調剤薬局の志望動機例文6選|未経験者・新卒・パートと立場別にポイントも解説
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「いつも志望動機でつまずいてしまうのはどうしてだろう?」、「採用されやすい志望動機の書き方がわからない……」、「自分の経験をどう表現すれば採用担当者に響くのか」というようなお悩みをかかえていませんか? 多くの薬剤師が履歴書作成時に最も時間をかけるのが志望動機欄です。採用担当者の目に留まる内容か、他の応募者と差別化できているか、不安を感じながら書類を提出した経験はないでしょうか。この記事では、薬剤師・薬局経営コンサルタントである下田 篤男氏が、調剤薬局の志望動機を書く際のポイントに加え、未経験者から経験者、新卒、パート、事務職まで、さまざまな立場に合わせた例文や面接テクニックも紹介しています。あなたの強みを最大限にアピールし、理想の職場への第一歩を踏み出しましょう。
この記事でわかること
- 調剤薬局の志望動機を書く際のポイント
- 志望動機の良い例文とNG例文
- 面接での志望動機の伝え方のポイント
目次
調剤薬局の志望動機例文6選|未経験者・新卒・パートと立場別にポイントも解説
- 1. 面接官が見ているのはココ!調剤薬局の志望動機に欠かせない3つのポイント
- 1-1. その調剤薬局を志望した理由
- 1-2. 自分の強みやアピールポイント
- 1-3. 志望理由と自分の強みが重なった将来像
- 2. あなたの状況はどれ?6つのケース別・調剤薬局の志望動機例文集
- 2-1. 未経験職種への転職
- 2-2. 調剤薬局から調剤薬局への転職
- 2-3. 第二新卒での転職
- 2-4. 管理薬剤師や薬局長としての転職
- 2-5. 出産・子育てなどブランクからの再就職
- 2-6. 雇用形態が異なる場合の転職
1. 面接官が見ているのはココ!調剤薬局の志望動機に欠かせない3つのポイント
まず調剤薬局の志望動機を書く際に欠かせないポイントは、以下の3つです。
- その調剤薬局を志望した理由
- 自分の強みやアピールポイント
- 志望理由と自分の強みが重なった将来像
それぞれについて、詳しく解説していきましょう。
1-1.その調剤薬局を志望した理由
志望動機の書き始めは、志望した理由を簡潔に述べましょう。理由を淡々と羅列するのではなく、「なぜその調剤薬局で働きたいと思ったか」を、論理的かつわかりやすく伝えることが重要です。
調剤薬局にはそれぞれ特色があり、薬の取り扱いや患者さまへの対応方法、提供しているサービスにも違いがあります。自分自身の目指すキャリアややりたいことなどを根拠に、興味を持った理由を伝えましょう。採用担当者に「ほかの薬局でも良いのでは?」と思われないよう、志望先の調剤薬局に特化した理由を示すのがポイントです。
1-2.自分の強みやアピールポイント
志望動機の次に自分の強みやアピールポイントを書きます。志望動機では、自分の強みやアピール要素をしっかりと伝え、調剤薬局の薬剤師としてどのように活躍できるかを伝えましょう。「私を採用すると、こんなメリットがあります」と自己PRをする必要があります。
1-3.志望理由と自分の強みが重なった将来像
志望動機の後半には、志望理由と自分の強みが重なった将来像を記載します。その職場でどのように働きたいか、将来的にはどのような薬剤師になりたいかを明確に示すことで、採用担当者に自分の熱意と計画性を伝えられるでしょう。
たとえば、志望理由が「地域密着型のサービスを展開し、患者さま一人ひとりに寄り添った対応を重視している貴社の理念に共感した」とします。それに合わせて、「コミュニケーション能力が高く、患者さまの立場に立った対応ができること」また、「薬剤の専門知識を活かして地域に貢献したい」といった思いを強調すれば、良い印象を与えられるでしょう。
実際に入社した後、どのような活躍をしたいか伝えてみてください。志望動機と自分の強みを合わせて伝えれば、志望動機に説得力が増し、採用担当者に「この人なら活躍してくれそう」と感じてもらえるかもしれません。
調剤薬局で働く薬剤師の業務内容・年収・キャリアパス・魅力・求められるスキルについて詳しく解説していきます。
