認定薬剤師とは?資格のメリットや種類、取得までの流れを解説
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薬剤師として働く中で、「自分のキャリアをどう広げていくべきか」と悩んでいる方は多いかもしれません。
薬剤師は、資格取得によるキャリアアップが主流です。常に医薬品は進化しているため、資格を取得していることは、最新の情報に追い付けていることの証明になります。
本記事では、認定薬剤師とは何か、資格を取得することで得られるメリットは何かといった内容について詳しく解説します。
目次
認定薬剤師とは?資格のメリットや種類、取得までの流れを解説
- 3. 認定薬剤師資格の種類
- 3-1. がん薬物療法認定薬剤師
- 3-2. 在宅療養支援認定薬剤師
- 3-3. プライマリ・ケア認定薬剤師
- 3-4. 妊婦・授乳婦薬物療法認定薬剤師
- 3-5. 漢方薬・生薬認定薬剤師
- 4. 認定薬剤師になるメリット
- 4-1. 医師・看護師・患者さまからの信頼が高まる
- 4-2. 最新の薬学や技術を効率的に習得できる
- 4-3. 人脈が広がる
- 4-4. 年収アップ・キャリアアップにつながる
1. 認定薬剤師とは
認定薬剤師は、最新の知識や技術を有していると認められた薬剤師のことです。「認定薬剤師」の資格を持っていることは、日々自己研鑽に努めていて、時代に即した薬学ケアができる薬剤師であることの証明になります。
この資格を取るためには、講習に参加して必要な単位を取得しなければなりません。認定薬剤師になるには努力が必要なのです。
「認定薬剤師」の資格はさまざまな認定団体が発行しています。また、がん専門薬剤師、感染制御認定薬剤師など、専門ごとに種類がいくつもあることを覚えておきましょう。
2. 認定薬剤師と専門薬剤師の違い
「認定薬剤師」と「専門薬剤師」は、薬剤師の専門性とスキルを示す資格ですが、それぞれの役割と取得条件には違いがあります。
まず、「認定薬剤師」は、薬剤師として必要な基礎知識や技能を持ち、それを常に更新し続けていることを証明する資格です。生涯研修や特定領域の研修を通じて、幅広い知識を習得している必要があります。
一方、専門薬剤師は、特定の疾患や診療領域に特化した専門知識と技能を持つことを証明する資格です。専門薬剤師になるためには、特定の認定学会が実施する試験を受け、合格する必要があります。
また、認定薬剤師の上位資格として専門薬剤師が位置づけられるケースもあります。例えば、まず「救急認定薬剤師」を取得し、その後さらに経験と専門性を深めて「救急専門薬剤師」を目指すなどのケースです。
なお、認定薬剤師や専門薬剤師の制度概要や取得条件は、各認定団体によって異なります。各学会は、それぞれの分野での最新の知識や技術を反映した基準を設けており、薬剤師は基準に基づいて学び続ける必要があります。
薬剤師のエキスパートとして注目を集めている「専門薬剤師」についてご紹介します。
3. 認定薬剤師資格の種類
認定薬剤師にはさまざまな種類がありますが、1つ取得するにもそれなりの年数や費用がかかってしまうため、やみくもに取るわけにはいきません。
現在携わっている業務内容や自分の目指すキャリアなどから、どの分野を極めたいかよく考えて選びましょう。なお、キャリアアップにつながりやすいおすすめの認定薬剤師資格は、次の5つです。
- がん薬物療法認定薬剤師
- 在宅療養支援認定薬剤師
- プライマリ・ケア認定薬剤師
- 妊婦・授乳婦薬物療法認定薬剤師
- 漢方薬・生薬認定薬剤師
それぞれについて、詳しく解説します。
3-1. がん薬物療法認定薬剤師
「がん薬物療法認定薬剤師」は、がん薬物療法において必要な知識と技能、臨床経験を習得していることを認定する資格です。
がん薬物療法認定薬剤師は、がん治療をおこなっている病院や施設、がん研究センターなどが主な職場です。がん患者さまに対する薬物療法の計画立案や投薬管理、治療効果の評価、副作用の管理などの業務を担います。
がん治療チームの一員として、患者さまのQOL(生活の質)向上に寄与し、より効果的ながん治療ができるようサポートをします。
3-2. 在宅療養支援認定薬剤師
「在宅療養支援認定薬剤師」は、在宅療養を必要とする患者さまに対して、適切な薬物療法とサポートを提供するための知識と技能を有していることを認定する資格です。
