薬剤師の「学び」に関するアンケート結果発表 (2021年5月実施)
登録日:
こんにちは、薬剤師転職のアポプラス薬剤師ライターチームです。
2021年5月、薬剤師の「学び」についてアンケートを実施しました。以下、概要をご報告します。
<調査結果 概要>
アンケート回答期間:2021年5月7日(金)~2021年5月31日(月)
総回答数:240件
回答者平均年齢:42歳 対象20代~60代までの男女 薬剤師
男女比:女性 56% 男性 17% 非回答 27%
- <目次>
- 1.薬剤師が今学んでいる「学びのテーマ」について
- 2.「学び」で利用している薬剤師向け無料ツール・教材・WEBサイトについて
- 3.直近1年間で使った「学び」の内容とその費用について
- 4.これから「学びたいテーマ」について
- 5.今欲しいと思う教材やツールについて
- 6.今後の薬剤師のキャリアで最大の関心ごと(期待・悩み・不安)について
- 7.薬剤師が今、興味があること、気になっていること
- 8.まとめ
1.薬剤師が今学んでいる「学びのテーマ」について
Q1.薬剤師が今学んでいる「学びのテーマ」について
最も多かった回答は、「資格取得(認定薬剤師・専門薬剤師・その他)」に全体の23%、2番目に多かった回答は「新製品(新薬・ジェネリック医薬品・OTC)」に全体の20%、次に「安全管理(鑑査)」「在宅医療」「コミュニケーションスキル」に全体の13~10%が回答しました。薬剤師が今学んでいる「学びのテーマ」は、資格取得といった自己啓発・スキルアップを目的とし、その他に薬剤師業務に関わる知識・情報の取得が中心となっているようです。
2.「学び」で利用している薬剤師向け無料ツール・教材・WEBサイトについて
Q2.「学び」で利用しているツール・教材・WEBサイトについて
「学び」で活用するツールで最も回答が多かったのが「医療系専門サイト・医療系ニュースサイト」(回答全体の26%)となり、次に「添付文書アプリ」(回答全体の22%)、次に「日経ドラッグインフォメーション」(回答全体の12%)と「セミナー・勉強会・講演会」(回答全体の12%)となりました。 スマホが普及した現代においてはWEBサイトやアプリといった、直ぐに手元で確認が出来る媒体が「学びツール」として最も利用されていること、そして薬剤師向けの専門雑誌となる「日経ドラッグインフォメーション」と、「セミナー・勉強会・講習会」が活用されているようです。
3.直近1年間で使った「学び」の内容とその費用について
Q3-1.直近1年で使った「学び」の内容 *業務に関する学習
- 1.eラーニング (回答全体の45%)
- 2.有料での利用はなし (回答全体の29%)
- 3.書籍 (回答全体の15%)
- 4.講習会・セミナーへ参加 (回答全体の9%)
「業務に関する学習」で直近1年に使った「学び」について、最も多く利用されているのが「eラーニング 」でした。次に多かった回答は「有料での利用はなし」となり、続いて「書籍」「講習会・セミナー参加」となりました。「業務に関する学習」では、勤めている会社のeラーニング や福利厚生の利用をし、プラスα知識補完として書籍やセミナー・講習会を利用しているようです。
Q3-2.直近1年で使った「学び」の内容 *業務に関する学習
- 1.eラーニング (回答全体の40%)
- 2.有料での利用はなし (回答全体の30%)
- 3.講習会・セミナーへ参加 (回答全体の18%)
- 4.書籍 (回答全体の10%)
「資格取得に関する学習」においても、最も利用されているのは「eラーニング 」となり、次に「有料での利用はなし」、「講習会・セミナーへ参加」「書籍」利用となりました。こちらも前質問の「業務に関する学習」と同じく、回答者の多くが、勤め先の学習環境(eラーニング ・福利厚生)を活用していることが分かる結果となりました。
Q3-3.直近1年で使った「学び」の金額 *年間換算
- 1.5万円以内 (回答全体の37%)
- 2.1万円以内 (回答全体の31%)
- 3.5,000円以内 (回答全体の20%)
薬剤師の「学び」に使われる金額の幅は「5,000円~5万円以内」という結果となりました。さらにフリー回答の中で利用されたツールとしてコメントが多かったものが、1位「書籍」(回答全体の30%)、2位「eラーニング 」(回答全体の16%)、そして3位「セミナー・講習会」(回答全体の2%)となりました。(※他、媒体指定無し) なお、最も高額利用されていたツールとして回答があったものが「eラーニング 」となりました。
