【2025年最新版】薬剤師の手取りはいくら?勤務先・雇用形態別の給与相場と収入UP戦略
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6年制の薬学部を卒業して社会に出て、銀行口座に振り込まれた給料を見ると「思ったより手取りが少ない」と感じたことはありませんか?「ほかの薬剤師は、手取りでいくらもらっているの?」と疑問に思うこともあるかもしれません。
また「同じ正社員の薬剤師でも、勤務先によって月5万円以上も手取りに差が出る」「社会人2年目には住民税の課税が始まり、突然手取りが減少する」など、薬剤師として働く方の多くが直面する意外な現実をご存知でしょうか?
そこで今回は、薬剤師・薬局経営コンサルタントである下田篤男氏が、こうした給与の"落とし穴"を含め、薬剤師の手取り給与についての基礎知識を解説します。雇用形態別の実態や、ドラッグストア、調剤薬局、病院など勤務先ごとの手取り比較、さらには手取りを効果的に増やすための転職戦略までを詳しく紹介していますので、将来のキャリアプランや転職を検討している方は、ぜひ最後までご一読ください。
この記事でわかること
- 薬剤師の職種別・勤務先別の実際の手取り額がわかる
- 額面給与と手取り給与の違い、控除の仕組みが理解できる
- 転職せずに収入アップする方法と、転職で年収を上げるための具体的戦略がわかる
目次
【2025年最新版】薬剤師の手取りはいくら?勤務先・雇用形態別の給与相場と収入UP戦略
- 5. 薬剤師が手取り額を増やすには?資格・節税・副業で収入額をUPさせる具体策
- 5-1. 専門・認定薬剤師の資格を取得する
- 5-2. 管理薬剤師を目指す
- 5-3. 確定申告で医療費控除や各種控除を活用する
- 5-4. 副業で収入源を増やす
1. 手取りと額面はどう違う?|薬剤師が知っておきたい給与の仕組み
まずは、手取りや控除額で引かれている社会保険も含め、給与に関する基礎知識を解説していきます。
1-1. 手取りとは
手取りとは「実際に自分が受け取れる金額」です。給与明細に書かれている「総支給額」から、「所得税」や「住民税」などの各種税金と、年金をはじめとする「社会保険料」が引かれたあと、手元に残る金額が手取りです。つまり 「総支給額(額面)-各種控除額=手取り」 という公式が成り立ちます。
多くの場合、勤務先から銀行口座などに振り込まれるのが手取りです。また、「給与」とは勤務先から支払われた「総支給額」を指します。手取りは、総支給額のおよそ80%であるため、総支給額に0.8を掛けることで、およその手取り額を算出できます。ただし、控除される金額は保険料率や扶養家族の有無などによって異なるため、この算出方法はあくまでも概算と捉えてください。
1-2. 額面との違い
「額面給与」とは、基本給と各種手当を合わせた総支給額のことで、「手取り額」は額面から税金や社会保険料などが差し引かれた、実際に受け取る金額を指します。手取り額は、目安として額面の約20%が控除されます。たとえば額面が40万円なら、手取りは約32万円になります。ただし、扶養家族の有無、年齢、居住地域などの要因によっても手取り額は変動するため、額面給与が同じなら手取りも同じというわけではありません。
1-3. 税金の種類
自分の収入から差し引かれている税金や社会保険料について知っておくことは大切です。以下に、健康保険・介護保険・厚生年金保険・雇用保険の4つの社会保険料に加え、住民税と所得税の2つの税金について紹介します。
【健康保険料】
健康保険料は、医療費の財源となる公的な医療保険にかかる保険料です。健康保険への加入により、病気やケガの治療でかかる医療費の3割自己負担が可能になっています。加えて、必要なときには出産手当金や傷病手当金などが受け取れます。
【介護保険料】
介護保険料は、介護が必要な方に費用を給付するための公的な社会保険のひとつです。40〜64歳までの会社員や自営業者が加入します。
【雇用保険料】
雇用保険料は、失業したときや傷病で仕事が続けられなくなったときに受けられる、失業給付のための保険料です。ほかにも、育児休業給付、職業訓練給付などの公的サービスにも用いられています。
【厚生年金保険料】