在宅療養支援認定薬剤師の主な職場は、在宅医療を提供する訪問薬局や訪問看護ステーション、在宅療養支援診療所などです。
在宅患者さまの薬歴管理・服薬指導・医薬品の準備や管理・医師や看護師との連携による治療計画の策定・患者さまや家族への健康教育などの業務をおこないます。
高齢化が進むにつれて在宅薬剤師の需要が高まっているため、今後重要になってくると予想される資格の1つです。
3-3. プライマリ・ケア認定薬剤師
「プライマリ・ケア認定薬剤師」は、地域医療や日常診療において幅広い知識と技能を持ち、患者さまの健康管理や予防医療に貢献できることを証明する資格です。
プライマリ・ケア認定薬剤師の主な職場は、地域のクリニック・薬局・診療所などです。患者さまの薬歴管理・薬物療法の指導・健康相談・予防接種のサポート・慢性疾患の管理といった業務を担います。
かかりつけ薬剤師や在宅のスキルを磨いている方におすすめの資格です。
3-4. 妊婦・授乳婦薬物療法認定薬剤師
「妊婦・授乳婦薬物療法認定薬剤師」は、妊娠中や授乳中の女性に対して、安全で効果的な薬物療法を提供するための専門知識と技能を持つことを認定する資格です。
妊婦・授乳婦薬物療法認定薬剤師の主な職場は、産婦人科病院・女性クリニック・総合病院の産科・小児科部門・調剤薬局などです。
具体的な業務には、妊娠中や授乳中の女性に対する薬物療法の相談と指導、薬歴管理、医師との連携による治療計画の立案、患者さまやその家族への健康教育、適切な医薬品の選択の助言などがあります。
妊婦や授乳婦が安心して薬物療法を受けられるよう支援するのが、妊婦・授乳婦薬物療法認定薬剤師の仕事です。
3-5. 漢方薬・生薬認定薬剤師
「漢方薬・生薬認定薬剤師」は、漢方薬や生薬に関する専門知識と技能を持ち、これらの薬物療法を提供できることを認定する資格です。
漢方薬・生薬認定薬剤師の活躍する職場は、漢方薬局・調剤薬局・漢方クリニック・総合病院の漢方外来などです。
主な業務には、漢方薬や生薬の調剤と管理、患者さまの症状や体質に応じた医薬品の選択と提案、服薬指導医師との連携による治療計画の策定、漢方や生薬に関する健康相談などがあります。
漢方薬や生薬を用いた総合的な健康管理を支援するのが、漢方薬・生薬認定薬剤師の仕事です。
薬剤師におすすめの資格9選と、それぞれのメリット・取得方法について詳しく解説します。
4. 認定薬剤師になるメリット
認定薬剤師の資格を取得することで、どのような利点があるのか気になる方もいるでしょう。認定薬剤師になるメリットには、主に以下の4つがあります。
- 医師・看護師・患者さまからの信頼が高まる
- 最新の薬学や技術を効率的に習得できる
- 人脈が広がる
- 年収アップ・キャリアアップにつながる
それぞれ、詳しく解説します。
4-1. 医師・看護師・患者さまからの信頼が高まる
認定薬剤師になると、医師や看護師、患者さまからの信頼が高まるというメリットがあります。薬物療法に関する適格な助言や指導ができると公的に評価されているため、医師や看護師との連携がしやすくなるでしょう。
また、資格取得を通じて得た知識があれば、丁寧な説明やアドバイスができるため、患者さまの安心や信頼を獲得しやすくなるはずです。
4-2. 最新の薬学や技術を効率的に習得できる
認定薬剤師になることで、最新の薬学や技術を効率的に習得できるというメリットがあります。資格取得では、最新の薬学に基づいた研修を受けるため、知識や技術がアップデートされます。
各種認定プログラムや研修には、専門的な内容が体系的に組み込まれているため、資格取得の勉強をしながら効率よく学べるのもメリットです。
4-3. 人脈が広がる
認定薬剤師になることで、人脈が広がるという大きなメリットがあります。認定を取得するための研修やセミナー、学会などに参加すると、同じ志を持つ薬剤師や他の医療専門職と交流する機会が増えます。
情報共有や意見交換を活発におこなうことは、業務の質の向上にもつながります。また、新しいプロジェクトへの参加のきっかけを得たり、専門分野でのリーダーシップを発揮したりする機会も増えるでしょう。
4-4. 年収アップ・キャリアアップにつながる
認定薬剤師の資格を取得することで、年収やキャリアの向上が期待できます。就業先によっては、認定証明が昇給の要因となったり、資格手当やインセンティブが支給されたりすることがあります。
