薬剤師がキャリアアップを目指すうえで必要なことは?職場別キャリアプランの例
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薬剤師としてキャリアアップを図り、高収入を得たいと考えているものの、具体的に何から始めればよいかわからないという方は少なくありません。
キャリアアップにはさまざまな方法があり、その選択肢は「どのような薬剤師を目指すか」で異なります。
本記事では、調剤薬局・ドラッグストア・病院・製薬会社といった各職場でのキャリアアップに必要なことについて順にご紹介します。また、薬剤師がキャリアプランを考える際に重要な「キャリアの棚卸し」についても詳しく解説しますので、薬剤師の方はぜひご覧ください。
目次
薬剤師がキャリアアップを目指すうえで必要なことは?職場別キャリアプランの例
1. 薬剤師がキャリアアップするために重要なこと

薬剤師がキャリアアップするために重要なこととは何でしょうか?ここでは以下6つについて見ていきましょう。
- 理想とするキャリアをイメージする
- 市場を知り業界の将来を予測する
- キャリアの棚卸しをする
- 理想から逆算して備えるべき要素を把握する
- よい情報を提供してくれるアドバイザーを持つ
- キャリアプランに沿ったスキルを磨く
1-1. 理想とするキャリアをイメージする
薬剤師がキャリアアップを目指すときに重要なことの1つ目は「理想とするキャリアを具体的にイメージする」ことです。
例えば「医薬品や商品の知識を身につけ、いずれは薬局長になって運営やマネジメントに携わりたい」「薬局薬剤師として働き、かかりつけ薬剤師を目指したい」「医療機関で病院薬剤師として働き、がん治療の最前線で薬物療法を身につけたい」など、さまざまな目標があると思います。
役職や給料があがっても、目指すべき道に進めていないのであれば、意味のあるキャリアアップにはなりません。 まずは希望の役職や年収を具体的にイメージし、計画を立てることから始めましょう。
キャリアプランを立てることは、単に目指す方向性を明確にするだけでなく、他の薬剤師との差別化を図るうえでも重要です。自身の強みを意識しながらスキルを磨くことで、個性や専門性を強化できるでしょう。
また、将来的に薬剤師の数が飽和していくと予想される中、しっかりとしたキャリアプランを持つことは非常に大切です。どのような状況でも時代に求められ、活躍できる可能性が高まります。
薬剤師の飽和にかかわる実態や現場の認識を解説し、キャリアアップ・年収アップを叶えるためには何をすべきか考えていきます。
1-2. 市場を知り業界の将来を予測する
薬剤師がキャリアアップを目指すうえで大切なことの2つ目は「市場を知り将来を予測する」ことです。
ここで言う「市場」とは、あなたが働く環境を取り巻く求人状況のことを指します。市場をしっかりと見極め、今後需要が高まる職位や役割を選ぶことで、有利なキャリアを築けるでしょう。
一方で、競争が激しい、または需要が低下しているポジションは避けたほうが無難です。
求人市場を見極めるためには、業界全体の動向を把握し、予想することが重要です。業界の様相は時間とともに大きく変わるため、今後の変化を見据える必要があります。例えば、「薬剤師の偏在」による給与格差や在宅薬剤師のニーズの増加などは、以前からその兆しがありました。
今は需要の高い職種でも将来的に価値を失う可能性があるため、自分がどのポジションにいるべきかをしっかり考えましょう。 そして、自身の強みや興味を考慮し、最適なポジションを見つけてください。
市場を知り業界の将来を予測して、キャリアを選択すれば、より確実に理想の未来を築けるはずです。
1-3. キャリアの棚卸しをする
キャリアの方向性が決まったら、「キャリアの棚卸し」をおこないましょう。
キャリアの棚卸しとは、 自分がこれまでに培ってきたスキルや仕事内容を振り返り、それらを整理する作業のことです。 自分がどの分野で優れているのか、どのスキルをさらに磨く必要があるのかを把握できます。
