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薬剤師の年収は低すぎる?年収アップのための方法を職種別に解説!

更新日:

「残業が多いわりに給料がなかなか増えない」
「他の職業だと昇給が多いのに、薬剤師には昇給がほとんどないと感じる」

このように、「薬剤師の年収は低すぎる」と感じることはありませんか?何年にもわたる勉強や厳しい試験を乗り越え、ようやく薬剤師として社会に出てみたものの、期待していた年収とは程遠いと感じることがあるかもしれません。この記事では、薬剤師・薬局経営コンサルタントである下田 篤男氏が、薬剤師の年収をほかの職業と比較しながら、薬剤師の年収が低いと感じる理由を詳しく掘り下げます。また、年収アップを目指すための具体的な方法を職種別に紹介していますので、年収を上げたい薬剤師の方はぜひ参考にしてみてください。

1.薬剤師の年収は本当に低すぎる?他の職業と比較

薬剤師の年収は本当に低すぎる?他の職業と比較

「薬剤師の年収は低い」とよくいわれることがありますが、果たしてその実態はどうなのでしょうか。ここでは、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」や、「国税庁の民間給与実態統計調査」といった最新の公的データを参照し、薬剤師の年収を一般的な給与水準や医師・看護師など、他の医療系職種と徹底比較します。

平均値だけでなく、年齢、性別、勤務先などの要因別に分析することで、薬剤師の収入の実態と、「低すぎる」と感じる背景について明らかにしていきましょう。

1-1.平均年収を他の職業と比較

厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」によると、薬剤師の平均年収は583万円(※1)です。国税庁の「民間給与実態統計調査」(※2)に掲載されている平均給与「458万円」とくらべると、124万円上回っています。これを見ると薬剤師の年収は決して低くないことがわかります。

※1.出典:令和5年賃金構造基本統計調|厚生労働省
年収は「きまって支給する現金給与額」の12カ月分と、「年間賞与その他特別給与額」を足して算出
※2.出典:令和4年分 民間給与実態統計調査|国税庁

1-2.他の医療系職種との比較

次に、薬剤師と薬剤師以外の医療系職種の平均年収を比較してみましょう。下の表は、厚生労働省の賃金構造基本統計調査を基に、医療系職種のみに絞って表示したものです。

職種 平均年収
医師 1,467万円
歯科医師 866万円
薬剤師 583万円
助産師 565万円
診療放射線技師 541万円
看護師 501万円
臨床検査技師 493万円
歯科技工士 458万円
理学療法士,作業療法士,言語聴覚士,視能訓練士 434万円
歯科衛生士 410万円
准看護師 410万円

※年収は「きまって支給する現金給与額」の12カ月分と、「年間賞与その他特別給与額」を足して算出

※千の位以下切り捨て

※出典:令和5年賃金構造基本統計調査|厚生労働省

この統計を見る限り、薬剤師の平均年収は、医師・歯科医師・助産師に続いて高くなっています。医療系職種においても、決して低いわけではありません。

1-3.実際の薬剤師年収のリアルとは

薬剤師の年収はさまざまな要因で大きく変動します。先の厚生労働省における「令和5年賃金構造基本統計調査」によれば、男女差では平均約80万円の差があり、男性が623万円、女性が543万円です。年齢別では20代前半の349万円から55~59歳の723万円までキャリアに応じて上昇しますが、30代後半でいったん頭打ちとなり、40代では平均年収が下がっています。

年代 平均年収 平均年齢
20~24歳 349万円 24.5歳
25~29歳 470万円 27.5歳
30~34歳 554万円 32.6歳
35~39歳 648万円 37.2歳
40~44歳 624万円 42.2歳
45~49歳 612万円 47.5歳
50~54歳 690万円 52.2歳
55~59歳 723万円 57.2歳

※年収は「きまって支給する現金給与額」の12カ月分と、「年間賞与その他特別給与額」を足して算出

※千の位以下切り捨て

※出典:令和5年賃金構造基本統計調査|厚生労働省

薬剤師の収入を正確に理解するには、平均年収だけでなくこれらの多角的な視点での分析が不可欠です。

1-4.新卒(薬学部卒)向けの高収入職種とは?