職場に資格取得による昇給制度がなくても、認定薬剤師の資格は給与交渉の際に有利な手札として使えるはずです。
また、認定薬剤師の資格を持っていれば、「かかりつけ薬剤師」や「管理薬剤師」、さらに「専門薬剤師」への道も開かれます。より専門性の高い職務に就けば、年収もあがっていくでしょう。
5. 認定薬剤師の資格を取得するまでの流れ
現在、認定薬剤師の種類は約10の認定団体から20以上提供されており、各団体によって研修内容や認定期間が異なりますが、基本的なプロセスはほぼ共通しています。
今回は公益財団法人日本薬剤師研修センターが提供する「研修認定薬剤師制度」を例に、認定までの流れを詳しく見ていきましょう。
- Step1. 薬剤師研修・認定電子システム(PECS)の登録をする
- Step2. 研修プログラムに参加する
- Step3. 単位取得の記録を取る
- Step4. 申請する
Step1. 薬剤師研修・認定電子システム(PECS)の登録をする
認定薬剤師の資格を取得するためには、まず日本薬剤師研修センターの薬剤師研修・認定電子システム(PECS)に登録する必要があります。PECSでは、認定に必要な単位の管理や認定申請ができます。
令和3年以前は、薬剤師研修手帳に研修受講シールを貼って単位を管理していましたが、現在では薬剤師研修手帳の配布が終了し、すべてPECS上で管理する方法に移行しています。
Step2. 研修プログラムに参加する
PECSへの登録を完了した後は、認定団体が定める各種研修に参加します。研修には、主に以下の8種類があります。
- 集合研修(座学/実習)
- 学術集会
- e-ラーニング研修
- Web利用研修(集合研修即時配信)
- Web利用研修(学術集会)
- 自己研修
- 学術集会等発表
- 学術雑誌論文掲載
例えば、日本薬剤師研修センターが主催する特定の分野に関する座学研修などがあり、受講すると3単位や2単位が取得できます。
どの認定薬剤師を目指すかによって必要な研修内容は異なり、取得する単位には年間の上限や有効期限が設定されていることもあります。目指す認定薬剤師の要件を確認し、参加する研修プログラムの計画を立てましょう。
Step3. 単位取得の記録を取る
薬剤師研修・認定電子システム(PECS)を利用して、参加した研修の単位を管理していきます。研修終了後、研修提供者から発行される単位証明書や修了証を受け取ったら、PECSにログインして必要な情報を入力し、単位を登録します。
単位には取得期限や年間の上限が設けられていることがあるため、定期的にPECSを確認し、計画的に研修を受講する必要があります。また、単位が正しく反映されているかも、忘れずに確認しましょう。
Step4. 申請する
必要な研修単位やその他の条件を満たしたら、認定申請をします。PECSを通じて認定申請をおこない、必要な書類を日本薬剤師研修センターに送付して審査を受けましょう。
審査に合格し認定されると、「認定薬剤師証」が発行されます。
6. 認定薬剤師の資格を取得する際の注意点
資格の種類によって取得に必要な条件が異なるため、事前にしっかり確認することが大切です。また、継続や更新の条件も資格によって異なります。
取得後も一定期間ごとに条件を満たす必要があることを覚えておきましょう。
加えて、資格の取得や更新には費用がかかることがあります。費用には、研修費や申請手数料などが含まれますが、勤務先が負担してくれる場合もあります。事前に勤務先に確認しておくことをおすすめします。
7. 認定薬剤師の資格を取得してキャリアアップを目指そう
認定薬剤師の資格取得を目指すことは、薬剤師としての専門性を高め、患者さまにより質の高い医療を提供するための重要なステップです。
これからのキャリアパスを広げるためにも、認定薬剤師の資格取得を検討してみてはいかがでしょうか。「アポプラス薬剤師」では、転職支援によって認定薬剤師の取得を目指す薬剤師をサポートしています。
資格取得に必要な情報提供や、資格取得がしやすい職場探しなどを通じて、キャリアアップを実現するサポートをおこないます。転職活動でお悩みの方は、ぜひ「アポプラス薬剤師」にご相談ください。
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