1. 大阪府で働く薬剤師の平均年収は約606.7万円

令和５年度実施の厚生労働省の調査結果によると、大阪府で働く薬剤師の平均年収は約606.7万円で、全国平均の約577.9万円に比べて高い傾向にあります。

しかし、令和4年実施の調査結果の約630万円からは下がっています。それでもなお、大阪府の薬剤師は全国平均を上回る収入を維持しており、薬剤師としてのやりがいやキャリアの選択肢が多い地域であることがうかがえます。

大阪府と近隣の都道府県の薬剤師の年収を、下表で比較してみましょう。

大阪府と近隣都道府県の薬剤師の年収比較表

都道府県名	年収（万円）
大阪	606.7万円
兵庫	595.0万円
京都	499.7万円
奈良	529.0万円
三重	627.4万円
滋賀	552.2万円
和歌山	581.5万円
全国	577.9万円

※きまって支給する給与額の12カ月分と、年間賞与その他特別給与額の合計で算出※小数点第二位以下は四捨五入※出典：令和５年賃金構造基本統計調査　表3｜厚生労働省

大阪府と近隣都道府県の薬剤師の年収比較表を考察すると、大阪府の薬剤師の年収は近畿地方の中では２番目に高い水準です。

近畿地方で薬剤師の平均年収がもっとも高いのは三重県で約627.1万円です。大阪府は全国平均の578万円を大きく上回り、近隣の兵庫県（595.0万円）や奈良県（529.0万円）と比べても高水準であることがわかります。

大阪府は、大企業が集まる都市であることから、マネージャーや部長クラスのハイクラス求人が出ていることが要因かもしれません。

近年の大阪府における転職市場の肌感覚的には、純粋な高収入・高待遇の求人が出ていることは稀です。大阪やその周辺には薬学部のある大学が多く、毎年多くの新卒薬剤師が輩出されます。

そのため、近畿地方の中でもとくに薬剤師の数が多く、競争が激化しています。将来的には、給与水準が下がる可能性もあるでしょう。

2. 【エリア別】大阪府における薬剤師の年収動向

大阪府は大きく北部、中部、南部の３つのエリアにわけられ、それぞれの特徴や求人動向、年収に違いがあります。

地域	年収（万円）
北部	540万円
中部	580万円
南部	600万円

※アポプラス薬剤師求人サイトに掲載している求人データを参考に、１回分のボーナス（約２カ月分）として算出

2-1. 北部

北部には箕面市や豊中市などが含まれ、住宅街が多い地域です。他県からのアクセスがよいため、薬剤師が集まりやすい傾向にあります。

北部は安定した住環境と通勤の利便性から、薬局や調剤薬局の求人が多くみられます。競争が激しい地域といえるでしょう。

採用条件では、夜や土曜日も出勤可能ということが条件となるケースが多いです。正社員の求人は数も少ないため、とくに高年収、好待遇案件を見つけた場合には、早めのエントリーが重要です。

▼求人の例
商業施設内の調剤薬局：年収 500万円～600万円
在宅専門の薬局：年収 420万円～550万円

2-2. 中部

中部は大阪市を含むエリアで、府内でももっとも都市化が進んでいます。製薬会社や総合病院などが集中し、職場の選択肢が豊富な地域です。

都市部ならではの待遇面を期待できる求人が多く、給与水準も高めです。また、大規模な医療機関が多いため、専門性の高い業務に携わる機会もあるでしょう。とくに立地や治安が悪いエリアは、高収入が見込めます。キャリアアップを目指す薬剤師にとって、魅力的な地域でしょう。

北部と同様に高年収、好待遇案件は埋まりやすいため、早めのエントリーが必須です。

▼求人の例
一人薬局の管理薬剤師：年収 500万円～600万円
自社施設中心の在宅薬局：年収 480万円～600万円

2-3. 南部

南部には堺市や泉大津市、泉佐野市などが含まれ、自然環境が豊かなエリアです。都市部に比べて校外の雰囲気があり、車通勤が必須の立地もあります。他のエリアに比べて、まだまだ人材が不足している地域です。

南部の薬局や病院では、都会から離れている分、待遇をよくして薬剤師を確保しようという傾向がみられます。そのため、年収が高めに設定されていることも多く、自然に囲まれた環境で働きたい薬剤師にとっては魅力的な選択肢となるでしょう。

南部は郊外ということもあり、在宅に力を入れている職場がほとんどです。面接では、在宅医療への意欲をアピールしましょう。

▼求人の例
マネージャー候補：年収 600万円
総合病院の門前薬局：年収 480万円～500万円

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3. 薬剤師が大阪府で年収アップを目指した転職をするときのポイント

製薬会社や薬剤師団体が主催する勉強会が頻繁に開催されており、最新の医療情報や技術を学ぶ機会が豊富にあるのも大阪で働く魅力です。スキルアップのチャンスが多いため、専門知識を深められるでしょう。

また、大阪は笑いを大切にし、義理人情に厚い人が多い地域です。温かい人間関係が築ける環境は、職場での人間関係を良好にし、働きやすさを覚える方も少なくありません。大阪で薬剤師が年収アップを目指す転職をするときには、以下の３つのポイントを押さえましょう。

• 働くエリアにこだわりすぎない
• スキルを身につけておく
• 地域に強い転職エージェントを利用する

それぞれ、詳しく解説します。

3-1. 働くエリアにこだわりすぎない

大阪府で薬剤師として年収アップを目指す際には、働くエリアにこだわりすぎないことがおすすめです。先ほど解説した通り、エリアによって平均年収に違いがあります。

年収アップを望むなら、南部で職場を探すことをおすすめします。理由は、南部の堺市や泉佐野市などでは、自然環境が豊かで生活しやすい環境が整っている上に、人材確保のために給与が高めに設定されている求人が多いためです。

エリアにとらわれず、柔軟に転職先を検討することで、年収アップのチャンスを最大限に活かせるでしょう。

3-2. スキルを身につけておく

大阪府で年収アップを目指して転職するには、特定のスキルを身につけておくことも重要です。とくに、「在宅医療」や「かかりつけ薬剤師」の経験があると転職活動で有利に働きます。

大阪府は「健康サポート薬局」の届出数が多く、地域医療への取り組みが活発な地域です。在宅医療やかかりつけ薬剤師の経験があることで、高収入の求人に出会える可能性が高まります。

ニーズのあるスキルを身につけることが、年収アップへの近道となるでしょう。

3-3. 地域に強い転職エージェントを利用する

大阪府で年収アップを目指す薬剤師には、地域に強い転職エージェントを利用することが有効です。地域に精通したエージェントなら、条件のよい求人を紹介してもらいやすく、最新の求人情報をいち早く把握できます。

希望条件に合わせた求人を案内してもらえるため、効率的に転職活動を進められるでしょう。

また、地域に強いエージェントは求人企業とのつながりが深いため、非公開求人や独自の交渉で有利な条件を引き出しやすいです。地域に強い転職エージェントを活用することで、効率的かつ効果的に年収アップを目指す転職活動が実現できるでしょう。

大阪で年収アップの転職を実現するには、高年収を求める理由とそれに見合うスキル、今後どうやって勤務先やお客さまに貢献できるかを明確にしておく必要があるといえるでしょう。

4. 大阪で薬剤師が年収アップを目指すなら転職エージェントに登録しよう

大阪府は大都市ならではの多様なキャリアチャンスがあり、製薬会社や総合病院などでの高待遇の求人が多くみられます。しかし、地域ごとの年収差が顕著であるため、年収アップを目指す場合は、エリアにこだわらずに柔軟に転職活動をおこなうことをおすすめします。

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