製薬会社の志望動機の書き方は?ポイントと注意点を解説
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製薬会社は多くの薬剤師にとって魅力的な転職先ですが、志望動機の書き方に迷う方は少なくありません。特に、自分の経験やスキルのアピールの仕方、その会社を選んだ理由の書き方に悩むこともあるでしょう。
そこで今回は、製薬会社への応募時における志望動機の書き方のポイントと注意点をわかりやすく解説します。自分の言葉で、あなたの意欲と適性をうまく伝える方法を探りましょう。
目次
製薬会社の志望動機の書き方は?ポイントと注意点を解説
1. 製薬会社とは?志望動機を書く前の準備
製薬会社の志望動機を書く前に、製薬会社と医薬品業界について理解を深める必要があります。ここでは、製薬会社について、以下の3つの観点から解説します。
- ・製薬会社とは
- ・製薬会社の将来性は?
- ・製薬会社の職種は?
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
1-1. 製薬会社とは
製薬会社は、医薬品の研究・開発・製造・販売を行う企業のことです。医薬品と医療は、社会がどのような状況にあっても不可欠で、需要の変動が急激に起こることはあまりないと言えます。そのため、他の業界に比べて景気の影響を受けにくく、安定性を求める場合に、製薬会社は転職先としておすすめです。
1-2. 製薬会社の将来性は?
現在は高齢化社会が進んでいることもあり、疾患の治療や予防のための新薬開発は今後もニーズが高まると予想されます。
また、バイオテクノロジーの進化など、新しい科学技術の応用が期待される分野も多数あり、新興国における市場拡大も見込まれるため、製薬会社にはグローバルな事業展開のチャンスが広がっています。
これらのことから、製薬会社の将来性は高いと言えるでしょう。
1-3. 製薬会社の職種は?
製薬会社における職種は多岐にわたります。
研究開発部門では、生物や化学の観点から新薬の開発を行う研究職が、製造部門では、製造プロセスの管理や品質保証を担当する専門職があります。その他にも、販売・マーケティング部門では、製品の販売戦略を立案する企画職や、医師への情報提供を行ったりするMR(医薬情報担当者)といった職種があります。
また、経営・法務・人事などの管理職もあり、文系・理系のバックグラウンドを問わず、多くの分野で専門的なスキルと知識が求められる業界です。
このように、製薬会社の職種は、どの部署で勤務するかによって業務内容も身につけられるスキルも大きく異なるという特徴があります。
2. 製薬会社の志望動機の書き方3ステップ
製薬会社の志望動機を書くときは、以下の3つのステップで進めましょう。
- ・製薬会社を志望した理由を挙げる
- ・自分の強みやアピールポイントを挙げる
- ・志望理由と自己PRを掛け合わせる
それぞれについて詳しく解説します。
2-1. 製薬会社を志望した理由を挙げる
製薬会社の志望動機を書くときの1ステップ目は、その製薬会社を志望した理由を挙げることです。会社の提唱するコーポレートスローガンや業務の内容を理解し、他の企業との相違点や惹きつけられる部分を考察する必要があります。
例えば、経営層や会社の沿革などから企業ごとの特性や長所を探ると、「その会社がなぜ自分にとって魅了的なのか」に気づくことができます。
また、企業の特性を知った上で、就職後に自分がどう活躍できるか、どのようなキャリアを築いていくかをイメージしておくことも大切です。
2-2. 自分の強みやアピールポイントを挙げる
製薬会社の志望動機を書くときの2ステップ目は、自分の強みやアピールポイントを挙げることです。アピールポイントの例には、以前の業界経験で得た専門スキルや、人々の健康に貢献したいという情熱、薬学や医学に対する深い知識などがあります。
強みやアピールポイントを効果的に伝えることで、企業に自分の価値を理解してもらいやすくなるでしょう。
2-3. 志望理由と自己PRを掛け合わせる
製薬会社への志望動機を書くときの3ステップ目では、「志望理由」と「アピールポイント」を掛け合わせて、全体の内容を整理していきます。
この段階では、自分が製薬会社に何を求め、何に興味を持っているのかを明確にし(志望理由)、自分のスキルや経験がその会社とどう関連しているのか(アピールポイント)を強調していくことが大切です。
2つの要素を融合させて、自分がその職場でどのように価値を提供できるのかを具体的に書いていきましょう。このプロセスを経ることで、説得力のある応募内容を作り上げることができます。