調剤薬局に転職した登録販売者に面接対策などについてインタビューしています。
2.あなたの状況はどれ?6つのケース別・調剤薬局の志望動機例文集
いざ志望動機を書こうとしても、どうしても思い浮かばないこともあるかもしれません。ここでは、調剤薬局の志望動機の例文を、以下の6つのケースにわけて解説します。
- 未経験職種への転職
- 調剤薬局から調剤薬局への転職
- 第二新卒での転職
- 管理薬剤師や薬局長としての転職
- 出産・子育てなどブランクからの再就職
- 雇用形態が異なる場合の転職
自分の状況に似たケースがあれば、ぜひ参考にしてみてください。
2-1.未経験職種への転職
【例文】
大学卒業後、製薬企業のMRとして3年間勤務しました。
営業活動や新薬の勉強会を通じて、調剤薬局の薬剤師と対話する機会が多くありました。その中で実感したのは、「薬剤師が患者さまの目線に立ち、業務を続けていてくれるからこそ、医薬品を手元に届けられる」ことです。この経験の中で、調剤薬局の薬剤師の仕事に魅力を感じるようになりました。
貴社では、地域に密着したサービスを提供していると伺っており、私が理想とする「患者さまに寄り添った対応」が実現できると考えています。
調剤薬局の薬剤師としての経験はありませんが、積極的に学び、スキルを磨くことで、貴社の発展に貢献していきたいと思います。
ポイント1.「薬剤師が患者さまの目線に立ち~実現できると考えています。」
MRとしての前職の経験から、調剤薬局の薬剤師の重要性を実感したこと、志望する企業ならではの地域密着型サービスが自身の理想に合致していることを述べています。
ポイント2.「調剤薬局の薬剤師としての経験はありませんが、積極的に学び~」
また、未経験であることを認めつつも、積極的に学ぶ姿勢と貢献意欲を強調し、熱意と適応力をアピールしています。
2-2.調剤薬局から調剤薬局への転職
【例文】
現在、耳鼻科・産婦人科を主な応需科目とする調剤薬局に勤務しています。
今後の薬剤師としてのキャリアアップを見据え、より多くの業務を経験できる職場で働きたいと考え、貴社を志望しました。
患者さまと密接にかかわり、健康維持に貢献できる仕事にやりがいを感じています。
貴社は、地域に根ざしたサービスや多様な研修制度が整っており、私が理想とする環境があると感じました。もし機会をいただけるのであれば、将来的には管理薬剤師やエリアマネージャーなどのポジションにも挑戦し、貴社の発展に貢献していきたいと考えています。
ポイント1.「今後の薬剤師としてのキャリアアップを見据え、より多くの業務を経験できる職場で働きたい」
職務経験を活かしつつ、キャリアアップを目指していることを強調しています。
ポイント2.「地域に根ざしたサービスや多様な研修制度が整っており、私が理想とする環境がある」
志望先の特徴である薬局の地域密着型サービスや多様な研修制度に魅力を感じている点を、具体的に述べています。
自身の成長意欲と貢献意欲を明確にアピールする方法として、参考にしたい志望動機です。
2-3. 第二新卒での転職
【例文】
私は現在、ドラッグストアで勤務しておりますが、薬剤師として活躍の場を広げたいと考え、調剤薬局への転職を決意しました。
貴社の「患者さま第一」の理念に共感しており、地域の皆様に密接にかかわりながら健康をサポートできる環境で働きたいと考えています。
ドラッグストアでの勤務期間はまだ短いですが、お客様に笑顔になってもらう接客を心がけて業務にあたっていたため、コミュニケーション能力には自信があります。
採用していただけた場合は、患者さまに安心していただけるよう全力を尽くし、貴社の発展に貢献したいと考えています。
ポイント1.「ドラッグストアで勤務しておりますが、薬剤師として活躍の場を広げたいと考え」
ドラッグストアでの経験を活かしつつ、スキルアップと新しい挑戦を求める姿勢を強調しています。
ポイント2.「貴社の「患者さま第一」の理念に共感しており ~ コミュニケーション能力には自信があります」
志望先である調剤薬局の理念に共感していることや、自身のコミュニケーション能力をアピールし、貢献意欲を具体的に述べています。
2-4. 管理薬剤師や薬局長としての転職
【例文】