薬学部卒業者が高年収を得られる代表的な職場として、製薬会社があります。
製薬会社への就職は、基本的に新卒時がベストです。中途採用は少なく、転職での入社は難しいでしょう。
製薬会社の研究職は新薬開発が主な仕事で、専門知識と粘り強い研究姿勢が求められます。責任は重いですが、その分、高給与が期待できます。ただし、研究職の応募は大学院の修士課程卒業を条件としていることが多いです。
一方、MR(医薬情報担当者)は製薬会社の営業職です。医薬品の知識とコミュニケーション能力の両方が必要とされる仕事で、医師との信頼関係構築が重要です。激務になることもありますが、給与は高水準で福利厚生も充実しています。
ただし、製薬企業への門戸は薬学部以外の学部にも開かれているため、内定を勝ち取るのは難しいことを認識しておきましょう。

下田氏
下田コメント
薬剤師は平均年収の高い職種といえますが、医師や歯科医師ほどではありません。また、薬剤師の年収は30代後半で頭打ちになることを考えると、40代でのキャリアパスを意識しておく必要があるでしょう。

2.「薬剤師の年収は低すぎる」と感じる7つの理由

「薬剤師の年収は低すぎる」と感じる7つの理由

統計上は平均以上の収入があるにも関わらず、多くの薬剤師が「自分の年収は低すぎる」と感じているのでしょうか。その背景には数字だけではわからない、薬剤師特有の事情があります。ここからは、高い学費負担・厳しい労働環境・大きな責任・限られているキャリアアップなど、薬剤師が収入に不満を感じる7つの理由を解説していきましょう。

2-1.薬学部の学費が高い

薬剤師の年収が低すぎると感じる1つ目の理由は、高額な薬学部の学費です。私立大学の薬学部へ進学した場合、6年間の学費だけで約1,035万円(※3)が必要になります。一人暮らしの生活費や、その他の経費がかかる場合、総費用は2,000万円近くになることもあります。

薬剤師の中には、必要になった学費や時間にくらべると、薬剤師の年収は決して高くなく、薬剤師になるために投資した費用を回収できていないと感じる人もいるようです。

※3.出典:私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査結果について|文部科学省

※令和5年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金等平均額(定員1人当たり)の調査結果について

※授業料と施設設備費は6年間かかるものとして計算

※千の位以下切り捨て

2-2.労働環境が過酷

薬剤師の年収が低すぎると感じる2つ目の理由は、労働環境の過酷さです。特に、病院勤務の場合では夜勤があるため、不規則な生活リズムを強いられることがあります。残業でプライベートの時間が確保しにくいため、ライフワークバランスの構築も難しくなるでしょう。

また、調剤薬局では大量の処方箋を処理しつつ、迅速かつ丁寧な患者対応もしなければならず、薬学に関する専門知識に加え、高いコミュニケーションスキルも必要です。そのため、1日の仕事量と求められているスキルに対して、報酬が見合っていないと不満に思う薬剤師も少なくありません。

2-3.精神的なプレッシャーが大きい

精神的なプレッシャーが大きい

薬剤師の年収が低すぎると感じる3つ目の理由は、精神的なプレッシャーの大きさです。薬剤師の業務は、医薬品の調剤や服薬指導など、患者さまの健康や命にかかわる責任の重い仕事です。ひとつのミスで患者さまの健康問題を引き起こす可能性があるため、常に心理的なプレッシャーを抱えています。重大な責任を問われるストレスを抱えて取り組む仕事であるにもかかわらず、報酬が見合わないと感じる人もいるようです。

特に、薬剤師の仕事は見えにくいため、患者の命を支えているのはほぼ同じなのに、医師や看護師など、他の医療従事者とくらべると、得られる年収に大きなギャップがあると感じることも少なくないようです。

