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チーム医療における薬剤師の役割とは?課題や具体例についても徹底解説

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チーム医療とは、多様な医療スタッフが各自の専門性を活かし、情報を共有しながら、協力して患者に適切な医療を提供することです。そんなチームの中でも薬剤師は、治療における薬の使用において重要な役割を果たしており、チーム医療にも欠かせない存在です。そこでこの記事では、現役の薬剤師が、チーム医療における薬剤師の役割について解説します。課題や問題点にも触れ、今後の薬剤師キャリアに役立つようまとめました。

チーム医療とは

チーム医療とは

「チーム医療」とは、患者の状態や治療のニーズに応じて、医療現場における多様な専門職が協力し合い、最適なケアを提供する取り組みです。医師、看護師、薬剤師、理学療法士、管理栄養士、臨床工学技士など、多様な職種がそれぞれの専門性を活かし、情報を共有し連携します。

多職種で連携すれば治療の質が向上し、患者にとってよりよい医療が実現できると考えられています。医療の高度化や複雑化が進む背景もあるため、チーム医療は「質の高い治療を支える重要な柱」となっています。

チーム医療で期待できる効果とは

チーム医療は、患者と医療提供者双方に多くのメリットをもたらします。患者の視点から見た場合、チーム医療によって、多様な専門職が、それぞれの専門性を十分に発揮して治療にあたることで、診断や治療の精度が向上し、結果として、早期治療や迅速な回復が期待できます。複数の専門家が連携することで、患者一人ひとりに対して、より個別化されたケアが提供され、安心感も高まります。

一方、医療提供者の視点から見た場合、チーム医療によりお互いの役割が明確化され、業務が効率的になります。各職種が担当する業務が分担されることで、個々の負担が軽減されるでしょう。また、多角的な視点から患者をサポートできるため、医療全体の質が向上します。結果的に、スタッフの疲労軽減や職場環境の改善が見込まれ、より持続可能で質の高い医療が提供できるようになります。

チーム医療の現状

チーム医療に現状、いくつかの課題や問題点があります。まず、コミュニケーション不足が大きな課題です。職種間での情報共有が不十分だと、患者の状態や治療方針に誤解が生じ、一貫した治療が難しくなることがあります。また、各実際の現場ではスムーズに業務が連携できていないことがあり、これが治療の質に影響を与えることもあるでしょう。

さらに、医療機関同士で連携して治療にあたる場合、システムの画一化が不十分で、一貫性のある効果的なチーム医療が実現しにくい現状があります。これらの課題を克服するためには、コミュニケーションの強化、共通の運営基準の設定、そしてチームの一体感を高める研修の充実が求められています。

下田氏
下田コメント
多職種で連携して患者の治療にあたるチーム医療が注目されてきており、薬剤師も薬物治療の専門家としてチーム医療に参加することが増えてきました。一貫性のある治療を行うためには、他職種とのしっかりとしたコミュニケーションが必要です。薬剤師も薬のことだけでなく、他職種の基礎的な知識習得が求められています。

チーム医療における薬剤師の役割と課題

チーム医療における薬剤師の役割と課題

チーム医療において、薬剤師は薬物療法の専門家として重要な役割を担い、最適な薬の選定や投与計画を立てることでチームに貢献しています。また、薬に関する指導や相談を行うことで、チーム全体の医療の質向上に寄与。薬剤師の専門性は、より効果的で安全な治療の実現に不可欠です。

認定薬剤師や専門薬剤師の資格を取得し、職能を高めよう

薬剤師がチーム医療において、その職能をさらに高める方法のひとつに、認定薬剤師や専門薬剤師の資格取得があります。たとえば、「がん専門薬剤師」といった資格を取得すれば、特定の医薬分野での知識と技術を深め、より専門的な治療に貢献できるでしょう。
また、薬に関する指導や相談も提供でき、チーム全体の医療の質向上に重要な役割を果たします。資格取得は薬剤師のキャリアを大いに広げ、医療現場での信頼性と専門性をさらに高める手段となります。

薬物療法の専門家としてチーム医療に参画する

薬剤師は、チーム医療における薬物療法のスペシャリストとして、重要な役割を担っています。その役割とは、患者の状態や治療方針に基づいて最適な薬剤を選び、投与量、方法、期間などの処方提案です。

また、薬の情報や取り扱いについても、医師や看護師など他職種にアドバイスを提供し、医療チーム全体の薬剤知識をサポートします。さらに、薬物の血中濃度や副作用のモニタリングを通じて、治療の安全性と効果を確保。これらの活動を通じて、薬剤師は患者の早期治療に貢献でき、チーム医療の一員としてのやりがいを感じることができるでしょう。

チーム医療における薬剤師の課題と解決策とは

チーム医療において、薬剤師にもいくつかの課題や問題点があります。病院薬剤師は、医師や看護師など、患者と接するスタッフとのコミュニケーションがうまくいかないと、退院後のフォローが難しいことがあります。一方、薬局薬剤師は、医師のカルテを直接見ることができないため、クリニックとの連携が不十分になりがちです。このほか、各医療従事者が持つ患者情報が一元化されておらず、共有することが難しいという点も挙げられます。

こうした課題に対する解決策としては、コミュニケーションの強化が重要です。たとえば、定期的な連絡会議や情報共有システムを活用すれば、すべての医療スタッフ間での円滑な情報交換を促進できるでしょう。

