薬局長になるには?知っておきたい管理薬剤師との仕事の違い
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こんにちは、薬剤師転職のアポプラス薬剤師ライターチームです。
経験を積んで、薬局長のポジションを目指したいという薬剤師の方もいるのではないでしょうか。薬局や店舗の責任者として働く薬局長の業務には、一般的な薬剤師の仕事に加えて、従業員の指導や医薬品の管理業務も含まれています。しかし、同様に薬局全体を管理し、職場を統括する管理薬剤師とは、どのように違うのでしょうか? そこで、薬局長の仕事内容や管理薬剤師との違いのほか、薬局長の目指し方や転職の際の注意点などについてご紹介します。
薬局長の仕事とは?
薬剤師の仕事内容は、働く薬局や店舗の規模、経営方針などによって少しずつ異なります。そうした施設の責任者として、運営・管理を担うのが薬局長の役割です。 薬局長の仕事は、大きく以下の3つに分けられます。
- ・管理業務(従業員の監督と医薬品の管理)
- ・医薬品の適正な使用のための情報提供業務
- ・その他、副作用などに関する情報収集および報告業務など
薬局長と管理薬剤師はどう違う?
薬局や店舗の責任者として働くという点で、薬局長は管理薬剤師と似ていると感じる方もいるのではないでしょうか。実際に「薬局の管理薬剤師=薬局長」となっている施設も多くありますが、規模の大きい薬局や店舗では、薬局長と管理薬剤師のポジションが分かれているところもあります。
薬局長と管理薬剤師の違いで確認しておきたいのは、法律よって配置が定められているかどうかです。管理薬剤師の場合、薬局や店舗、製薬会社などには必ず置かなければならない役職として、薬機法によって定められています。 その一方で、薬局長には法的な規定がありません。そのため、薬局長はそれぞれの職場に必ずしも存在する役職とは限らないのです。
薬局長の一日
管理職の薬局長であっても、基本的には職場の他の薬剤師と同じ業務を担います。 ここでは、薬局長の一日のスケジュールの例を、病院薬局と調剤薬局それぞれのケースに分けて見ていきましょう。
<病院薬局の場合>
午前
- ・8時30分~9時頃に出勤
- ・医師や看護師などの病棟チームでミーティング
- ・入院患者の薬を確認
- ・退院患者への服薬指導など
午後
- ・入院患者の持参薬の確認
- ・手術患者の術前休薬期間の確認
- ・病棟患者の服薬指導
- ・院内での情報共有
- ・日勤で残業なしの場合、17時頃退勤
- ※残業の有無は病院によって異なります。
<調剤薬局の場合>
午前
- ・8時30分~9時頃に出勤
- ・病院で診療を終えた患者の処方箋受付および調剤や服薬指導
- ・処方箋を持たない患者へのOTC医薬品に関する相談など
- ※通し営業の場合、昼休憩は薬剤師同士が交代で取るパターンが多い。
- ※営業時間が午前と午後で分かれている場合は、1~2時間の昼休憩を薬剤師や他の従業員が同時に取ります。
午後
- ・来局患者への対応
- ・在宅訪問を行っている場合、患者の自宅や施設へ訪問して服薬指導を行う
- ・在宅患者について、薬局内および医師や看護師、ケアマネジャーなどに情報共有
- ・閉局後、医薬品の在庫管理や薬歴を記録・確認
- ・店舗運営などに関するデータ整理や日報の作成 ・薬局内の片付けなどをして、19時頃に退勤
薬局長の年収
薬局長は管理職となるため、一般の薬剤師よりも高収入が期待できます。では、薬局長の年収はどれくらいなのでしょうか?薬局長の給与から年収を算出してみましょう(人事院「平成30年職種別民間給与実態調査」 )。
- ・決まって支給される給与(A):50万8,602円
- ・うち時間外手当(B):28,558円
- ・月給(A-B):48万44円
- ・うち通勤手当:14,606円
実質的な平均年収((月給-通勤手当)×12ヵ月):558万5,256円
残業代込みの平均年収((A-通勤手当)×12ヵ月):592万7,952円
この調査によると、薬局長の平均年齢は50.4歳で、年間賞与(ボーナス等)は統計に含まれていないため、実際の年収はさらに高くなるかもしれません。同調査での一般的な薬剤師の収入は、実質的な平均年収で388万7,340円、残業代込みの平均年収で430万4,196円なので、100万円以上の差があることがわかります。
薬局長になるには