2-4.医師・歯科医師と比較してしまう

薬剤師の年収が低すぎると感じる4つ目の理由は、医師・歯科医師との比較です。医学部と薬学部はどちらも6年制で卒業後には国家資格を取得する点では共通しています。

しかし、薬剤師の平均年収583万円に対し、医師の平均年収は1,467万円と、その差は約2.5倍です(※4)。同じ期間を学び、同じ国家資格を取得しているにも関わらず、医師と薬剤師で年収に大きな差があるため、薬剤師の年収は低いと感じる人もいるのでしょう。

※4.出典:令和5年賃金構造基本統計調査|厚生労働省

2-5.職場によって給料に差がある

薬剤師の年収が低すぎると感じる5つ目の理由は、職場による給料の差です。薬剤師の場合、どのような職場で働くかによって年収が大きく異なります。下表に、薬剤師の業種別の平均年収をまとめました。

職場 平均年収
製薬会社など民間企業 約550万~700万円
ドラッグストア 約515万~600万円
調剤薬局 約450万~550万円
国公立病院・民間病院 約390万~500万円

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薬剤師の資格が必要な業種に就いていても、どこで働くかによって年収は大きく変わります。特に、病院勤務の薬剤師は、ほかの職場にくらべて、年収相場が低い傾向にあります。たとえば、調剤薬局に勤務している薬剤師が製薬会社で働く薬剤師の給料とくらべると、自分の年収は低いと感じる人もいるかもしれません。

2-6.勤務地によって給与相場が変わる

薬剤師の年収が低すぎると感じる6つ目の理由は、勤務地による給与相場の違いです。薬剤師の需要と供給には地域差があるため、待遇にも差があります。たとえば、都市部では薬剤師の数が多いため給与が低い傾向にありますが、薬剤師不足に悩む地方では、よりよい条件で募集が出ているケースもあります。

一般的な職種では、首都圏のほうが給料は高い傾向にありますが、薬剤師の場合は、首都圏の職場だからといって給与が高くなるわけではありません。このように、薬剤師は勤務地によって給与相場が変わるため、給与が高い地域の薬剤師にくらべて、自分の年収は低すぎると感じる人もいるでしょう。

2-7.給料が上がりにくい

薬剤師の年収が低すぎると感じる7つ目の理由は、給料の上がりにくさです。薬剤師の初任給は一般の企業とくらべて高い水準にありますが、長期的に見ると給料の上昇が期待しにくいケースも少なくありません。年齢に応じた昇給を期待していたものの、勤務年数が長くなっても給料がそれほど変わらないと感じる薬剤師もいるようです。

また、昇進の機会も限られており、役職に空きがないため、キャリアアップが難しいケースも珍しくありません。このように、長く勤めているのに上がりにくい給与や、先輩薬剤師がなかなか昇進できない現実を見て、将来への不安を感じる薬剤師もいるのでしょう。

3.年収が低すぎる!薬剤師が給料アップさせる7つの方法

年収が低すぎる!薬剤師が給料アップさせる7つの方法

薬剤師の年収に対する不満や悩みは多いものの、実は収入を増やすための選択肢は数多く存在します。厳しい労働環境や高い教育投資に見合った報酬を得るためには、戦略的なキャリア選択が重要です。ここでは、現役薬剤師が実際に活用できる具体的な年収アップの方法を7つご紹介していきましょう。すぐに実践できるものから、長期的な視点で取り組むべきものまで、さまざまな方法があります。ご自身の状況に合わせた選択肢をみつけてください。

3-1.管理職を目指す

薬剤師の年収をアップさせる1つ目の方法は、管理職を目指すことです。今勤めている職場でキャリアを積み、上位の職位に就く堅実な方法です。役職に就くと、仕事の責任範囲が広がる見返りとして役職手当が付くため、年収アップが期待できます。また、役職の経験があると転職するときにも有利に働きます。