具体的なキャリアの棚卸し方法については、後述しますのでそちらをご覧ください。
1-4. 理想から逆算して備えるべき要素を把握する
キャリアの棚卸しをおこなった後は、「理想のキャリアから逆算して備えるべき要素を把握」しましょう。
具体的には、棚卸しした内容から理想とのギャップを正確に把握してください。不足しているものがわかれば、これからのキャリアパスを明確化できます。
例えば、管理薬剤師としてリーダーシップを発揮したいという人と、専門的な知識を活かして臨床現場で活躍したいという人とでは、必要となるスキルや経験が大きく異なります。
理想のキャリアに到達するために、どのようなスキルや資格、経験が求められるのかを逆算して考えることが大切 です。そうすると、リーダーシップスキルを磨くためのマネジメント研修や、専門知識を深めるためのセミナーに参加するなど、具体的なアクションプランが出てくるでしょう。
理想から逆算することで目指すべきゴールに向かって効率的にステップを踏めるため、無駄のないキャリアアップを実現できます。
1-5. よい情報を提供してくれるアドバイザーを持つ
理想のキャリアから逆算して備えるべき要素を把握した後は、自分自身にとってよい情報を提供してくれる「アドバイザー」に意見を求めましょう。
アドバイザーとは、業界に精通しているプロフェッショナルであり、最新の市場動向やキャリアに関する貴重な情報を提供してくれる存在です。
例えば、先輩薬剤師やキャリアコンサルタントは、自分では見逃しがちな重要な情報や、キャリアに適したアドバイスをしてくれます。これにより、正しいキャリア選択やスキルアップを図れるでしょう。さらに、人脈を活用して新たな機会や有益なつながりも得られます。
よいアドバイザーがいれば、常に最新の情報にアクセスでき、薬剤師市場で確実なキャリアアップができるでしょう。
1-6. キャリアプランに沿ったスキルを磨く
自分によい情報を提供してくれるアドバイザーを持った後はいよいよ「キャリアプランに沿ったスキル」を磨いていきましょう。
専門薬剤師として特定の分野での知識を深めたい場合、その目標にあったスキルを計画的に習得する必要があります。
キャリアプランに沿ってスキルを磨くことで、目指すキャリアへの準備が整い、必要なスキルを効率的に身につけられるのです。
例えば、救急専門薬剤師を目指す場合、以下のようなスキルが求められるでしょう。
- 救急認定薬剤師の資格取得
- 救急認定薬剤師としての5年以上の実務経験
もし キャリアプランがまだ明確ではないのであれば、かかりつけ薬剤師や在宅など、今後需要が伸びていくスキルを重点的に磨く ことがおすすめです。
スキルの習得には、研修やセミナーへ参加する、専門書を読む、現場経験を積むなどさまざまな方法があります。理想のキャリアに必要なスキルを磨き続けることで、キャリアアップの道がより確実になるでしょう。
以下の記事では、薬剤師がキャリアアップを目指す際に役立つおすすめの資格について、詳しくご紹介しています。あなたのキャリアをさらに充実させるための参考にしてください。
薬剤師におすすめの資格9選と、それぞれのメリット・取得方法について詳しく解説します。
2. 【職場別】薬剤師のキャリアの例

いきなり理想のキャリアプランをイメージするのは難しいものです。まずは参考になりそうなキャリアの例をいくつか紹介していきます。
- 調剤薬局
- ドラッグストア
- 病院
- 製薬会社
2-1. 調剤薬局
・キャリアのイメージ(大手調剤薬局)
調剤薬剤師(年収:400万円)
↓
管理薬剤師(年収:600万円)
↓
エリアマネージャー(年収:800万円)
調剤薬局は、個人薬局と大手調剤薬局にわけられ、それぞれでキャリアアップの流れが変わります。個人薬局(10店舗以下程度)の薬剤師は、エリアマネージャーの職位が少なく、一般薬剤師〜管理薬剤師までが代表的なキャリアステップと言えるでしょう。