さらに、PHR(Personal Health Record、生涯型電子カルテ)などのデジタルソリューションを使えば、職種間のスムーズなコミュニケーションや継続的なモニタリングが可能になります。チーム全員で同じデータを見ることができ、一貫したケアが提供できるでしょう。また、患者が望む場合には、日々の食事の写真を共有することもでき、栄養指導にも役立てることができます。

下田氏
下田コメント
これからは、医師や看護師と関わることが多い病院薬剤師のほか、薬局薬剤師もチーム医療への参画が必要となっていくでしょう。専門薬剤師や認定薬剤師などの資格を取得し、薬剤師としての専門性を高めることで、全体的な医療知識のベースアップにつながります。そういった知識が増えれば、他職種とのコミュニケーションも円滑に進めやすいでしょう。

チーム医療に参加する薬剤師の具体例

チーム医療に参加する薬剤師の具体例

ここでは、チーム医療に参加する薬剤師の具体例を紹介します。

緩和ケアチームにおける薬剤師の役割

緩和ケアチームにおいて、薬剤師はがん治療などで痛みに苦しむ患者への薬剤選択や用量提案で大きな役割を果たしています。たとえば、個々の患者の症状や、副作用のリスクを考慮して適切な鎮痛薬を選定し、その最適な投与量を提案します。また、薬物療法の副作用を最小限に抑えるための対策を講じることもあります。患者がより快適な生活を送れるようサポートし、痛みの管理と全体的な生活の質の向上に貢献しています。

褥瘡対策チームにおける薬剤師の役割

褥瘡対策チームでの薬剤師は、褥瘡の状態に応じた適切な外用剤の提案で、重要な役割を果たしています。たとえば、湿潤環境を保つ目的でハイドロコロイド製剤を選び、感染リスクがある場合には、抗菌効果のある外用薬をすすめることもあります。また、患者の皮膚状態やアレルギー情報をもとに、安全で効果的な治療薬を提案することも薬剤師の役割です。薬剤師は、褥瘡治療の効果を高め、回復を促進し、感染リスクの低減に貢献しています。

院内感染防御チームにおける薬剤師の役割

新型コロナやインフルエンザの流行で注目される院内感染防御チームにおいても、薬剤師は重要な役割を担います。薬剤師は、抗生物質や抗ウイルス薬の適正使用を促進するため、投与開始初期からのモニタリングとフィードバックを行い、PK-PD理論(薬物の投与量や投与間隔を最適化し、薬の効果を最大限に高め、副作用を最小限に抑えることを目的とした理論)に基づき、薬の投与設計にも関与します。また、感染症診療マニュアルを作成し、抗微生物薬の使用動向をモニタリングすることで、感染防止に努めています。

栄養サポートチームにおける薬剤師の役割

栄養サポートチームにおいて、薬剤師は過栄養や低栄養状態の患者に対し、栄養状態を改善する役割を担っています。特に、入院患者への栄養剤の適切な投与設計を行い、種類や投与量を調整します。また、患者が服用している薬の内容を確認し、必要に応じて薬の中止や変更、追加を提案することもあるでしょう。こうした活動を通じて、薬剤師は患者の全体的な健康状態の向上に貢献しています。

在宅医療チームにおける薬剤師の役割

在宅医療チームにおいては、薬局薬剤師が往診の先生に同行するなど、チーム医療に積極的に参加できます。薬局薬剤師には、自宅における薬物治療管理を支援する役割が求められるでしょう。具体的には、家庭での薬の適正使用を指導し、副作用のチェックや治療の効果をモニタリングします。在宅医療に薬剤師が関われば、患者自宅でも適切な治療を受けられるでしょう。

下田氏
下田コメント
チーム医療が推進される背景には、患者の高齢化があります。緩和医療や在宅医療が普及する中で、薬剤師は薬剤部や薬局内だけで仕事をするだけでなく、患者に会いにいく医療にも関わっていく可能性が高いでしょう。往診同行など、多職種と連携する業務は必須となっていくため、薬剤師には、より高度な医療知識が求められると想定されています。例えば、往診医師の処方意図を理解し、患者の服薬状況を確認し、副作用の発生をモニタリングすることで、薬の効果と安全性を確保します。場合によっては往診医への処方薬の提案を行うこともあります。さらにケアマネジャーなどの医療福祉関係者との密な連携と情報共有を行い、チーム医療の一環として患者の生活の質を向上させる役割を担うこともあります。

専門性を高めた薬剤師はチーム医療の要に

「チーム医療」の考えは現場だけでなく、国をあげての検討課題となっています。つまり「チーム医療」に携われる優秀な薬剤師が求められていきます。これから「チーム医療」の一員として、現場で活躍したい薬剤師の方は、「専門薬剤師」や「認定薬剤師」の資格を取得しておくとよいでしょう。

高度な知識はもちろんのこと、薬物療法などを行う患者の対応なども必要になります。病院などに勤務し医療の現場を見ておくこともひとつの選択肢となるでしょう。「チーム医療」の一員になるのは簡単なことではありませんが、今後必ず重要視されることは間違いありません。薬剤師として成長したい、薬剤師としての知識をもっと磨きたいという方は、ぜひ頭にいれておいていただければと思います。

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監修者

下田氏

薬剤師・薬局経営コンサルタント 下田 篤男

京都大学薬学部総合薬学科卒業。 卒業後は薬剤師として調剤薬局やドラッグストアグループで薬剤師として勤務。 総合病院門前などで管理薬剤師として経験を積んだのち、マネジメント業務にも携わる。現在は薬剤師として働く傍ら、医療記事の執筆、編集や薬局経営コンサルタントとしても活動している。

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