管理薬剤師としての経験を活かし、さらなるキャリアアップを目指すために転職を決意しました。貴社の成長と地域医療への貢献に大きな魅力を感じております。
管理薬剤師としての経験を通じて、薬局運営やスタッフのマネジメント、患者さまとの信頼関係の構築など、多くのスキルを磨いてきました。
今後は貴社で、その経験を基により高いレベルのサービス提供を目指し、地域の皆様の健康維持に貢献したいと考えています。
さらなる成長の機会をいただけましたら、全力で取り組み、貴社の発展に貢献する所存です。
ポイント1.「管理薬剤師としての経験を活かし、さらなるキャリアアップを目指すため」
管理薬剤師としての経験を前向きにアピールし、キャリアアップを目指す姿勢を強調しています。
ポイント2.「その経験を基により高いレベルのサービス提供を目指し、地域の皆様の健康維持に貢献したい」
貴社の成長と地域医療への貢献に共感していることを伝え、自身のスキルと経験を活かして高いレベルのサービスを提供する意欲を示しています。
2-5. 出産・子育てなどブランクからの再就職
【例文】
出産と育児で5年間のブランクがあり、以前は病院で眼科を担当していましたが、子育てを通じて気軽に薬や健康管理の相談ができる「かかりつけ薬局」の重要性を実感しました。
この経験から、地域医療に貢献したい思いが強くなり、調剤薬局を志望しました。
貴社は育児支援に理解があり、地域住民を対象とした活動を積極的に行っている点にも魅力を感じています。ブランクはありますが、必要な知識とスキルをしっかりと吸収し、地域の方々から頼られる薬剤師になりたいと考えています。
ポイント1.「貴社は育児支援に理解があり、地域住民を対象とした活動を積極的に行っている点にも魅力を感じています」
志望先の薬局の育児支援や地域活動に共感し、その環境で成長したいという前向きな姿勢を強調しています。
ポイント2.「ブランクはありますが、必要な知識とスキルをしっかりと吸収し、地域の方々から頼られる薬剤師になりたい」
ブランクがあっても積極的に学び、貢献する意欲をアピールできれば、採用担当者に好印象を与えられる可能性があるでしょう。
2-6. 雇用形態が異なる場合の転職
【例文】
これまで4つの職場で内科、皮膚科、耳鼻科の調剤経験と、ドラッグストアでの勤務経験を積んできました。
現在、介護が必要な両親と同居しているため、私生活と両立しながら地域医療に貢献したいと考え、貴社の調剤薬局を志望しました。
在宅薬剤師として働ける環境が整っている貴社に魅力を感じています。また、住み慣れた地域で人々との信頼関係を構築し、地域医療の充実を目指すという経営理念に強く共感しています。
地元の患者さまとの繋がりを大切にしながら、薬剤師としての業務を行いたいという希望と貴社の環境が合致したため、応募いたしました。
ポイント1.「4つの職場で内科、皮膚科、耳鼻科の調剤経験と、ドラッグストアでの勤務経験を積んできました。~私生活と両立しながら地域医療に貢献したい」
多様な職場経験を活かしつつ、介護との両立を目指している点を強調しています。
ポイント2.「地域医療の充実を目指すという経営理念に強く共感し~希望と貴社の環境が合致した」
地元での信頼関係を重視しつつ、地域医療を支える姿勢をアピールし、適応力と貢献意識を伝えています。

- 下田コメント
志望動機を書く際は、単に「患者さまのために」と一般論を述べるだけでなく、処方箋の読み取り能力や疑義照会の実績など、薬剤師としての専門性を具体的にアピールすることが重要です。また、志望する薬局の処方元医療機関の特性(総合病院門前か、専門クリニック中心か)を調べ、そこでの経験や学びたい分野について触れると説得力が増します。
3.立場別!調剤薬局志望動機の書き方
ここからは、新卒や事務など、さまざまな立場の方に合わせた志望動機を紹介していきます。
3-1.新卒薬剤師の志望動機作成ポイント
新卒薬剤師は、まだ薬剤師としての勤務経験がありませんので、学生時代の実習経験を具体的に活かすことを意識しましょう。以下のポイントが重要です。
- 薬局実習や病院実習で学んだことを具体的に述べる
- 実習先で感じた調剤薬局の魅力や重要性について触れる
- 学んだ知識をどう実践に活かしたいかを明確に示す