大手調剤薬局では、管理薬剤師→エリアマネージャーとキャリアアップするケースが多いです。
調剤薬局では、医療用医薬品やOTC(一般用医薬品)、保険調剤業務などの知識を身につけられるなど、広範な処方箋に対応するスキルを磨くことが可能です。その一方、近くの病院やクリニックにあわせて開局しているケースが多く、処方箋の知識が偏ることがあります。
・キャリアアップのために必要なこと
調剤薬局の薬剤師がキャリアアップを目指すためには、まず実務経験を積み、医薬品に関する知識を深めることが重要です。管理薬剤師を目指す場合、一般的に3年以上の実務経験が求められます。また、会社によっては「認定薬剤師」の資格取得が必要とされることもあります。
このように役職をあげながら、マネジメントの役割に進むケースが多いです。 予算管理などの事業運営スキルを磨くことで、エリアマネージャーへの道が開け、より高いキャリアに進めます。
2-2. ドラッグストア
・キャリアのイメージ
調剤薬剤師(年収:400万円)
↓
ラウンダー薬剤師(年収:600万円)
↓
店長(年収:800万円)
↓
エリアマネージャー(年収:1000万円)
・キャリアアップのために必要なこと
ドラッグストアで働く薬剤師がキャリアアップのために必要なことは、薬の知識だけでなく、店舗運営に必要なスキルを磨くことです。
例えば、店長になるためには薬剤師としての専門知識に加え、 マーケティングや販売戦略・在庫管理・スタッフのマネジメントなど、店舗全体を運営するための幅広いスキルが必要 です。これらのスキルを習得し、店舗運営において成果をあげることで店長としてのポジションにステップアップできるでしょう。
2-3. 病院でのキャリアプラン
・キャリアのイメージ
一般薬剤師(年収:350万円)
↓
部門長(年収:500万円)
↓
薬剤部長(年収:700万円)
・キャリアアップのために必要なこと
病院で働く薬剤師がキャリアアップのために必要なことは、調整力やコミュニケーション能力です。 病院ではさまざまな業種の方が連携して働くため、各部門や医師、看護師と円滑にやり取りできる人が求められます。
また、キャリアアップには長期的な在籍が必要な場合が多く、上位ポストが空くまで待つことも少なくありません。そのため、専門知識を深めつつ、長期間在籍してさまざまな部署との良好な関係を築くことが、キャリアアップへの重要なステップとなるでしょう。
2-4. 製薬会社でのキャリアプラン
・キャリアのイメージ
MR(年収:500万円)
↓
マネージャー(年収:700万円)
↓
営業本部長(年収:1,000万円)
・キャリアアップのために必要なこと
製薬会社でキャリアアップを目指すためには、まず営業力を磨き、継続して好成績をあげることが重要です。 好成績を維持することで、自身の評価が高まり、より責任のあるポジションへの道が開けます。
さらに、予算管理能力を身につけることが求められます。製薬会社では、数字をどれだけ達成できるかが評価の大きなポイントであり、その実績をあげられる人材ほど責任あるポジションに就けるのです。
このように、製薬会社で働く薬剤師は、営業力と予算管理能力を高めることで、着実にキャリアアップできるでしょう。
3. 薬剤師がキャリアプランを考える際、まずは「キャリアの棚卸し」から

薬剤師がキャリアアップを目指すために重要なこととして、「キャリアの棚卸し」がありました。
キャリアの棚卸しで、自分の強みや課題を明確にし、今後のキャリアプランを練ることが大切です。自分がどのようなスキルを持っているのか、どの分野で成長したいのかをしっかりと把握することから始めましょう。
この過程を通じて、自分の強みや弱みを明らかにし、今後のキャリアアップの計画を練るための土台を作れます。
キャリアの棚卸しをおこなう際には、職務経歴書を作成する形式でまとめることをおすすめします。キャリアの棚卸しをしようとしている方の多くは転職も検討しているはずです。キャリアの整理をしながら、同時に転職の準備もできるでしょう。