4. これから「学びたいテーマ」について
Q4.これから学びたいテーマについて
- 1位.服薬指導 (回答全体の38%)
- 2位.資格取得(認定薬剤師・専門薬剤師・その他)(回答全体の16%
- 3位.在宅医療 (回答全体の13%))
他. オンライン服薬指導、経営、安全管理(監査)、コミュニケーションスキル など
Q1.で今学んでいる「学びのテーマ」で最も多かったのが「資格取得・スキルアップ」に関する学びでしたが、回答者の多くがこれから学びたいと考えているのが「服薬指導」となりました。その次に選ばれた学びのテーマとして「資格取得」「在宅医療」が並び、薬剤師として働く上で必要なスキルアップと、今後薬剤師が直面していく在宅医療が意識されていることが分かる結果となりました。
5. 今欲しいと思う教材やツールについて
Q5.今欲しいと思うツール・教材について *フリー回答まとめ
- 1位. 書籍
- 2位. アプリ
- 3位. オンラインツール・オンライン講座またはセミナー
- 4位.情報系・医療系まとめサイト
- 【書籍 にて欲しい内容】
- ・服薬指導 (書籍と回答全体の29%)
- ・在宅医療 (書籍と回答全体の7%)
- ・漢方 (書籍と回答全体の6%)
- ・独立 / 経営 (書籍と回答全体の6%)
- ・妊婦 / 婦人科系の服薬指導 (書籍と回答全体の4%))
そのほか、OTC、新型コロナウイルス ・ワクチン関連、腎機能別薬剤投与量、資格取得系、業務知識系、営業療法、相互作用・薬剤師配合変化 など。
- 【アプリにして欲しい内容】
- ・資格取得、学習系 (アプリと回答全体の15%)
- ・相互作用検索 (アプリと回答全体の9%)
- ・服薬指導 (アプリと回答全体の7%)
- ・小児用・用量計算 (アプリと回答全体の7%)
そのほか 語学翻訳 / 新薬検索、類似薬剤検索 / 漢方検索 / 健康・受診管理 / セミナー・講習会管理 / 軟膏の混合可否検索 など。
- 【オンラインにして欲しい内容】※フリー回答
- ・服薬指導 講座 (オンラインと回答の50%)
- ・セミナー/講習会 (オンラインと回答の15%)
そのほか、オンライン服薬指導など。
「今欲しいと思うツール・教材」についての回答をまとめると、回答が最も多かった「書籍」に関しては、「Q4.今、もしくはこれから学びたいテーマについて」で多かった「服薬指導」と「在宅医療」に関する書籍が期待されていることが分かりました。次に回答が多かった「アプリ」については、「資格取得系(学習系)」と「互作用検索」、「小児用・用量計算」といった回答が目立ち、ポータブルできるアプリに期待しているのは資格取得・学習系、そして業務で使える検索・計算機能という結果となりました。
オンライン化・デジタル化して欲しいという回答も多く、中でも「服薬指導の講座」「セミナー・講習会」が挙げられていました。自宅に居ながら講座やセミナーを受けられるスタイルを期待しているのは、オンライン化が進んだ現代ならではの結果となりました。
6. 今後の薬剤師のキャリアで最大の関心ごと(期待・悩み・不安)について
社会・市場 | 2025年問題 | 0.8% |
---|---|---|
新型コロナウイルス関連(体制・今後・打ち手など) | 13.0% | |
少子高齢化や景気・市場動向が薬剤師業に与える影響 | 6.1% | |
服薬指導 | オンライン服薬指導 | 11.7% |
外国人への服薬指導 | 0.4% | |
婦人科特有の服薬指導 | 0.4% | |
役割・業務導 | かかりつけ薬剤師の役割 | 1.2% |
業種別の薬剤師経験 (調剤・病院・漢方) | 0.8% | |
業務の在宅化 | 0.8% | |
在宅医療の対応 | 4.0% | |
薬機法による業務増加 | 0.8% | |
業務連携 | 地域・介護領域との連携 | 1.6% |
ドクターとの関係構築 | 1.2% | |
薬局関連 | 薬局運営 | 0.4% |
薬局の認定制度 | 0.4% | |
薬局・院内薬局・DSの将来性 | 0.4% | |
自己・スキルに対する不安 | 自己啓発のモチベーション維持 | 1.2% |
新薬・専門知識のキャッチアップ | 1.6% | |
実務経験の低下性 | 5.7% | |
コミュニケーションスキル・対人業務へのシフト | 1.6% | |
復職・再就職への不安 | 2.8% | |
薬学生の知識低下・教育への課題 | 0.8% | |
「薬剤師」に対する不安 | 薬剤師の将来性持 | 8.9% |
薬剤師の需要 | 8.9% | |