厚生年金保険料は、厚生年金保険の適用を受ける企業に勤務する社員や公務員が加入する、公的年金制度にかかる保険料です。70歳未満の人は原則として加入します。
【住民税】
住民税は、課税対象の所得のある個人が都道府県や市町村に納める税金です。教育や福祉、消防や救急、ゴミ処理などの行政事業を運営するために使われます。
【所得税】
所得税は、課税所得のある個人が国に納める税金です。月々の総支給額から社会保険料を控除した額が一定を超える場合に、源泉徴収されます。
1-4. 社会人2年目は手取りが減る
基本的には、勤続年数が長くなると給与は上がりますが、手取り額に関しては、実は社会人1年目のほうが高くなることがありますこれには主に住民税が差し引かれるタイミングが影響しています。
住民税は前年の所得に対して課税されるため、社会人1年目には原則かからず、2年目の6月給与から天引きが始まります。そのため、給与額が上がっても手取り額が減ってしまうことがあるのです。
手取り収入は、適用される所得税率や社会保険料率、扶養家族の有無などの要因で変動しますが、一般的には年収の約75~85%となります。例えば、年収400万円の薬剤師なら、実際に受け取れる手取り額は年間300万~340万円程度となるでしょう。これを月単位で見ると、ボーナスなしの場合は毎月25万~28万円の手取りとなります。
一方、夏冬に月給2か月分相当のボーナスがある場合、月々の手取りは約19万~21万円に落ち着きます。つまり、同じ年収でもボーナス比率によって月々の生活資金は大きく変わるのです。社会保険に加入する場合、手取り額は厚生労働省のホームページでシミュレーションできますので、参考にしてください。
参考:社会保険加入のメリットや手取りの額の変化について|厚生労働省
2. 薬剤師が受け取る手取りの実態|正社員・パート・派遣の違い
薬剤師の手取りは、正規雇用か派遣社員やパートなどの非正規雇用かによって大きく異なります。また、雇用形態が異なると多くの場合、労働時間も変わるため、1か月の手取り額にも違いが出てきます。ここでは、正社員・パート・派遣社員の3つの雇用形態ごとに薬剤師の手取りを見ていきましょう。また、男女別、年代別の薬剤師給与も解説します。
2-1. 正社員薬剤師の手取り
| 総支給額 | 手取り額 | |
|---|---|---|
| /年 | 約599万円 | 約479万円 |
| /月 | 約43万円 | 約34万円 |
| 賞与1回分 | 約88万円 | 約65万円 |
※千の位以下切り捨て
※年収は「きまって支給する現金給与額」の12か月分と「年間賞与その他特別給与額」を足して算出
※手取りは総支給額の80%で算出
※出典:令和6年 賃構造基本統計調査|厚生労働省
厚生労働省のデータによると、正社員薬剤師の平均月収は約43万円で 手取り額は約34万円 です。社会保険料や税金として、1か月に約9万円差し引かれていることがわかります。差し引かれる金額が多いと感じる方がいらっしゃるかもしれませんが、社会保険や税金は国民の暮らしを支えるためにある制度です。支払い義務は社会人になった証として受け入れましょう。
2-2. パート薬剤師の時給から見る手取り
アポプラスキャリアに掲載されている求人情報では、パート勤務の薬剤師の時給は約2,500円(※1)が多く見られます。これにパート労働者の月間実労働時間(※2)の平均79時間を掛けて算出すると、1か月で約19万円の収入が得られ、 手取り額は約15万円 です。
なお、厚生労働省の毎月勤労統計調査によるとパートで勤務する人の勤務日数は平均14日であることから、週3〜4日、5〜6時間の勤務と考えてよいでしょう。薬剤師はパートの時給が高いため、働く日数が少なくても高めの収入が得られます。
※1.アポプラス薬剤師求人サイトに掲載している求人データを参考に算出
※2.出典:毎月勤労統計調査|厚生労働省
2-3. 派遣薬剤師の時給から見る手取り
薬剤師の派遣社員は、時給2,600〜2,700円の求人が多く見られます。(※1)一般的な派遣社員の労働時間(1日8時間労働×20日=160時間)を時給2,650円で働いたと計算すると、1か月で得られる収入は約42万円、 手取り額は約33万円 です。