具体的には、以下の7項目を並べた表を作成し、それぞれの項目に情報を整理して記入していきます。
- 勤務期間
- 勤務先
- 業務内容
- 実績、得意なこと・評価されたこと
- 業務で使用していたツール・持っている資格
- チームのメンバー構成と自分のポジション
- 振り返り
表に整理して書き出しておけば、転職活動の際の職務経歴書も作りやすくなります。
では、実際にキャリアの棚卸しの例をご紹介します。
- 勤務期間
- 2020年4月~現在
- 勤務先
- ○○総合病院 緩和ケア病棟勤務
- 業務内容
- ○○総合病院の正社員として薬剤の調剤や患者さまへの服薬指導、供給管理、後輩への指導を担当。がん専門薬剤師として、医師・看護師などと連携し、患者さまの状態に沿った薬物療法の提案を実施。
- 実績、得意なこと・評価されたこと
-
・実績
緩和ケア病棟において、患者さまの痛みを和らげるための薬物療法の提案。
患者さまとのコミュニケーションを通じてその患者さまが求めていることを聞き出し、効果的な緩和ケアを提供。・得意なこと
医師や看護師から、さまざまな職種と自らコミュニケーションを取り、患者さまの状態に即した適切な治療方針を共有することが得意。
・評価されたこと
患者さまやその家族から、薬剤師による丁寧な説明や迅速な対応が高く評価されたことに喜びを感じた。とくに、痛みや不安を軽減するための薬物療法が評価された。
- 業務で使用していたツール・持っている資格
-
・ツール
エクセル
・資格
がん薬物療法認定薬剤師
- チームのメンバー構成と自分のポジション
-
ポジション:リーダー
構成メンバー:薬剤師2名、調剤事務3名
- 振り返り
-
緩和ケア病棟に勤務して4年。緩和ケアでは、症状の多様性や患者さまの個別ニーズに対応するため、多くの課題が日々発生している。
課題に対して、薬剤師として解決策を見つけ、実行を続けていくことは困難だったが、医師や看護師などさまざまな職種の方と連携し、患者さまの役に立てることは、それだけに達成感も大きく、喜びを感じている。
とくに、 自分が喜びを感じたことや学びがあったことを「振り返り」に記入すれば、自己PRや今後のキャリアプランに役立つ具体的なエピソードを整理できます。 この方法を実践すれば、キャリアの棚卸しをしながら面接でも使える実用的で完成度の高い職務経歴書を作成できるでしょう。
また、キャリアの棚卸しをおこなうことで以下のような効果も期待できます。
・キャリアプランを明確にできる
自分の経験やスキルを整理することで、今後のキャリアの方向性が具体的になります。
・将来的に必要なスキルや経験を把握できる
自分がどの分野で成長する必要があるのか、どのようなスキルを磨くべきかが明確になります。
・「経験」「できること」「得意なこと」と「好きなこと」を突きあわせられる
自分が経験してきたことや得意なことと、好きなことを照らしあわせることで、何が自分にとって評価されやすいかが浮き彫りになります。
・バランスの取れたキャリアアップが実現しやすくなる
好きなことで評価されるポイントを中心にキャリアプランを考えることで、無理なく成長できる、バランスのよいキャリアアップを目指せます。
このようにキャリアの棚卸しは、進むべき道をクリアにするために重要です。ぜひ一度実践してみてください。
4. 薬剤師がキャリアアップを目指すならまずは「アポプラス薬剤師」に登録を

調剤薬局・病院・製薬会社・ドラッグストアなど、薬剤師のキャリアは多種多様です。そのため、自分が目指すキャリアをまずは明確にすることが重要になります。
自分のキャリアを見つめ直し、理想に向けて必要なスキルを磨きましょう。
一人でキャリアを見つめ直したり、キャリアの棚卸しをしたりするのは大変なことが多いです。自身に合ったアドバイザーと壁打ちをしながら進めたほうがよりよいキャリアプランを作れるでしょう。
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