薬剤師の時給相場は?パート薬剤師の月収シミュレーションと給料アップの方法も解説
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新しい職場を探すときには、勤務場所や業務内容などの条件を詳しく見る必要がありますが、しっかり確認しておきたいのは「時給」です。塵も積もれば山となると言うように、時給が100円でも違うと月収・年収にも大きな差が出てきます。
「薬剤師の時給の相場はいくら?」「薬剤師のパート勤務だと、月収はいくらになるの?」と、職探しをする中で疑問が湧いてくる人もいるでしょう。
そこで今回の記事では、薬剤師の時給相場を職場別に解説していきます。また、扶養や時給で働くメリット・デメリット、給料を上げる方法も紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。
目次
薬剤師の時給相場は?パート薬剤師の月収シミュレーションと給料アップの方法も解説
1. 薬剤師の時給はいくらが相場?!
薬剤師の時給は、相場はいくらで月収にするとどのくらい稼げるのでしょうか。ここでは、薬剤師の平均時給と月収のシミュレーションを紹介します。
1-1. 薬剤師の平均時給
パート薬剤師の全国平均時給は2,200円程度です。しかし、薬剤師の時給には地域差があり、地方では時給2,500円と高めの設定をしていることも少なくありません。
これには、地方の薬剤師不足が関係しています。社会全体では地方よりも都市部のほうが給与は高い傾向にありますが、薬剤師は事情が異なります。
薬剤師の年収を都道府県別にランキングすると、山口県・福島県・宮城県が上位3位にランクインし、東京都や大阪府は40位前後に位置しています。薬剤師不足が深刻な地方ほど、高時給で募集を出しているケースが多く、薬剤師の時給は地域によって異なります。
薬剤師の年収について、他職種、都道府県、業種別と様々な形でランキング付けしてご紹介!
1-2. 働き方別!月収・年収をシミュレーション
時給制で働いた場合、月収や年収にするといくらになるのか気になる人もいるでしょう。下表は、3つの勤務パターンから月収と年収をシミュレーションしたものです。
- 勤務パターン
- 月収
- 年収
- 1日8時間×週5日
- 352,000円
- 約422万円
- 1日8時間×週3日
- 211,200円
- 約253万円
- 1日5時間×週3日
- 132,000円
- 約158万円
※平均時給2,200円、年収は月収の12か月分で算出
1日8時間で週5日勤務の場合は、残業のない週休2日制の正社員と同程度の労働時間です。9時〜18時などの時間帯が多いでしょう。しっかり働いて収入を得たいときに向く働き方です。
1日8時間で週3日勤務の場合は、プライベートの時間を確保しやすい勤務パターンだと言えます。育児や介護をしながら、薬剤師として仕事もしたいという方に向く働き方でしょう。
1日5時間で週3日勤務の場合は、1日の勤務時間が短いため、子どもが幼稚園生や小学生などでまだ長時間は働けず、育児と仕事を両立させたい人などに向いています。また、離職してから数年経っており、社会に出るのが久しぶりだという場合でも、無理なく働けるでしょう。
2. 職場別!薬剤師の時給はいくら?
薬剤師の求人は、ドラッグストア・調剤薬局・病院・製薬会社と、いくつかの職場があります。それぞれ業務内容が違うため、どの職場を選ぶかは重要な選択です。ここでは、実際の求人掲載を基に薬剤師の職場別の例を挙げ、時給・業務内容・勤務条件を紹介していきます。
2-1. ドラッグストア
アポプラス薬剤師の求人の中から、ドラッグストアのパート勤務の例を紹介します。
- 時給
- 2,600円
- 業務内容
- 調剤業務,OTC販売業務全般
- 勤務条件
- 勤務日数:相談可能
勤務時間:相談可能
ドラッグストアのパート業務は、調剤業務に加えて、レジ打ち日用品・化粧品などの販売、OTC医薬品の販売と健康相談などを行います。調剤薬局よりも規模が大きく、従業員数が多い店舗もみられます。
上記のように、プライベートの予定にあわせて、勤務時間帯を選べるドラッグストアもあります。ドラッグストア勤務は、他の職種と比べると時給が高い傾向にあり、勤務する時間帯によっては時給アップも狙える職場です。
2-2. 調剤薬局
アポプラス薬剤師の求人の中から、調剤薬局のパート勤務の例を紹介します。
- 時給
- 2,000円~2,300円
- 業務内容
- 調剤業務,監査,服薬指導など、その他調剤薬局での一連の業務
- 勤務条件
- 勤務日数:相談可能
勤務時間:相談可能
調剤薬局のパート勤務は、調剤業務や服薬指導が主な業務内容です。上記のように勤務する時間や曜日を相談できる職場も多く見られるため、プライベートと両立させやすいでしょう。