薬剤師の役割 | 13.0% | |
薬剤師の待遇 | 1.2% | |
職場 | 職場環境・勤め先の将来性 | 0.8% |
デジタル化 | 調剤業務・電子薬歴・処方箋・薬剤師業務のデジタル化による影響 | 9.3% |
その他 | トレーシングレポート | 0.8% |
予防医療 | 0.4% | |
今後の投薬の仕方 | 0.4% | |
処方箋枚数減への対策 | 0.4% | |
診療報酬の改定 | 0.4% |
*赤字:全体の10%以上が回答 *青字:全体の5%以上が回答
Q6.今後の薬剤師キャリアで最大の関心ごと(期待・悩み・不安など)について
今回実施したアンケートの中で最も幅広い回答を頂いたのが「今後の薬剤師キャリアの最大の関心ごと」の質問となりました。フリー回答の質問でしたが、アンケートに参加した薬剤師の多くが、同じような"関心ごと"を持っているようです。以下に多かったコメントをピックアップいたします。
1位. 「新型コロナウイルス 関連」(回答全体の13%)
回答が最も集まったテーマは「新型コロナウイルス 関連」(回答全体の13%)となり、その中でも「ワクチンの打ち手」、「現状のコロナ禍から終息後の業務体制への影響」についてのコメントが多く見られました。
1位. 「薬剤師の役割」(回答全体の13%)
「新型コロナウイルス 関連」と同じく回答が集まった「薬剤師の役割」について、フリー回答に目立ったコメントとして「新型コロナウイルス関連 」と同様、新型コロナウイルス の他、進行する薬剤業務のデジタル化・オンライン化、そして社会的な少子高齢化による薬剤師の役割の変化について関心を寄せていることが分かりました。また、薬剤師の役割の他、「薬剤師の需要」や「薬剤師の将来性」、そして「薬剤師の待遇」に関するコメントも多く寄せられ、前述の業務のデジタル化などが与えている薬剤師の役割変化が、薬剤師の需要や将来性に対する不安に繋がっていることが垣間見えた回答結果となりました。
2位. 「オンライン服薬指導」(回答全体の11.7%)
これまでの「薬剤師の学び」に関する質問で、「服薬指導」に対する関心の高さが見えてきましたが、今後はさらにデジタル化が進む中で「オンライン服薬指導」にどのように取り組んでいくのか関心が寄せられました。
7.薬剤師が今、興味があること、気になっていること
最後に「今、薬剤師が興味あるテーマ」についての質問ですが、「新型コロナウイルス ・ワクチン・今後の業務変化」が回答全体の28%を占める結果となりました。薬剤師がワクチン打ち手となるのか、そしてコロナ終息後の薬剤師の役割変化、この他にも新型コロナウイルス が医療機関に与える影響と今後についてなどが今最も薬剤師が関心を寄せるテーマとなっているようです。そしてこの他、在宅医療の推進や対応について、薬剤師の将来性に関する回答が続く結果となりました。
8.まとめ
- <調査結果 まとめ>
- ・薬剤師が今学んでるテーマは「資格取得・スキルアップ」や「業務に必要な知識」
- ・学びで利用しているツールは「WEBサイト」や「アプリ」などポータブル系と専門雑誌やセミナー・講習会
- ・学びには勤め先のラーニング環境を利用し、さらに書籍やeラーニング、講習会を利用している
- ・薬剤師が関心ある学びのテーマは「服薬指導」「資格取得」「在宅医療」
- ・薬剤師のキャリアで最大の関心ごとは「新型コロナウイルス が薬剤師に与える影響」「薬剤師の役割」「オンライン服薬指導」
今回は「薬剤師の学び」をテーマに様々な角度からアンケートを実施しましたが、学びから見えてきたのは、薬剤師の勤勉さとは別に、新型コロナウイルス やデジタル化がもたらしている薬剤師の役割変化と、またその変化に対してどのように今後寄り添っていくのか悩む薬剤師の姿でした。
アポプラスキャリアでは、薬剤師の転職支援はもちろん、長期に渡る薬剤師のキャリアについて一緒に悩みながら、皆様のキャリアを全力でサポートして参ります。少しの不安でも一人では悩まず、ぜひお気軽にアポプラスキャリアへご意向をお聞かせください。
-
1
「登録者限定求人」をすぐにご紹介します! 全体の80%以上がWEB公開していない求人。登録後、人気求人を優先的にご紹介します。
-
2
あなたの希望条件により近づける調整をします! 求人条件はあなたの「最終条件」ではありません。より希望に近づける調整が可能です。
-
3
応募から面接、就業条件の交渉まで全てお任せ! 就業中・育児中でもラクラク。企業とのやりとりは全てコンサルタントにお任せください。
お電話でのご相談も承っております。