自衛隊にも薬剤師がいた！どうやったら入隊できる？その仕事内容とは・・？

登録日：2015.12.22

自衛隊に薬剤師がいる・・・ということをご存じでしょうか？
実際に航空自衛隊で薬剤師として働いている方でも、就職活動する直前までご存じなかったといいますから、あまり知られていないかもしれません。
自衛隊の中で薬剤師として働くといっても、薬剤師の資格だけで就職できるわけではありません。
自衛隊幹部候補生の試験に合格する必要があります。
具体的に、自衛隊で薬剤師として働くにはどうすればいいのでしょうか？仕事内容などを含め、探っていきたいと思います。

チャレンジ期間が短い！
薬剤科幹部候補生になるのは狭き門

先ほどお話ししたように、薬剤師が自衛隊で働くには「自衛隊幹部候補生」になる必要があります。
自衛隊幹部候補生とは、一般・歯科・薬剤科のコースから各自衛隊の幹部自衛官となる者を養成する制度で、薬剤師の場合は「薬剤科幹部候補生」を目指すことになります。

「薬剤科幹部候補生」の応募条件は厳しく、専門の大学を卒業（もしくは見込み）し20歳以上28歳未満でなくてはならないと定められています。
現在薬剤師になるためには６年間学ばなくてはいけませんから、実質24歳～28歳までの４年間しかチャレンジすることはできないのです。この点だけをとっても、薬剤師として自衛隊に入るのはかなり難しい挑戦であることがわかります。

試験から合格発表まで
薬剤科幹部候補生になるまでの流れ

薬剤師の大学で６年間学べば、晴れて薬剤科幹部候補生の試験にチャレンジすることができるようになります。（もちろん薬剤師の国家試験に合格することも必要です）
しかし試験から合格まで約半年間を擁しますので、実質最低でも約６年半の月日を費やさなくては、自衛隊の薬剤師になることはできないのです。
では具体的に、どのような流れになっているのが今年度の日程をみながらご紹介します。

1.
受付期間　平成27年3月1日（日）～5月1日（金）
2.
一次試験（筆記試験）平成27年5月16日（土）
3.
一次試験合格発表　平成27年6月5日（金）
4.
二次試験（小論文試験、口述試験、身体検査）平成27年6月16日（火）～19日（金）のうち1日
5.
二次試験合格発表　平成27年8月7日（金）
6.
入隊時期　平成28年3月下旬～4月上旬

▼自衛官募集ホームページ参照
http://www.mod.go.jp/gsdf/jieikanbosyu/recruit/01.html

合格すれば終わりじゃない!?
入隊後の訓練と薬剤官になるまでの流れ

６年半かけて晴れて入隊が決まった・・。しかしここからも大変なのが自衛隊で働く薬剤師です。
入隊するとまず「初級幹部」となり、必要な知識や技能を約１年かけて学びます。
学ぶ内容は、「防衛基礎学、戦術、戦史、戦技訓練、体育、服務、防衛教養、実技」などの科目です。
候補生隊の寮に入り、非常に厳しい集団での生活をこなさなくてはいけないようです。
さらに1年間の薬剤実務研修を受け、本格的に薬剤師として働くのはそれからになります。

先ほどは、実質最低でも約６年半の月日を費やさなくては、自衛隊の薬剤師になれないとお話ししましたが、薬剤師として自衛隊で本格的に働くにはさらに２年。
合格発表から入隊までの月日を入れると、９年かかってようやく一人前の自衛隊の薬剤師（薬剤官）になれるのです。