また、以下のような成長意欲と柔軟性のアピールもプラスに働きます。
- 新しい知識やスキルを吸収する意欲を強調
- 指導を素直に受け入れる柔軟な姿勢をアピール
- 将来のキャリアビジョンを具体的に描く
3-2.調剤薬局事務として働きたい方の志望動機
調剤薬局事務として働きたい方は、以下のポイントを意識し、なぜ調剤薬局なのかを明確に述べましょう。
- 医療分野・調剤薬局への関心や貢献意欲を具体的に説明
- 医療事務資格や関連知識をどう活かせるかを明示
- 調剤報酬請求業務への理解や学習意欲をアピール
さらに、事務職としての以下のような強みを具体的に示しましょう。
- 正確性や細部への配慮など事務職に必要なスキルを強調
- コミュニケーション能力や患者対応の経験をアピール
- PCスキルや事務処理能力の具体例をあげる
3-3.未経験から調剤薬局を目指す方の志望動機
未経験から調剤薬局を目指す場合は、医薬品についての基礎知識と調剤薬局を選んだ理由を結びつけることを意識しましょう。以下のようなポイントを押さえると良いでしょう。
- 病院薬剤師やMRなど異なる分野での経験をどう活かせるか
- 調剤薬局に興味を持ったきっかけを具体的に説明
- 患者さまと直接かかわりたいという思いを伝える
- 新しい環境への適応力と学習への姿勢を強調
- 調剤薬局業務について自主的に学んでいる点をアピール
- 専門知識を活かして早期に戦力となれる可能性を示す
3-4.パート薬剤師としての志望動機の書き方
パート薬剤師を希望する場合は、自身の薬剤師としての価値と意欲をアピールすると良いでしょう。ポイントは以下のとおりです。
- 限られた時間でも質の高い仕事ができる具体例を示す
- 時短でも貢献できる業務や強みを明確にする
- 勤務条件の希望と薬局への貢献をバランスよく伝える
- 繁忙期や緊急時の対応可能性について触れる
- 短時間でも効率的に業務をこなす工夫や姿勢を示す
3-5.経験者向け志望動機の書き方
経験者の転職では、前職での具体的な実績と新たな挑戦を結びつけることを意識しましょう。ポイントは以下のとおりです。
- 調剤業務や服薬指導での具体的な成功体験を示す
- 前職で身につけたスキルをどう活かせるかを説明
- 新しい職場でさらに伸ばしたい能力や挑戦したい分野を明示
- 中長期的なキャリア目標と志望先での可能性を結びつける
- 志望先の特色や強みに対する理解を示す
- 前職との違いを認識したうえでの転職理由を明確に伝える
3-6.理由別の志望動機の書き方
志望動機作成では、自分の立場や状況に合わせて、具体的なエピソードや実績を交えながら、志望先との相性を論理的に説明することが重要です。単なる希望や理想だけでなく、自分の強みと志望先のニーズがどう合致するかを明確に伝えましょう。ポイントは以下のとおりです。
- 地域医療に貢献したい場合:地域密着の薬局で地域住民に向き合う姿勢を強調
- 患者一人ひとりに寄り添いたい場合:患者さまとのコミュニケーションを重視する考えを述べる
- キャリアアップ・専門性を高めたい場合:勉強会や研修への意欲、認定薬剤師取得への展望を示す
- 前職の経験を活かしたい場合:職務経歴書にて自身のキャリアの棚卸をし、強みを明確に伝える
- ワークライフバランス・仕事への取り組み姿勢と両立できる理由を説明
4.採用担当者の本音は?調剤薬局の志望動機で必ずチェックされる3つの視点
調剤薬局の志望動機でチェックされるポイントは、主に以下の3つです。
- 薬局に対する志望度は高いか
- 社風や文化とマッチするか
- 入社後の活躍がイメージできるか
それぞれ、詳しく解説していきます。
4-1.薬局に対する志望度は高いか
応募者の薬局に対する志望度は、採用者が特にチェックしているポイントのひとつです。志望度の高さを示すためには、応募先企業について入念に調べた上で、なぜ志望したのかを具体的に述べることが重要です。
まず、応募企業の公式ホームページを確認し、企業理念やコーポレートメッセージ、提供しているサービス、地域社会への貢献活動などを調べましょう。また、企業に関連するニュースリリースやSNSの投稿などにも目を通すことで、最新の取り組みや重点を置いている分野を把握できます。