1か月の額面で見ると正社員よりも高くはありますが、派遣社員は多くの場合ボーナスや退職金がありません。昇給制度もないことが多いため、手取りが上がる見込みは少ないでしょう。なお、通勤手当などの福利厚生も、正社員のほうが手厚い傾向にあります。
※1. アポプラス薬剤師求人サイトに掲載している求人データを参考に算出
3. 年代・男女別データで見る薬剤師の収入傾向
年代や男女別のデータからも、薬剤師の収入傾向を確認しておきましょう。
3-1. 男女別の薬剤師の給与
厚生労働省の令和6年 賃構造基本統計調査によると、男性薬剤師の平均年収は約623万円、女性薬剤師は約543万円で、約80万円の差があります。この差は主に役職や勤続年数によるものです。管理職につく割合は男性のほうが高く、また育児や家庭の事情でキャリアを中断する女性も多いため、勤続年数の統計に差が生じています。
近年はワークライフバランスを重視する職場が増え、女性薬剤師が出産後も働き続けやすい環境が整いつつあるため、将来的には給与格差もさらに縮まると考えられます。
3-2.年代別の薬剤師の平均年収
| 年代 | 平均年収 |
|---|---|
| 20~29歳 | 450万円 |
| 30~39歳 | 589万円 |
| 40~49歳 | 657万円 |
| 50~59歳 | 727万円 |
| 60~69歳 | 626万円 |
※年収は「きまって支給する現金給与額」の12か月分と「年間賞与その他特別給与額」を足して算出
※出典:令和6年 賃構造基本統計調査|厚生労働省
薬剤師の年収は20代から50代まで段階的に上昇し、50代でピークを迎えます。50代をピークに60代では下降するのは、定年後の再雇用や時短勤務への移行が主な要因です。
3-3.薬剤師の手取りが少ないと感じる理由
薬剤師が手取りに不満を感じる主な理由は、6年制教育への投資や難関国家資格取得に対して期待していたほどの報酬が得られないと感じるギャップにあります。また、薬剤師の給与は上昇率が緩やかで、役職につかない限りは給与アップが難しい状況です。キャリアの初期段階では他職種より高めの給与水準ですが、年齢を重ねても大幅な増加が見られないことも不満要因となっています。

- 下田コメント
薬剤師として働いてきた経験からすると、給与の上昇は「専門性」にあるといえます。病院では専門・認定資格で月数万円の手当、調剤薬局では在宅業務やかかりつけ薬剤師でインセンティブを設定している企業もあります。
私立大学薬学部で卒業までに1,500万円程度かかるとすれば、20歳~29歳の年収450万円のうち1/3程度を貯金に回せると仮定すると学費回収に10年程度はかかりますが、学んだ専門知識で差別化すれば収入は必ず上がるはずです。
4. ドラッグストア・調剤薬局・病院などの勤務先で薬剤師の手取り額はどう違う?
薬剤師には、調剤薬局の薬剤師から製薬会社のMRまでさまざまな勤務先があり、業種により収入にも差があります。ここでは、薬剤師の主な業種、ドラッグストア・調剤薬局・病院・製薬会社の4つに分けて、求人情報から各職場における手取り額の参考例を紹介します。
4-1. ドラッグストア
| 総支給額 | 手取り額 | |
|---|---|---|
| /年 | 約550万~700万円 | 約440万~560万円 |
| /月 | 約35万円 | 約28万円 |
| 賞与1回分 | 約70万円 | 約56万円 |
※アポプラス薬剤師求人サイトに掲載している求人データを参考に算出
※年収はボーナスを2か月分として算出
薬剤師の中でも高給取りといわれる手取り月収でいうと約28万円からとなります。ドラッグストアは、店舗数が増加傾向にあり、都市部から地方まで求人数も多く、転職先の選択肢も豊富です。特に、薬剤師の人材不足に悩む地方では、高収入の求人が出ていることもあります。
業務内容は服薬指導だけにとどまらず、OTC医薬品の販売も含まれることから、幅広い医療知識が得られるのも魅力です。ただし、長い営業時間に伴って勤務時間が長時間化する傾向にあります。また、店舗によってはシフト制で夜間勤務があり、土日勤務の可能性もあるでしょう。
4-2. 調剤薬局
| 総支給額 | 手取り額 | |
|---|---|---|