3. 製薬会社の職種別の志望動機の例文
製薬会社の志望動機を書くときには、例文を見ると参考になります。ここでは、以下の職種別に、志望動機の例文を紹介していきます。
- ・営業・販売職
- ・研究職
- ・開発職
- ・製造職
- ・薬事職
- ・事務職
それぞれの例文を、詳しく見ていきましょう。
3-1. 営業・販売職
【例文】
私が貴社に興味を持った理由は、他の会社と比べてMRの成長を支援する体制が整っていると感じたためです。MRは医師や医療従事者とのコミュニケーションは必須で、多岐にわたる医療知識が求められます。
また、医薬品の効果と副作用の正確な情報を医師や医療従事者に提供する責任も担っているため、個人の成長が欠かせません。貴社の研修やサポート体制は充実しており、全国でトップの製薬企業として、人命を救う使命を果たしていると認識しています。
私もこの素晴らしいチームの一員となり、正確な医療情報の提供に貢献したいと強く思うようになり、貴社を志望しました。
【ポイント】
製薬企業において、MR職は重要な役割を果たしています。志望する企業のMRとして働く理由が明確であると、良い印象を与えることができます。そのため、単にその職業に興味を持っているだけでなく、志望する企業で、なぜその役割を果たしたいのかをアピールすることが大切です。
3-2. 研究職
【例文】
私は「先駆的な医薬品を開発し続け、医療の未来と人々の健康に貢献する」という貴社の目標に感銘を受けました。治療法が見つからないことで悩んでいる人々への支援をしたく、貴社の一員としての役割を果たしたいと切に願い、志望しました。
私には、親しい友人が治療の難しい疾患で亡くなった経験があります。そのときに、未だ効果的な薬の開発が進んでいない現実を痛感しました。貴社への入社が実現した際には、友人と同じように病気で悩む人々を少しでも多く救いたいという気持ちを持ちながら、業務にあたりたいと考えています。
【ポイント】
この例文のポイントは、企業の目標と個人の価値観・経験が直接結びついていることです。また、自分の体験エピソードを加えることによって、研究職を志望している根拠に、深い説得力を与えています。
3-3. 開発職
【例文】
貴社への転職を志望する理由は、人々の健康への願いと、新薬開発に対する強い意欲があるからです。特に、貴社が新薬開発の分野で顕著な成功を収めていること、そしてそれが私の専門分野とも合致しているため、貴社への転職を強く希望しています。
私が薬学に携わるようになったきっかけは、母親が長い間、〇〇の疾患で苦しんでいた経験にあります。病気で苦しんでいる人の痛みを少しでも軽減したいという思いで、継続的に学び、研究を重ねてきました。
新薬の開発に携わり、効果的な治療法を追求するのは、私にとって使命を感じるものです。転職して入社した際には、これまでの経験と強い知的な興味を活かし、貴社の業績向上に尽力したいと思っています。
【ポイント】
この例文では、母親の疾患という個人的な経験を挙げることで、薬の開発への関心が単なる興味でなく、経験から得たものであるとわかります。また、自分のエピソードと開発職への情熱、専門性、使命感などを組み合わせることで、製薬会社に入社したいという志望動機に説得力を持たせています。
3-4. 製造職
【例文】
私が貴社に関心を持った理由は、厳格な衛生管理と薬品の高い品質にあります。最近では多くの衛生問題が取り沙汰されていますが、貴社の製造プロセスにおける管理技術は他社に比べて卓越していると感じています。
新しい医薬品の研究・開発における情熱、そして高い品質で製造し、苦しむ人々に届けることに使命感を覚えます。貴社が多岐にわたって新薬を世界に向けて展開している様子は、日本の企業として特に誇らしいと感じており、私自身もその一環として精一杯努力したいと考えています。
【ポイント】
製造の仕事における喜びを効果的に表した志望動機です。薬の品質に関連する重要な役割を果たす製造職として、製薬会社は最終的な責任を果たす人材を求めています。製造職には志望動機を作るのが難しい側面もありますが、人々の健康を助けたいという高い目標を前面に出すとよいでしょう。
3-5. 薬事職
【例文】
私が貴社に興味を持った理由は、製薬における品質管理で、責任感が強いという私の強みを活かせると感じたためです。調剤薬局で働く中で、処方箋に基づいて正確に薬を調剤するために必要な集中力と責任感を養いました。