ただし、病院のように役職付きのポストが限られている職場もあるため、昇進が難しい場合も少なくありません。その場合は、転職で管理職を目指す方法も検討しましょう。

3-2.地方で働く、転勤する

薬剤師の年収をアップさせる2つ目の方法は、地方勤務です。前述した通り、薬剤師の年収は地域によって異なっており、一般的には薬剤師不足に陥っている地方のほうが、薬剤師の年収は高い傾向にあります。仕事の内容や通勤時間に大きな変化がなくても、勤務地を変えるだけで年収が100万円近く変わることもあります。

転職活動の際は、自分が住んでいる地域に限定せず、よりよい条件の求人を広範囲で探してみてください。特に、全国展開している調剤薬局チェーンやドラッグストアチェーンでは、「全国転勤可能」な働き方を選択することで収入アップにつながるケースも少なくありません。

全国展開しているチェーン企業は、地方店舗の人材確保が課題となっています。転勤に柔軟に対応できる薬剤師の需要は高いため、基本給の上乗せ・転勤手当・住宅補助などの優遇措置を設けられているケースもあるようです。キャリアアップと収入増加の両方を目指すなら、全国規模のチェーン企業で、転勤可能なポジションを視野に入れるとよいでしょう。

希望する職場が通勤距離として遠すぎる場合は、引っ越しを含めたライフスタイルの見直しも考えてみてください。ただ、家族がいる場合、住まいを変えるのは大きな決断です。収入アップだけでなく、家族のケアも考慮し、よく話し合った上で決断することをおすすめします。

3-3.資格を取得する

資格を取得する

薬剤師の年収をアップさせる3つ目の方法は、資格の取得です。「認定薬剤師」や「専門薬剤師」など、専門資格やスキルを身につければ、知識や技術に対する専門性が評価され、資格手当が付くこともあります。特に、感染制御専門薬剤師やがん専門薬剤師のような専門性の高い資格は、転職市場でも有利に働き、よりよい条件で採用されることが期待できます。

また、在宅医療も行う薬局の需要も高まっているので、ケアマネージャーの資格は大きなアドバンテージになるでしょう。ケアマネージャーの資格を取得したなら、より高待遇の職場へ転職するのも収入をアップさせるひとつの方法です。

なお、今勤めている職場に資格取得をサポートする制度がある場合は、その制度を活用して資格取得を目指すのがおすすめです。資格支援制度がない場合は、制度が整っている企業への転職も検討してみてください。

3-4.残業や休日出勤を増やす

薬剤師の年収をアップさせる4つ目の方法は、残業や休日出勤を増やすことです。多くの企業では、残業手当や休日出勤をした場合に手当がつきます。また、ドラッグストアのように土日祝日も営業している職場では、休日出勤や年末年始の特別手当が支給されることがあります。

地域の薬剤師会によっては、休日診療所で調剤を行う「休日当番薬剤師」を設置する制度もあります。休日当番薬剤師として登録した後に参加すれば、本業とは別に給料が支払われる制度です。本業の勤務先と重複しない範囲で、こうした制度を活用するのも収入アップの有効な方法といえるでしょう。

ただ、残業は基本的には会社の指示に従う必要があります。申請を行う際は、社内のルールに沿って適切な手続きを踏むようにしてください。

3-5.ダブルワークをする

薬剤師の年収をアップさせる5つ目の方法は、ダブルワークです。たとえば、アルバイトやパートをしながら派遣業務をする働き方です。特に、薬剤師の派遣やパートの仕事は、時給が高い傾向にあるため、複数の職場での勤務により、総収入を増やせるでしょう。

ただし、管理薬剤師や公務員として働いている場合は、原則として副業はできません。また、法的に禁止されていなくても、勤めている職場の就業規則で副業が禁止されていることもあります。副業を始める前には、必ず事前に就業規則を確認しておきましょう。

薬剤師の資格や専門知識を活かした副業としては、メディカルライターも候補のひとつです。医薬品や健康に関する記事の執筆、医療系ウェブサイトのコンテンツ制作などを請け負うことで、薬剤師業務とは異なる形で収入を得ることができます。管理薬剤師のようにほかの薬局での薬剤師勤務が禁止されている場合でも、メディカルライターとしての活動は可能なケースが多いため、収入アップの選択肢として検討する価値があるでしょう。