| /年 | 約450万~550万円 | 約360万~440万円 |
| /月 | 約31万円 | 約24万円 |
| 賞与1回分 | 約63万円 | 約50万円 |
※アポプラス薬剤師求人サイトに掲載している求人データを参考に算出
※年収はボーナスを2か月分として算出
調剤薬局薬剤師は、手取り月収でいうと約24万円です。大手チェーン展開する薬局企業も多数存在し店舗数が多いため、薬剤師にとっては売り手市場です。比較的、転職も容易に行えるでしょう。調剤薬局薬剤師は、処方薬の調剤業務と患者さまへの服薬指導が、主な業務内容です。
患者様とコミュニケーションを取りながら地域医療に貢献できる職種です。また、管理薬剤師ともなれば高収入が期待できるでしょう。ただ、多くの調剤薬局は少人数で運営しているため人間関係を円滑に行うことも業務の一環だといえるかもしれません。
4-3. 病院
| 総支給額 | 手取り額 | |
|---|---|---|
| /年 | 約390万~500万円 | 約312万~400万円 |
| /月 | 約28万円 | 約22万円 |
| 賞与1回分 | 約56万円 | 約44万円 |
※アポプラス薬剤師求人サイトに掲載している求人データを参考に算出
※年収はボーナスを2か月分として算出
病院薬剤師は、手取り月収でいうと約22万円です。ほかの業種に比べると年収相場は低めですが、医薬品のプロフェッショナルとして医療に貢献している実感が得られるのが魅力といえるでしょう。基本的な処方箋の調剤業務のほかに、点滴や注射薬の管理、外来や入院患者様に処方する医薬品の管理業務を担うことがあります。
病院の規模にもよりますが、患者様と向き合って細やかな服薬指導を行い、臨床医療に深く携われるのは病院勤務の大きな特徴です。 スキルアップややりがいを求める薬剤師に人気の職種です。
4-4. 製薬会社
| 総支給額 | 手取り額 | |
|---|---|---|
| /年 | 約550万~700万円 | 約440万~560万円 |
| /月 | 約39万円 | 約31万円 |
| 賞与1回分 | 約78万円 | 約62万円 |
※アポプラス薬剤師求人サイトに掲載している求人データを参考に算出
※年収はボーナスを2か月分として算出
製薬会社勤務の薬剤師の手取り月収は、約31万円です。MR(医療情報担当者)は、高収入を目指せる職場として薬剤師には人気があります。企業にもよりますが、異動や出張が多い職種です。学会や接待で土日も出勤せざるを得ないなど、多忙な生活になる方も少なくありません。
医薬品情報を医師や薬剤師に正しく伝え、医薬品の販売・普及に携わり、幅広く医療に貢献できるのが魅力です。また、外資系の企業では、薬に関する専門知識のほかにも英語をはじめとする語学力を求められるケースがあります。
5. 薬剤師が手取り額を増やすには?資格・節税・副業で収入額をUPさせる具体策
薬剤師として働きながら手取り額を増やしたいと考える方は多いでしょう。ここでは、転職以外の方法も含めて、薬剤師が手取り額を増やすための具体的な方法を紹介します。
5-1. 専門・認定薬剤師の資格を取得する
薬剤師としてのキャリアアップと収入増加を同時に実現するなら、専門・認定薬剤師の資格取得がおすすめです。「がん専門薬剤師」や「感染制御専門薬剤師」といった専門薬剤師資格を取得すると、資格手当として月給が数万円アップする場合があります。また、「研修認定薬剤師」や「漢方薬・生薬認定薬剤師」などの認定薬剤師資格も、資格手当や昇給につながりやすいでしょう。
5-2. 管理薬剤師を目指す
薬局や病院の薬剤部門において、管理薬剤師になることも収入アップの有効な手段です。管理薬剤師には薬事法上の責任者として、医薬品の管理や薬剤師の指導など重要な役割がありますが、その分、管理薬剤師手当として月5〜10万円の追加収入が見込めます。
また、管理職としてのマネジメント経験は、将来のキャリアにおいても高く評価されるため、転職市場での価値も高まります。管理薬剤師を目指すには、通常2〜3年以上の実務経験が必要とされますが、収入面でもキャリア面でも大きなステップアップとなるでしょう。
5-3. 確定申告で医療費控除や各種控除を活用する