志望動機に企業研究の成果を反映させれば、採用者担当者に「この応募者はしっかりと企業について調べ、強い関心を持っている」と認識されるはずです。志望度の高さが伝わり、採用者に好印象を与えられるでしょう。
4-2.社風や文化とマッチするか
調剤薬局の志望動機において、採用者は応募者が企業の社風や文化とマッチするかも重要視しています。企業の社風や方針に合わないと、力を発揮できないケースもあるためです。調剤薬局の社風は、公式ホームページや企業パンフレット、SNSなどを活用し、確認しておきましょう。
また、自分の価値観や仕事に対する姿勢が、企業の社風と一致する根拠を説明できれば理想的です。たとえば、企業が「地域密着型のサービス提供」を重視している場合、自分が過去に地域貢献活動に取り組んできた経験や、患者さまへの対応力があることを説明します。
社風や方針を理解し、それに自分がどのようにフィットするかを示すことで、採用者に「この人なら我が社の環境で活躍できる」と感じてもらえるでしょう。
4-3.入社後の活躍がイメージできるか
入社後の働き方も、採用者がチェックするポイントです。採用者は、応募者がどのように働き、どのように自社へ貢献できるかを志望動機から把握し、現在の自社に足りない要素を補う人材であるかを確認しています。
入社後の働き方を具体的に示すためには、まず自分がその企業でどのように働きたいか、どのように成長したいかを明確にすることが重要です。たとえば、「地域医療に貢献するために、患者さま一人ひとりに丁寧な対応を心がけたい」や「在宅医療の経験を活かし、訪問薬剤師として地域の健康維持に努めたい」といった具体的なビジョンを示します。
次に、自社に足りない要素を補える点をアピールします。応募先の企業が新しいサービスを展開している場合、その分野での経験やスキルを強調するのも効果的です。たとえば、「貴社が新たに取り組んでいるオンライン相談サービスに興味があり、前職の研修で培ったITスキル経験を活かしたい」といった具体例をあげてみると良いでしょう。
志望動機に入社後の働き方や具体的なビジョンを盛り込めば、採用者は応募者が自社にどのように貢献してくれるかをイメージしやすくなり、印象が良くなる可能性があります。
5. 通過しやすい調剤薬局の志望動機を作るコツ
志望動機の書き方に、テクニックはあるのでしょうか。通過しやすい調剤薬局の志望動機を作るコツには、以下の2つがあります。
- 読みやすい構成で書く
- 実体験を盛り込む
それぞれを詳しく解説していきます。
5-1.読みやすい構成で書く
調剤薬局の志望動機は「読みやすさ」が大切です。読みやすい志望動機を書くためのテクニックに、「PREP法」(Point, Reason, Example, Pointの略)があります。PREP法とは、結論から話す(書く)ことにより、説得力を高める文章構成テクニックです。
具体的な「PREP法」の構成は以下のとおりです。
- Point(結論):志望動機を冒頭に明示
- Reason(理由):その結論に至った背景
- Example(具体例):経験やエピソードで裏付け
- Point(結論の再提示):簡潔にまとめて締める
最初に「1.Point(結論)」を述べ、自分の志望動機が一目で理解しやすいようにします。たとえば、「私は地域医療に貢献できる薬剤師として働きたいと考え、貴社を志望しました」というように、最初に結論を明示し、読む側の理解がスムーズになるよう工夫しましょう。
次に、「2. Reason(理由)」を述べます。ここでは、応募企業の特徴や理念、取り組みなど、自分が共感したポイントを具体的に書くと良いでしょう。たとえば、「貴社の地域住民を対象とした健康セミナーや育児支援の取り組みに感銘を受けました」や、「患者さま一人ひとりと向き合う姿勢に共感しました」などがおすすめです。
その後、「3. Example(具体例)」をあげて、結論を裏付けしていきます。自分の経験やスキルがどのように貴社の取り組みに貢献できるかを示しましょう。たとえば、「私はドラッグストアでの勤務経験を通じて、患者さまとの信頼関係を築く大切さを学びました」や「在宅医療に同行する機会があり、患者さまの生活に寄り添う薬剤師の重要性を実感しました」など、自分の経験がどのように役立つかを説明します。