3-6.好待遇の条件で転職する

転職は、薬剤師の給料を上げる有効な手段です。年収相場の高い製薬会社やMR職への転職はもちろん、同じ調剤薬局や病院薬剤師の仕事でも、転職時の交渉次第で大幅な年収アップが可能です。特に、経験やスキルを積んだ段階での転職は交渉力が高まります。

即戦力となる薬剤師は、転職市場で常に求められている存在です。自分の市場価値を理解し、現在の年収プラス50〜100万円を目安にして条件交渉に臨むなら、キャリアアップと年収アップを同時に実現できるでしょう。

3-7.独立開業をする

薬剤師の年収をアップさせる7つ目の方法は、独立開業です。自分の薬局を持ち、経営が波に乗れば、店舗の利益がそのまま収入の増加につながるため、大幅な年収アップが実現する可能性もあります。自分のビジョンに基づいた薬局の運営は、高収入が見込めるだけでなく、大きなやりがいも感じられるでしょう。

ただし、開業した薬局で利益を出すには、薬剤師としての専門知識だけでなく、経営に関するノウハウも必要です。薬局の経営には、市場調査・財務計画・人材管理など、多岐にわたるスキルが求められます。また、成功すれば大きな収入と満足感を得られますが、失敗すれば投資した資金や時間を失うことになりかねません。独立開業を考えるときには、収益性とリスクを天秤にかけ、慎重に決断することをおすすめします。

下田氏
下田コメント
薬剤師は年収が上がりにくい職業ですが、工夫次第で年収アップを実現できます。現職を続けるだけではなく転職の選択肢も常に意識しておくとよいでしょう。

4.職種別薬剤師の年収アップ方法を徹底解説!

職種別薬剤師の年収アップ方法を徹底解説!

薬剤師の年収アップ戦略は、勤務先によって大きく異なります。調剤薬局、ドラッグストア、病院では、それぞれ異なる昇給システムやキャリアパスが存在します。ここでは、主要3職種に特化した具体的な収入アップ戦略を解説し、それぞれの職場環境に最適な年収アップの道筋をご紹介していきましょう。

4-1.調剤薬局薬剤師の年収アップ方法

調剤薬局で年収を上げるには、役職への昇進と専門資格の取得が最も効果的です。大手チェーン店では管理薬剤師からエリアマネージャー、経営幹部へと昇進することで着実に収入が増加します。責任範囲が広がるほど年収も比例して上がるのが特徴です。また、資格を取得すれば、自身の専門性を高めつつ、年収アップも狙えるでしょう。

私の話で恐縮ですが、一般薬剤師から管理薬剤師へのステップアップしたことで、年収が約100万円増加し、さらにエリアマネージャーに昇格することで、年収は700〜900万円程度になりました。さらに上のポジションに就けば、年収1000万円超えも可能なはずです。

また、研修認定薬剤師などの認定資格を持つことで月2万円の手当がつき、年間24万円の収入増になりました。 こうしたキャリアアップは収入増加だけでなく、専門性向上にもつながる価値ある選択肢です。

<調剤薬局薬剤師が意識したい資格、業務>

  • 認定薬剤師:かかりつけ薬剤師など、資格の必要要件になります。
  • かかりつけ薬剤師:患者との継続的な関係構築を可能にし、専門手当の対象となります。
  • 学校薬剤師:別枠の報酬が得られ、地域での信頼獲得にもつながります。
  • 認定実務実習指導薬剤師:学生指導にかかわることで評価が高まり、昇進にも有利です。

さらに長期的視点で考えるなら、医師や製薬メーカー、医薬品卸との人脈構築が将来の独立開業の基盤となり、大幅な収入アップにつながります。

4-2.ドラッグストア勤務薬剤師の年収アップ方法

ドラッグストアでは拡大成長中の業界特性を活かした早期キャリアアップが年収アップの鍵です。新規出店が活発なため、調剤薬局と比較して管理職への昇進機会が多く、早期の年収アップが可能です。

