総合的な医療サポートを行う!プライマリケアとは?
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海外の多くの国で導入されている「プライマリケア」を知っていますか。プライマリケアとは、いったいどのような考え方に基づいて採用され、何を目的としたものなのか疑問に思っている人も多いでしょう。また、薬剤師としてはプライマリケアにどのように関わっていくことができるのかを知りたいと思っている人もいるでしょう。この記事では、そのような疑問を解決するため、プライマリケアについてわかりやすく解説します。
プライマリケアとは
プライマリケアは、今日では一般に広く用いられている概念です。解釈の1つとして、米国国立科学アカデミーによる定義づけがあります。それによると、プライマリケアは、患者の抱える問題の大部分にアプローチすることができ、かつ継続的なパートナーシップによって地域の中で責任を持って提供される医療サービスであると解釈できます。また、プライマリケアは総合性と受診のしやすさを特徴としている点が、専門医とは異なるといえるでしょう。
専門医や大病院のように前もって予約しなくても、プライマリケアは緊急の対応ができます。初期の健康問題に関する相談や、健康診断の結果についての相談まで幅広くカバーする医療です。また、在宅診療や地域の保健・予防など、住民の健康を守る役目もあります。患者が相談しやすい身近な医療サービスといえます。
プライマリケアの5つの概念
プライマリケアは、5つの概念の上に成り立っています。ここでは、それぞれの概念を解説していきます。
Accessibility(近接性)
プライマリケアの特徴の1つは、Accessibility(近接性)と呼ばれる、受診のしやすさです。具体的には、4つの側面での受診のしやすさを意味します。まずは、地理的に患者に近いという点です。急に診察が必要になっても、遠方だと医療サービスを受けに行くことができないこともあるでしょう。プライマリケアは患者がすぐに訪問できる距離にあるので、距離がネックで診察の機会を逃すということがなくなります。経済的に診療費が払えるものかどうかも、患者との距離において重要です。高額な医療費だと、お金が払えず足が遠のいてしまう人もいます。
時間的に待つことなく診察してもらえるかも大切なポイントです。病気で苦しいのにすぐに予約が取れないと、症状が悪化してしまう場合があるでしょう。患者に近いプライマリケアはすぐに診察できるため、早期解決・早期発見につながります。最後に、精神的に気軽に相談しにいけるかという点も重要でしょう。患者に精神的に寄り添ってくれるので、心配せずに会いに行くことができます。これらの点が、プライマリケアの受診のしやすさを示す重要な側面です。
Comprehensiveness(包括性)
カバー範囲が広く、どんなことでも診察してくれるのがプライマリケアです。それをComprehensiveness(包括性)といいます。プライマリケアでは、専門医のように難しい症状や病気の治療が期待できるわけではありません。しかし、今出ている苦しい症状を押さえて疲労や体力の消耗を押さえたり、今の段階で取るべき対策を打ってくれたりします。また、プライマリケアは、まだ発症していない病気を発見したり、健康診断の結果を見てアドバイスして病気を予防したりすることもできます。病気を防ぐ対策として、ワクチン接種などを実施する場合もあるでしょう。
Coordination(協調性)
Coordination(協調性)もプライマリケアの重要な特徴です。プライマリケアは、患者の声に耳を傾け状況を把握します。必要な場合は、専門の医療機関に患者を紹介します。自分の診療所で完結するのではなく、外部との連携をいかに適切に進めていくかもプライマリケアに問われる力でしょう。また、患者が複数の病気を抱え服薬している場合は、情報を管理して専門のチームへ正しく伝達することが重要です。このように、他の機関や医師、医療スタッフとうまくコミュニケーションを取り、協調性をもってチームで問題解決を目指す能力がプライマリケアの必須条件です。
Continuity(継続性)
プライマリケアは、患者が初めに相談をしに来た時点から、病気に関して悩んでいることが解決するまで継続的にサポートをしていきます。Continuity(継続性)を持って患者を診ていくのがプライマリケアの役目です。人間の身体は複雑です。患者が複数の悩みを抱えている際に、総合的に何を優先しどう治療していくかは、基本的な治療のガイドラインでは解決できない場合があります。一人ひとりの患者に何が適切かを判断し、継続して医療的なサポートやアドバイスを行うのがプライマリケアです。
Accountability(責任性)
医療従事者として患者へのサービスに責任を持つのは当然のことです。プライマリケアは健康の問題を抱えた人を初めて診察し、その後の経過まで追っていきます。一人ひとりの患者に強い責任感を持って接する必要があります。患者に十分な説明を行い、患者の意見や希望に沿った方針を決めていくことが大切でしょう。また、後進の育成も大切な仕事です。プライマリケアとしてどのように患者と接していくべきか、どういうシステムを作り上げていくべきか、などの指導や教育を行うことで、責任もって継続したサービスを提供していく仕組みづくりをします。
薬剤師におけるプライマリケア
プライマリケア認定薬剤師として認定されれば、薬剤師としてプライマリケアの仕事に関わることができます。プライマリケア認定薬剤師は、地域医療の専門家としての位置付けです。プライマリケア認定薬剤師になるには、研修を受講し、所定の単位を取得する必要があります。その後、試験を受けて適当だと認められた薬剤師は認定を受けることができます。知識や技能を認められた存在として、高く評価され地域医療体制の強化に関わっていくことができるでしょう。
プライマリケアの必要性は拡大する
医療が高度化・専門化してきた現代だからこそ、患者に寄り添った身近なアドバイザーであるプライマリケアの存在をうまく活用すれば、人々がより健康で幸せに長生きできるようになるでしょう。プライマリケアは、小さな変化に気がついて病気を早期に発見したり、治療後のアフターケアを行ったりして、患者に寄り添った総合的な医療サービスを提供します。今後、プライマリケアの必要性はますます重視されていくでしょう。
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