手取り額を増やすには、税金面での工夫も重要です。医療費が年間10万円を超える場合は、確定申告で医療費控除を受けることができます。さらに、iDeCoやNISAといった節税効果のある投資も検討する価値があります。これらの制度を上手に活用することで、実質的な手取り額を増やすことが可能です。
医療費控除などの各種控除については国税庁のホームページを参考にしてください。
※出典:医療費控除を受ける方へ |国税庁
5-4. 副業で収入源を増やす
本業とは別に副業を持つことも、収入増加の選択肢のひとつです。薬剤師の資格を活かした副業としては、週末の調剤薬局でのアルバイトやオンライン服薬指導が考えられます。最近では、医療ライターとしてコラムを執筆したり、記事を監修したりといった、薬学知識を活かした多様な働き方も増えています。
副業を始める前には、必ず勤務先の就業規則を確認し、副業が禁止されていないか確認しましょう。ワークライフバランスを崩さない範囲で、自分のスキルを活かした副業を選ぶことがポイントです。
6. 薬剤師が手取りを増やすために転職するときの6つのポイント
手取りを増やすためには、 理想的な職場への転職が有効的です。ここでは、薬剤師が転職で成功するためのポイントを6つ解説していきましょう。
6-1. 転職理由を明確にしておく
現状の職場で不満な部分を洗い出しておくと、問題解決となる転職先を探すときに役立ちます。「人間関係に問題を抱えている」「通勤時間が長い」「手取り額に不満がある」など、人によって転職を思い立つきっかけはさまざまです。職場を変える理由が曖昧なままでは今と同じような職場を選んでしまい、またストレスを抱えてしまいかねません。 転職を成功させるためには、転職する理由を明確にしておきましょう。
6-2. 希望条件の優先順位をつける
「資格支援制度がある」「手取り〇〇円以上」「服薬指導の経験が積める」「残業が少ない」など、自分にとって必要だと思う職場の条件を挙げてみましょう。そのあと、希望条件の優先度が高いものから順に並べてみてください。優先順位をつけておけば、転職先に迷ったときも素早く決断できます。
ただ、すべての希望を満たす職場を見つけるのは難しいものです。 完璧な職場はないことを念頭に置き、希望条件とのマッチ度が高い職場を探しましょう。なお、希望条件を言語化しておくことは、転職エージェントに相談するときにも役に立ちます。
6-3. 希望エリアの年収相場を確認する
薬剤師の給与相場は、就業先の地域によって異なります。薬剤師不足の地方では、都心部よりも高収入で求人を出しているケースも珍しくありません。そのため、転職先を探すときは、転職サイトで希望する地域の年収相場を確認しておくことも大切です。
しかし、実際の手取り額には勤務時間や資格手当など、そのほかの項目も大きく影響します。働く地域相場も重要な検討要素ですが、総合的に見て納得のいく職場かどうかを判断しましょう。
6-4. 複数の転職エージェントに登録する
転職するときには、転職エージェントを2~3社ほど併用するのがおすすめです。複数の会社に登録すれば、多くの求人情報を受け取れるだけでなく、転職エージェントの比較もできます。また、薬剤師専門の転職エージェントはいくつか存在し、それぞれに得意・不得意があります。
たとえば、病院への求人情報を多く持つエージェント、20代・30代・40代といった年代別に強いエージェント、女性薬剤師に力を入れているエージェント、パート・アルバイトの転職活動をするときに向くエージェントなど。それぞれの強み・メリットを知るためにも複数登録しておくことをおすすめします。転職エージェントを複数併用すれば、自分に合ったアドバイザーと出会える確率も高まる でしょう。
6-5. 非公開求人の活用
薬剤師の転職で見逃せないのが「非公開求人」の存在です。これらは一般に公開されていない、人材紹介会社のみが保有する求人で、好条件の求人が多くあります。特に管理薬剤師や専門性の高いポジションは、応募が殺到するのを避け、現職者に配慮するため、非公開求人として扱われることが一般的です。
非公開求人にアクセスするには、転職エージェントとの良好な関係構築が重要です。担当アドバイザーに自分のキャリアプランや希望条件を詳しく伝え、信頼関係を築くことで、あなたに最適な非公開求人を紹介してもらえる可能性が高まります。定期的なコミュニケーションと積極的な情報交換を心がけましょう。
