。一般的な業種では首都圏のほうが給与は高い傾向にありますが、薬剤師の場合はそうとは限りません。
東京・神奈川・兵庫など一部の都市部は薬剤師が充足傾向にあり、不足が深刻化する地方では、給与設定を高くしている企業もあるようです。
2. 薬剤師のボーナスは勤務先によって変わる?
薬剤師とひとことで言っても、働き方や勤務先によって業務も異なるため、当然、ボーナスの金額も変わります。薬剤師の職場は、大きく分けて以下4つに分けられます。
- 調剤薬局
- ドラッグストア
- 病院
- 製薬会社など企業
勤務先ごとのボーナス額について、詳しく見ていきましょう。
2-1. 調剤薬局
平均年収 | 約450万~550万円 |
---|---|
平均月収 | 約31万円 |
賞与(ボーナス)1回分 | 約63万円 |
※アポプラス薬剤師求人サイトに掲載している求人データを参考に、1回分のボーナス(約2ヵ月分として)を算出
調剤薬局に勤める薬剤師のボーナス平均額は、約63万円です。調剤薬局は、薬学部を卒業した多くの学生が就職する率の高い職種だといえます。調剤薬局は、長期的に勤務してもキャリアアップするのはごく一部で、ボーナスの額には個人ごとに差が出やすいという特徴があります。
ただし、調剤薬局は地域によって状況が異なり、薬剤師が不足している地方などでは年収やボーナスが高くなる傾向にあります。
2-2. ドラッグストア
平均年収 | 約515万~600万円 |
---|---|
平均月収 | 約35万円 |
賞与(ボーナス)1回分 | 約70万円 |
※アポプラス薬剤師求人サイトに掲載している求人データを参考に、1回分のボーナス(約2ヵ月分として)を算出
ドラッグストアに勤める薬剤師のボーナスの平均額は、約70万円です。他の職場と比べて高給が望める職種だといえます。さらに、店長やマネージャーなど管理職に就くと、昇給する可能性もあります。また、大手のドラッグストアは給与規程がきっちりと定められている傾向にあるため、昇給とともにボーナスの額は上がりやすいといえるでしょう。
2-3. 病院
平均年収 | 約390万~500万円 |
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平均月収 | 約28万円 |
賞与(ボーナス)1回分 | 約56万円 |
※アポプラス薬剤師求人サイトに掲載している求人データを参考に、1回分のボーナス(約2ヵ月分として)を算出
病院薬剤師のボーナスの平均額は、約56万円です。勤続年数が長くなったり資格を取得したりすることで、昇給することが考えられます。薬局長や薬剤部長になるというキャリアアップも望めますが、役職がつかないと昇給しないこともあり、ボーナスの額にも影響します。
医療施設では、医療従事者のなかでも人手不足となりやすい医師や看護師に人件費が回されることが、病院薬剤師のボーナスが低い水準にあることに関係しているともいわれます。特に、就職した直後や、若年層は基本給が低い傾向にあります。
2-4. 製薬会社など企業
平均年収 | 約550万~700万円 |
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平均月収 | 約39万円 |
賞与(ボーナス)1回分 | 約78万円 |
※アポプラス薬剤師求人サイトに掲載している求人データを参考に、1回分のボーナス(約2ヵ月分として)を算出
製薬会社など企業に勤める薬剤師のボーナス平均額は、約78万円です。製薬会社は薬剤師の働く職場としては高給であることから、ボーナスも高めです。会社によっても給与の相場は変わり、外資系製薬会社は収入が高い傾向にあります。特に、営業や広報担当のMRの場合、成績次第でインセンティブが加算されることもあるでしょう。
ただし、製薬会社での職種には幅があり、どの仕事に就いているかにより給与やボーナスも異なります。転職先として考える場合は、希望する働き方と収入のバランスをみながら検討することをおすすめします。
3. 薬剤師の派遣社員はボーナスがない?正社員がいいの?