最後に、「4. Point(結論の再提示)」を簡潔に述べて締めくくります。
5-2.実体験を盛り込む
調剤薬局の志望動機を通過しやすくするため、実体験を盛り込んでみましょう。実体験を基にした志望動機は、説得力が増し、採用担当者に自分の思いを強く伝えられます。たとえば、「自身や家族がその薬局を利用したときに受けた親切な対応や専門的なアドバイスが印象に残った」と実体験をあげてから、「自分もこんな薬剤師になりたいと思った」と伝えれば、志望動機に一貫性が生まれます。
さらに、その調剤薬局を利用したときに感じた点や、改善できると思った点を盛り込めば、より具体性が増すでしょう。たとえば、「薬の説明が非常にわかりやすく、安心して利用できましたが、待ち時間を短縮できる方法を提案したい」といった具体的なエピソードを加えると、現実的な視点が加わり、応募者としての価値をアピールできます。
このように実体験を盛り込むことで、志望動機は単なる意欲表明ではなく、具体的で信憑性のあるものになります。実体験を基にした志望動機は、採用担当者に強い印象を与え、通過しやすくなるでしょう。

- 下田コメント
志望動機では在宅業務の有無など、その薬局の特性を意識して記載すると訴求力が高まります。たとえば、「貴社の糖尿病療養指導に力を入れている姿勢に共感しました。前職で栄養指導と連携し、患者さまの御自宅での服薬指導の経験があり、その知識を活かしたい」と具体的に述べることで、一般的な「在宅など地域医療に貢献したい」という志望動機よりも高い評価となるはずです。
また、調剤過誤防止への取り組みや患者対応の具体例など、実務に即した内容を盛り込むことで、即戦力として期待される印象を与えられるでしょう。
6.調剤薬局の志望動機!NG例
調剤薬局の志望動機では、以下のような書き方はNGです。
- どの企業にも当てはまる
- 意気込みだけで根拠がない
- 辞めることが前提になっている
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
6-1.どの企業にも当てはまる
【NG例文】
「私は地域医療に貢献したいと考え、調剤薬局で働きたいと考えています。」患者さまに寄り添い、安心して薬を受け取ってもらえる環境を作りたいです。」
「貴社の調剤薬局も、そのような理念を持っていると聞いており、応募しました。」
どの調剤薬局にも当てはまる一般的な内容で、具体性に欠けます。特定の企業についてのリサーチが不足しており、応募先の企業に対する興味や共感が伝わりません。採用者には「どこでもいいのではないか」「あまり調べていないのでは」と思われる可能性があります。
志望動機を具体的で説得力のあるものにするためには、応募先企業の特徴や競合優位性、独自のサービスなどを詳しく調べ、それに基づいた具体的な理由を述べる必要があります。
6-2.意気込みだけで根拠がない
【NG例文】
「私は体力には自信があります。どんな困難な状況でも諦めずに頑張る気持ちがあります。」
「貴社で働くことで、いろいろなことに挑戦し、成長していきたいと思っています。」
「全力で取り組みますので、どうぞよろしくお願いします。」
意気込みだけで、具体的な実績や業務経験が記載されていません。そのため、応募者がどのように企業に貢献できるかが明確に伝わらず、説得力に欠けます。意欲を伝えることは重要ですが、それだけでは自分の魅力や能力を十分に伝えることはできません。
具体的な実績や経験を示し、それをどのように応募先企業で活かすかを述べることで、より信頼性と説得力のある志望動機となります。
6-3.辞めることが前提になっている
【NG例文】
「将来的には起業して自分の薬局を持ちたいと考えています。それまでの間、貴社で経験を積みたいと思っています。貴社で学んだことを基に、自分のビジネスに活かしていきたいと考えています。短い期間でも全力で働きますので、どうぞよろしくお願いします。」
将来的な起業を前提にしており、長期的に企業に貢献する意図がないことを示唆しています。企業は通常、長期的に貢献してくれる人材を求めているため、このような志望動機は良い印象を与えられません。応募者が自社の利益にどのように貢献するかを具体的に示し、長期的な視野での成長と貢献意欲を伝えることが重要です。