6-6. 年収交渉で転職エージェントを活用する
転職で手取りを増やすためには、年収交渉が重要です。転職前に、自分の市場価値を客観的に把握しておきましょう。保有資格(専門・認定薬剤師など)、経験年数、管理職経験、特定分野の専門知識が、あなたの市場価値を決める要素となります。
これらの専門スキルや経験に見合った適切な給与水準を事前に検討しておけば、交渉の際に具体的な数字を提示できます。ここで転職エージェントの活用が効果的です。エージェントは業界の給与相場に精通しているため、あなたに代わって企業と交渉してくれます。
また、企業が重視するポイントを押さえた交渉術で、あなたひとりでは難しい条件交渉も可能にしてくれるでしょう。交渉の際は希望額を伝えるだけでなく、その根拠となる自分の強みや貢献できる点も明確に示すことが大切です。

- 下田コメント
薬剤師の給与は「職場の規模」と「地域差」によっても驚くほど変動します。同じ調剤薬局でも大手チェーンと個人経営、都市部と地方でも大きく異なります。
狙い目は薬剤師が供給不足となっている地方です。厚生労働省が発行する、賃金構造基本統計調査によれば熊本県や広島県では年収700万円を超えています。
また、見落としがちなのが「夜間・休日手当」です。24時間対応の薬局や夜間当直のある病院では、基本給が低くても手当で月収が5万円以上アップすることもあります。転職時には基本給だけでなく、これら「見えない収入」も含めて比較検討することが重要です。
参考:令和6年賃金構造基本統計調査|厚生労働省
7. 薬剤師の手取り額についてよくある質問と回答
Q1:薬剤師の給料は将来的にも安定していますか?
薬剤師の需要は今後も維持され、雇用の安定性は高いといえます。ただし、薬局間の競争激化や調剤報酬の改定により、単純な処方箋調剤だけでは収入アップが難しくなっています。今後は在宅医療参画やがん専門薬剤師など、専門性を高めることで差別化を図り、収入を維持・向上させることが重要です。
Q2:転職で薬剤師の給料はどのくらい上がりますか?
調剤薬局やドラッグストアへの転職では、条件のよい職場を選ぶことで年収30〜50万円アップも可能です。管理薬剤師ポジションでは月給5〜10万円アップが一般的で、年収60〜120万円の増加になります。製薬会社への転職は競争率が高いものの、MRやメディカルアフェアーズといったポジションでは年収100万円以上のアップも期待できます。
8. 薬剤師が手取りアップを狙う薬剤師必見!転職エージェントを活用すべき理由
薬剤師の手取りは、正社員薬剤師か非正規雇用(パート・アルバイト)かなど、仕事内容や働き方によって大きく異なります。年収アップを目指すときに有効な手段は、転職によるキャリアアップです。勤務先によって手取り額が左右されるため「どこで、どんな薬剤師として働くか」は非常に重要な選択になります。転職を成功させるためにも、薬剤師専門のエージェントに登録して、求人情報を探してみませんか。
転職を検討している方は、実際に転職支援サービスを利用して成功した薬剤師の声も参考にしてみてください。転職前の不安や、転職後の待遇改善の実例、キャリアアドバイザーからのサポート内容など、リアルな体験談から多くのヒントが得られます。
【ご利用者の声】転職支援サービスで年収アップに成功した薬剤師の体験談はこちら
※実際の転職事例や年収アップの金額、満足度など、具体的な声を確認いただけます。あなたの転職成功の参考にしてください。
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監修者

薬剤師・薬局経営コンサルタント 下田 篤男
京都大学薬学部総合薬学科卒業。 卒業後は調剤薬局やドラッグストアグループで薬剤師として勤務。 総合病院門前などで管理薬剤師として経験を積んだのち、マネージメント業務にも携わる。現在は薬剤師として働く傍ら、医療記事の執筆、編集や薬局経営コンサルタントとしても活動している。
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