正社員ではない働き方で勤務する薬剤師も、数多く存在します。基本的に、パートタイマーやアルバイト、派遣社員や契約社員といった場合は、ボーナスが出ない企業がほとんどです。しかし、非正規雇用と正社員では働き方が異なるため、単純にボーナスの有無だけでは比べられません。
契約社員は派遣社員とは異なり、雇用主と直接雇用契約を結びますが、契約期間が決まっている有期雇用です。通常、労働期間は1年ごとに更新され、契約が満了すると終了することも考えられます。しかし、考え方によっては1つの会社に縛られず、自分のライフスタイルにあった勤務時間や通勤場所の職場に転職することも可能です。
一方、正社員にはボーナスがあり、福利厚生や昇給制度などを利用してキャリアアップを望むこともできます。しかし、企業によっては転勤や異動が避けられず、休日出勤をしなければならないこともあるでしょう。
ボーナスだけを取り上げると正社員に分があると感じられるかもしれませんが、非正規雇用での働き方を選んだほうが、プライベートとの両立が実現しやすいという人もいます。
4. 薬剤師がボーナスを上げるための3つの方法
では、薬剤師がボーナスを上げるためには、どうすればいいのでしょうか。方法としては、以下の3つが考えられます。
- 長く在籍して基本給を増やす
- キャリアアップを目指す
- 条件が良い職場に転職する
それぞれの方法について詳しく解説していきましょう。
4-1. 長く在籍して基本給を増やす
薬剤師がボーナスを増やすための方法の1つは、企業に長く在籍して基本給を増やすことです。企業によりボーナスの算定基準はさまざまですが、一般的に、勤続年数が増えるほど基本給は上がります。基本給が上がれば、ボーナスの額も増える傾向にあります。
厚生労働省の統計調査によると、20代であれば賞与の額は793,000円、30代で1,163,000円、40代以上で1,480,600円と、年齢とともに増加していることが見て取れます。ただし、勤続年数は基本給と関係のない会社もあるため、会社の給与規定をよく確認しておきましょう。
出典:賃金構造基本統計調査 / 令和3年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種|厚生労働省
4-2. キャリアアップを目指す
ボーナスを上げるには、キャリアアップを目指すのも手段の1つです。ボーナスは、基本給に支給月数を掛けて算出されることが多いため、基本給が上がれば比例してボーナス額も上がります。
企業によっても異なりますが、基本給が上がる方法は、昇進する、評価が上がるというのが一般的な方法です。薬剤師のキャリアアップとして考えられるのは、調剤薬局やドラッグストアの管理薬剤師、エリアマネージャーなどの管理職に就くことです。病院薬剤師であれば、薬剤部長になるという道筋もあるでしょう。
多くの場合、一般薬剤師より管理薬剤師のほうが賞与が高い傾向にあります。厚生労働省のデータによると、一般薬剤師の賞与566,740円に対して管理薬剤師の賞与は750,265円と、およそ1.3倍の金額です。このことから、昇進するとボーナスの額が上がる可能性が高いといえるでしょう。
しかし、職場によっては勤続年数が伸びても上のポジションがすべて埋まっており、出世できないケースも少なくありません。キャリアアップを目指す方法をとるなら、今、勤務している企業・医療施設の状況を、冷静に見極める必要があるでしょう。
出典:第23回医療経済実態調査(医療機関等調査)|中央社会保険医療協議会
高年収が望めるだけでなく、大きな責任とやりがいのある「管理薬剤師」になるには?
仕事内容や転職の注意ポイントをご紹介します。
4-3. 条件が良い職場に転職する
ボーナス額を上げるには、今働いている企業よりも条件の良い職場に転職するのも方法の1つです。労働条件は同じでも、基本給が高くなる職場に転職できる可能性があるためです。
しかし、ボーナスの支給額は企業によって異なり、企業によって手当に含まれるものや個人評価の算出などに違いがあります。経営状況の変化を受けることもあるため、必ず上がるとは限りません。
また、ボーナスの査定期間に試用期間は含まれないことがほとんどであるため、転職先での初めてのボーナスはあまり期待できないことを念頭に置いておきましょう。
5. 薬剤師がボーナスを上げるためには転職も視野に入れよう
今回の記事では、薬剤師のボーナス平均額や勤務先ごとの傾向、派遣社員のボーナス、薬剤師がボーナスを上げるための3つの方法を紹介してきました。ボーナスは、支給しなければならないと法律で定められているものではないため、査定基準や支給額は企業により異なります。ボーナスを上げるには、勤続年数が長くなるかキャリアアップしていくという方法の他にも、転職という手があります。条件のよい会社への転職も視野に入れてみてはいかがでしょうか。
アポプラス薬剤師編集部
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