7.面接での志望動機の伝え方
面接では、書類選考を通過した後のチャンスを最大限に活かすため、志望動機をより説得力を持って伝えることが重要です。
7-1.志望動機を簡潔かつ印象的に伝える
志望動機は3分程度で話せるよう要約しておきましょう。もっとも伝えたいポイントを明確にし、具体例を交えて説明すると説得力が増します。また、自分の言葉で自然に話せるよう、事前によく練習をしておきましょう。
7-2.面接官の質問に柔軟に対応する準備
「なぜ当薬局を選んだか」や「前職との違い」などの質問に備え、明確な回答を用意しておきましょう。入社後のビジョンも具体的に伝えられると、あなたの熱意が伝わります。
7-3.調剤薬局の志望動機、面接でのポイント
面接直前に企業の最新情報を確認すれば、より的確な志望動機が伝えられるでしょう。また、表情や姿勢、声のトーンなどの非言語コミュニケーションも印象を左右します。質問されたときは、相手の意図をしっかり理解し、一方的に話すのではなく「対話」を心がけましょう。
薬局見学をした経験があれば、その際の印象や気づきに触れることで、あなたの観察力と熱意をアピールできます。準備をしっかり行い、自信を持って面接に臨めば、あなたの志望動機はきっと面接官の心に響くでしょう。
8.志望動機作成チェックリスト
調剤薬局へ転職する際の志望動機の作成で、忘れてはいけないポイントをチェックリストにしました。ぜひ参考にしてください。
8-1.基本チェック項目
以下4つの基本項目は、しっかりと記載しておきましょう。文章の長さや、誤字脱字についてもしっかりと確認してください。
- 志望先の調剤薬局の特徴や理念について具体的に触れているか
- 自分の経験やスキルを具体的なエピソードで示しているか
- 志望理由と自分の強みが論理的に繋がっているか
- 入社後のビジョンや貢献できる点が明確か
8-2.内容の深掘りチェック項目
先の基本項目だけの内容では、どの薬局にも通用するような、当たり障りのない文章になってしまう可能性があります。この薬局を志望した理由を明確にしましょう。以下のチェックポイントで、深みのある志望動機になっているかを確認してください。
- 「なぜ調剤薬局か」「なぜその薬局か」が明確か
- 単なる待遇面ではなく、仕事内容や環境面での志望理由があるか
- 自分の強みや経験が薬局にどう貢献できるかが具体的か
- 前向きで熱意のある表現を使っているか

- 下田コメント
志望動機では、「地域医療に貢献したい」といった業界選択理由と、「貴社の在宅医療への先進的取り組みに共感」など、特定の薬局を選んだ理由を明確に示しましょう。また、「前職での患者応対経験を活かし、服薬指導の質向上に貢献できる」といった具体的な強みの活かし方や、「患者さま一人ひとりに寄り添う薬剤師として成長したい」など、熱意ある表現で意欲を伝えることが重要です。
9.調剤薬局への志望動機の書き方で悩んだら転職エージェントに相談しよう
志望動機は、採用担当者にあなたの熱意と適性を伝える重要なポイントです。この記事を参考にして、自分自身の経験やスキルを最大限に活かせる志望動機を作成してみてください。
薬剤師専門の転職エージェント「アポプラス薬剤師」では、あなたのキャリアをサポートするアドバイスや情報提供を行っています。豊富な求人情報から最適な職場を見つけるお手伝いをし、転職活動をバックアップします。ひとりで転職活動を進めるのは難しいと感じたときは、転職を成功させるための強力なパートナーとして、ぜひ「アポプラス薬剤師」を利用してください。
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監修者

薬剤師・薬局経営コンサルタント 下田 篤男
京都大学薬学部総合薬学科卒業。 卒業後は調剤薬局やドラッグストアグループで薬剤師として勤務。 総合病院門前などで管理薬剤師として経験を積んだのち、マネージメント業務にも携わる。現在は薬剤師として働く傍ら、医療記事の執筆、編集や薬局経営コンサルタントとしても活動している。
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