調剤薬局は、ドラッグストアよりも患者様とコミュニケーションを取る機会が多いため、やりがいを感じる人も多くいます。短時間勤務でも、地域に根ざした医療に携わりながら薬剤師として働けるのは、調剤薬局の大きな魅力です。
2-3. 病院
アポプラス薬剤師の求人の中から、病院のパート勤務の例を紹介します。
- 時給
- 2,000円~2,500円
- 業務内容
- 病院内での薬剤師業務
- 勤務条件
- 勤務日数:週1~2日
勤務時間:8:30~17:30
病院薬剤師のパート勤務は、入院や外来患者への調剤と服薬指導、病棟での業務を行います。調剤薬局やドラッグストアほど、求人数は多くありません。
病院の開院時間内で働くため、勤務時間が固定されていることが多いでしょう。薬剤師として医師・看護師などの医療スタッフと連携しながら業務を行えるため、やりがいを感じられるのも魅力です。
2-4. 製薬会社
アポプラス薬剤師の求人の中から、製薬会社のパートの例を紹介します。
- 時給
- 2,000円~2,100円
- 業務内容
- 見積もりのチェック,問い合わせ対応,保健所の届出,薬機法の確認
- 勤務条件
- 勤務日数:週5日
勤務時間:9:00〜17:00の間で希望に応じてシフト制
上記は、医療品や医薬部外品、化粧品などを扱う企業で、パートの薬剤師を募集している例です。業務内容は見積もりのチェックや問い合わせ対応など、事務系の仕事であることが分かります。
保健所への届け出や薬機法の確認といった、薬剤師の専門知識を活かせるのが特徴です。しかし、上記のような求人はとても希少で、全国、どこにでもあるとは限りません。
調剤薬局やドラッグストアのように、多くの選択肢からは選べないことを理解しておきましょう。通勤圏内に製薬会社のパート勤務の求人があったら、幸運だと言っても過言ではありません。
3. 薬剤師が時給で働くときに知っておきたい扶養について
パート勤務で働くときには、扶養内で働くべきかどうか悩む人もいるでしょう。ここでは、薬剤師が時給で働くときに知っておきたい扶養や控除についての基礎知識を解説します。
3-1. 扶養内で働くとは?
扶養内で働くというのは、「扶養控除が受けられる範囲内で働く」ことを意味します。扶養控除には、税制上の控除と社会保険上の控除の2つがあります。
税制上の控除とは、所得税と住民税が控除されるという税制面での優遇のことを言います。そして社会保険上の控除とは、一定の限度額の収入である扶養家族は、条件を満たせば、健康保険料を支払わずに健康保険に加入できることを指します。
税制面でのメリットは大きいため、短時間勤務では控除を受けられる額以下に収入額を抑えている人も少なくありません。
3-2. 扶養内と扶養外の区切り目は?
扶養内で働くときには、区切り目と言われる年収ラインがあります。103万円の壁・106万円の壁・130万円の壁・150万円の壁・201.6万円の壁の5つです。
【103万円の壁】 年収が103万円以下であれば、所得税がかかりません。もし給与収入が103万円を超えると、オーバーした分に対して所得税を収めなければなりません。手取り額が減ってしまう可能性があるため、注意が必要です。
【106万円の壁】 年収が106万円を超え一定の条件を満たすと、社会保険料(厚生年金保険料、健康保険料、雇用保険料)は、パートで稼いでいる本人が負担しなければなりません。例えば、夫(妻)の勤務先の社会保険の扶養に入っているパート勤務者は、扶養から外れます。社会保険料の負担目安は15〜20万円前後です。
【130万円の壁】 社会保険については、106万円の壁の次に130万円の壁というのがあります。年収が130万円を超えると社会保険の扶養からは外れ、社会保険に加入しなければなりません。年金保険料・健康保険料は自分の収入から支払うことになります。
【150万円の壁】 150万円の壁とは、年収150万円を超えると所得税の税率が上昇するため、給与が減ってしまう現象のことを指します。ただし扶養者の収入が900万円を超えると、扶養控除の最大額である38万円は控除されません。
【201.6万円の壁】 年収201.6万円を超えると配偶者控除が受けられなくなります。社会保険料や税金の負担は大きくなりますが、妻(夫)の年収が200万円を超えるほど働けるのであれば、結果的に夫婦の手取り収入は増えていくでしょう。
4. 薬剤師が時給で働くメリットとデメリット
時給制のパートで働くメリットは何でしょうか。また、デメリットもきちんと理解してから就業先を選びたいものです。ここでは、薬剤師が時給で働くメリットとデメリットを解説します。
4-1. メリット