薬局長になるために必要な国家資格や民間資格はありません。ただし、「管理薬剤師」となる場合は、病院や薬局など1ヵ所の施設で「1週間に実働40時間(1日8時間以上)」働いている必要があります。同様の管理職として業務を行う薬局長も、同等の要件を求められると考えたほうがいいでしょう。 こうした条件を踏まえて、「内部昇進」と「転職」それぞれの方法で薬局長を目指すポイントについて見ていきましょう。
実績を積んで内部昇進する
1ヵ所の薬局や病院で薬剤師としての経験を積み、内部昇進によって薬局長を目指します。一般的には、薬局長や管理薬剤師を目指すのであれば、3年以上の実務経験が必要とされています。 ただし、職場に年配の薬剤師が多い場合は、3年以上の実務経験を積んでも、なかなか職場の責任者に就けないというケースもあります。ある程度の経験を積んでも昇進が困難だと思ったら、転職も検討してみましょう。
転職を機に薬局長になる
通常の薬剤師が、転職によって薬局長や管理薬剤師へのキャリアアップを目指すことも可能です。薬局や店舗には、薬局長や管理薬剤師のポジションを募集している施設もあります。 転職で責任者のポジションを目指す場合も、内部昇進と同様に、3年以上の実務経験が求められるケースが多いようです。必要となる実務経験の年数など、応募条件を確認してみましょう。
薬剤師のスキルアップに役立つ資格を取得する
薬局長や管理薬剤師になるにあたって、資格取得が条件となることはありません。しかし、転職を有利に進めたり、スキルアップやキャリアアップをしたりするためにも、取得しておきたい資格や認定はあります。 ここでは、薬剤師としてのスキルアップにおすすめの認定制度や資格についてご紹介します。
・認定実務実習指導薬剤師
認定実務実習指導薬剤師 は、6年制薬学教育制度下の薬学生が受ける医療現場での実務実習で、学生に対して指導業務を担うことができる薬剤師の認定制度です。認定を取得するにあたって、試験や論文はありません。「薬剤師としての実務経験が5年以上」「勤務継続3年以上」といった条件を満たし、ワークショップと講習会の研修を修了すれば認定を受けることができます。薬局長は、他の薬剤師を統括しながら指導業務にあたることもあるため、こうした認定制度は役立てられるでしょう。
・NR・サプリメントアドバイザー
専門的な観点から個人の栄養状態を評価し、保健機能食品やサプリメントについて適切なアドバイスを提供することができるのがNR・サプリメントアドバイザーの認定です。 認定試験を受けるためには、日本臨床栄養協会へ入会し、通信教育の受講や日本臨床栄養協会学術大会への参加を通して、所定の研修単位を取得する必要があります。その後、年1回実施される認定試験を受けて合格すれば、認定証と認定カードが授与さます。ただし、この認定は有効期限が5年間と決められているため、5年ごとの単位取得やレポート提出などの必要があります。 保健機能食品やサプリメントは新しく開発・発売されるものも多く、薬局や店舗で取り扱う場合には取得しておくのがおすすめの認定といえるでしょう。
薬局長へ転職する際の注意点
転職によって薬局長を目指す場合、いくつかの注意点があります。ここでは、転職で薬局長や管理薬剤師のポジションを目指す場合の注意点を見ていきましょう。
労働条件をよく確認する
転職先の施設や業務内容によっては、薬局長や管理薬剤師は管理職扱いとなるため、「時間外労働手当の有無」は必ず確認しましょう。管理職では役職手当が支給される代わりに、残業代が出ない職場もあるためです。
薬局長に求められる資質・心構えを理解する
薬局長という役職には、勤務する薬局や店舗の運営・発展に責任を持つ役割があります。従来の薬剤師としての業務をこなしながら、医薬品の管理や従業員の監督なども行い、施設全体を管理する資質が求められます。 他の薬剤師や従業員を指導・教育するにあたっては、日々のコミュニケーションによって信頼関係を構築しなくてはなりません。薬局や店舗の利用者への対応力はもちろん、他の従業員とのコミュニケーションスキルも磨いて、スムーズに連携できるようにしましょう。
薬局長として働くことでキャリアアップできる
責任の大きい薬局長や管理薬剤師としての経験を積むことは、薬剤師としてのキャリアアップにもなります。責任者として働いた経験があることで、さらに将来の転職に際しても強い武器になるでしょう。 アポプラス薬剤師では、調剤薬局やドラッグストアの管理薬剤師の求人も取り扱っています。専任のコンサルタントが転職のサポートを行いますので、転職して薬局長や管理薬剤師のポジションを目指したいという方は、ぜひご相談ください。
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