私が調剤併設のドラッグストアで働いていた頃は調剤コーナーの薬剤師から店長へと昇格することで、大幅に年収が増加しました。ドラッグストアは新規出店の頻度が高く、店長やマネージャー職への昇格チャンスは比較的多いと言えます。多くの店舗を束ねるエリアマネージャーや部長クラスになると年収1,000万円を超えることも可能です。

<ドラッグストアで昇進を引き寄せるポイント>

  • ビジネススキル:薬学知識だけでなく、マーケティングや店舗運営の知識が評価され、役職手当につながります。
  • 柔軟性:全国転勤に対応できるフットワークの軽さは、大手チェーンでの昇進に有利に働きます。
  • コミュニケーション能力:一般顧客対応も多いため、高いコミュニケーション能力は業績向上に直結し、インセンティブ獲得につながります。

この業界では新店開発やM&Aも頻繁に行われるため、変化に対応できる柔軟性と積極性が高く評価される環境です。

4-3.病院薬剤師の年収アップ方法

病院薬剤師なら、長期的な専門性向上と役職獲得が年収アップの王道です。初任給は低めですが、公立・大学病院では安定した昇給システムがあり、経験年数に応じて着実に収入が増える特徴があります。

一般的な病院薬剤師の初任給は月給25万円程度です。病院の体制にもよりますが、仕事ぶりが評価され始めると緩和ケアチームなどに参画するようになります。5年ほどで認定資格を取得することで主任に昇格し、月給は30万円近くになるでしょう。

10年目にはがん専門薬剤師となり副主査に抜擢され、年収550万円に達します。順調に役職を得て昇格していくと、20年目には薬剤部門の科長として管理業務と専門業務を両立させ、病院の薬剤適正使用にも貢献したことで年収700万円を超えます。

このケースは、病院薬剤師が専門性の向上と役職獲得を並行して進めることで実現可能となります。

<病院薬剤師の効果的な年収アップ戦略>

  • 専門資格取得:がん専門薬剤師や感染制御専門薬剤師などの高度な資格は手当につながり、キャリアの幅も広げます。
  • 学会活動:病院では学会発表や研究活動が評価され、昇進や手当に反映されることが多いです。

病院で得られる臨床経験は非常に高い価値があります。将来的に、調剤薬局や製薬企業へ転職する際にも優遇される強みとなるため、転職による年収アップも実現しやすくなるでしょう。

下田氏
下田コメント
薬剤師の職種は多様で、キャリアアップの方法も多岐にわたります。それぞれの職種にあったキャリアパスを意識し、5年後、10年後どんな薬剤師になりたいかを常に意識しておくことが大切です。

5.年収が低すぎると思ったら!薬剤師の転職先をみつけよう

年収が低すぎると思ったら!薬剤師の転職先をみつけよう

薬剤師の平均年収は決して低いわけではありませんが、薬剤師の年収は、一般の給与所得者の平均よりも高く、ほかの医療系職種と比較しても、医師や歯科医師に次いで高い水準です。しかし、薬学部の高い学費や過酷な労働環境、精神的プレッシャー、医療現場の主役でもある医師との比較、業種や勤務地による給与の差など、多くの理由から「年収が低すぎる」と感じる薬剤師もいます。

年収をアップさせたい場合には、転職して正社員になる、管理職を目指す、地方での勤務を検討するなどの方法があります。また、年収相場の高い業界への転職も有効です。転職で年収アップを検討している場合は、薬剤師専門の転職エージェント、「アポプラス薬剤師」の活用がおすすめです。高待遇の求人や非公開求人の紹介を受けられるため効率的に転職活動を進められます。

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監修者

下田氏

薬剤師・薬局経営コンサルタント 下田 篤男

京都大学薬学部総合薬学科卒業。 卒業後は調剤薬局やドラッグストアグループで薬剤師として勤務。 総合病院門前などで管理薬剤師として経験を積んだのち、マネージメント業務にも携わる。現在は薬剤師として働く傍ら、医療記事の執筆、編集や薬局経営コンサルタントとしても活動している。

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