調剤ミスは患者様の健康に直接影響を及ぼす可能性があるため、細部に至るまで注意深く作業を進めなければなりません。具体的には、同じ成分の薬でも、用量が少し違うだけで治療効果が変わってくる場合があるため、責任感を持って作業する必要があります。
貴社に勤務できた際には、前職で養った責任感を活かし、医薬品やサプリメントが安全に顧客に提供されるように支援していく所存です。将来的には、貴社のさらなる成長を助ける役割を果たせるよう、目の前の業務に全力で取り組み、実績を積み上げていきたいと考えています。
【ポイント】
製薬会社の薬事職を志望するときの志望動機では、法規制に対する理解と関心を強調しましょう。また、薬事職では、集中力と責任感、チームでのコミュニケーション能力も重要です。加えて、会社の製品や理念への共感、社会貢献への意欲も表現するとよいでしょう。具体的なスキルや経験、専門知識があればそれもアピールし、会社にどう貢献できるかを明示するのがポイントです。
3-6. 事務職
【例文】
以前の職場では薬局で事務職に従事していました。多岐にわたる医薬品の事務作業に関わっているうちに、医薬品や医療機器の生産プロセスを直接サポートする製薬会社の事務業務に従事することへの興味が強まり、貴社への応募を決意しました。
貴社は、研究開発から営業、事務サポートに至るまで、社内のコミュニケーションが活発で、病気で悩む人々へ質の高い医薬品を提供したいという真剣な思いがあると感じています。そのような企業文化に感銘を受け、私も貴社の一員として活躍したいと願っています。
【ポイント】
製薬会社の事務職では、一般的な事務職のスキルに加え、製薬業界特有の特色や価値観に対する理解と共感が求められます。これまでの経験から、自分がどういう価値を企業に提供できるのかを具体的に示すことが重要です。
4. 製薬会社の志望動機を書くときの注意点
製薬会社の志望動機を書くときには、以下の3つの点に注意しましょう。
- ・自分の要望を軸にした書き方は避ける
- ・曖昧な書き方はしない
- ・条件や待遇面だけを志望動機にしない
それぞれのポイントを、詳しく解説していきます。
4-1. 自分の要望を軸にした書き方は避ける
製薬会社の志望動機を書くときは、自分の要望を軸にした書き方は避けましょう。志望動機で「スキルアップしたい」「知識を深めたい」とだけ伝えるのはNGです。成長したいと思う気持ちは重要ですが、企業はあなたの成長をサポートするために存在しているわけではありません。
企業が期待しているのは、社員が自社の成長に貢献し、事業が拡大することです。自分が成長したいなどの意図を表現するときには、「業務を通じて成長し、習得したスキルを仕事に応用して組織に貢献したい」という、企業とあなたの双方にメリットがある形で表現することをおすすめします。
4-2. 曖昧な書き方はしない
曖昧な書き方はしないことも、製薬会社の志望動機を書くときに注意したい点です。「会社の理念に感銘を受けた」「薬剤師として社会貢献したい」といった表現だけを書くのも、抽象的で説得力がありません。
一見、どの製薬会社への志望動機でも適用できるため便利に見えるかもしれませんが、曖昧な書き方では、特定の製薬会社に対する熱意が伝わらない可能性があります。企業のどの部分に感銘を受けたのか、どのような業務で社会貢献したいのかといった部分まで深く掘り下げて書くことが大切です。
4-3. 条件や待遇面だけを志望動機にしない
製薬会社の志望動機を書くときには、 条件や待遇面だけを志望動機にしないよう注意しましょう。「給料が高いこと」や「福利厚生が手厚いこと」などという理由は、一見正当な志望の理由に見えるかもしれません。しかし、採用者にとっては、待遇が良ければどこの企業でも構わないと受け取られかねません。
将来的により良い条件の企業があれば、辞めてしまうのではないかと疑念を抱かれる恐れもあります。待遇面が志望動機だった場合は、「達成した成果を重視する貴社の社風に魅力を感じる」など、志望する企業を選んだ理由がわかるような書き方をおすすめします。
5. 採用者に好感を与える志望動機を書いて転職を成功させよう
製薬会社への志望動機を書くときには、自分のスキルと企業のニーズがマッチするかが重要です。転職活動をする中で不安や疑問を感じたときには、転職エージェントの活用を視野に入れてみてはいかがでしょうか。
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アポプラス薬剤師編集部
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