パート勤務は、フルタイムで働くよりも就業時間が短いため、家事や育児、介護などプライベートとのバランスがとりやすいのが最大のメリットです。
大抵の場合、パート勤務は就業先の薬局やドラッグストアから転勤や異動はないため、自宅の近くで働きたい人にも向いています。シフト制などで、希望に応じて働く時間を調整できる職場もあるため、仕事のしすぎでストレスが溜まるといった状況も避けられるでしょう。
そしてパート勤務とはいえ、薬剤師免許を持つ薬剤師として業務を行うため、やりがいを感じる人も多くいます。患者様とコミュニケーションを取りながら調剤や服薬指導を行うことは、薬剤師としてのキャリアを途絶えさせることなく、仕事を続けていけるでしょう。
また、家事や育児などと兼業していて忙しいパート薬剤師も多く見られます。プライベートと仕事を両立していると、タイムマネジメント能力や効率的に複数の物事を処理する力が身に付くでしょう。
4-2. デメリット
正社員の薬剤師に比べると業務の幅が狭まるため、着実に経験を積んでキャリアアップにつなげたいときに、パート勤務は不向きだと言えます。パートタイマーは短時間労働者である以上、管理職的な立場に就くことは基本的にありません。
また、ボーナスや退職金がなく、正社員よりも年収が低い傾向にあるため、仕事に対するモチベーションが上がらないという人もいるでしょう。一般的には、福利厚生も正社員のほうが充実しています。
資格を持つ薬剤師として、正社員と同じように服薬指導、調剤業務をしていたとしても、給与や待遇には差が出ることも少なくありません。待遇面で不満を感じたときには、正社員の職に変えるなど、転職も視野に入れるとよいでしょう。
5. 時給で働く薬剤師が給料を上げる4つの方法
薬剤師は患者様の健康に関わる職業であることを考えると、給料が安いと感じて不満を覚える人もいるでしょう。高収入を狙うなら、時給アップを目指しましょう。時給を上げるには、以下の4つの方法があります。
- 時給が高い時間や曜日に働く
- 需要が高い地域で働く
- 時給の高い職種に転職する
- 時給交渉に役立つスキルを積む
5-1. 時給が高い時間や曜日に働く
給料アップを目指すには、時給が高くなる土日祝日に勤務をする、深夜勤務などの時間帯に働くという方法があります。パートやアルバイト勤務者には、22時から翌朝5時までは割増賃金が支払われることが労働基準法で定められています。
このとき選ぶべき職場は、調剤併設型のドラッグストアです。調剤併設型のドラッグストアは、土日も稼働して24時間営業しているといった店舗が多く見られます。
なお、数は多くありませんが、夜勤パートを受け入れている病院もあります。高い時給を目指すなら、希少な病院の夜勤パートの求人が出るのを待つのも方法の1つです。ただし、深夜勤務はプライベートとの両立が成り立ちにくいことも理解しておきましょう。
5-2. 需要が高い地域で働く
広いエリアから勤務先を選べるなら、薬剤師の需要が高い地域で働くのもおすすめです。前述した通り、薬剤師の時給には地域差があります。都市部よりも人手不足がみられる地方で、時給の高い職場を探してみましょう。
また、地方には大手チェーンよりも中小企業や個人経営の薬局が多くあります。個人経営の薬局は大手企業よりも就業条件の融通が利きやすいため、時給アップの交渉をしてみるのも方法の1つです。
5-3. 時給の高い職種に転職する
薬剤師は職種によって時給が違うこともあるため、給料アップを目指すなら、時給の高い職場に転職するのもおすすめです。一般的に、病院や調剤薬局よりもドラッグストアは時給が高い傾向にあります。
また、パートやアルバイトよりも派遣社員の時給の方が高い傾向にあるため、派遣社員になるという方法もおすすめです。
ただし、派遣社員は契約期間が定められていることが多く、長期勤務ができないこともあります。短期間で職場や診療科目が変わっても、ストレスを感じにくい人に向く働き方だと言えるでしょう。
5-4. 時給交渉に役立つスキルを積む
給料アップを目指すなら、時給交渉に役立つスキルを積んでおくことをおすすめします。パートで勤務しながら、最新の薬学・医学の知識を得たり、資格を取得したりするのもよいでしょう。
認定薬剤師や専門薬剤師などの資格を持っている場合は、積極的にアピールしましょう。貴重な人材だと認識され、時給アップの交渉が有利に進むかもしれません。
転職の面接時に時給交渉をするときには、これまで経験した業務や経験のある診療科をアピールすることも大切です。あなたの経験と新しい職場の業務が近ければ、即戦力と見込まれて、時給が上がる可能性もあるでしょう。
時給交渉には、交渉のテクニックも重要です。まず、雇用主の意向を掴んだうえで、自分の主張をうまく伝えていかなければなりません。自分が持っている経験やスキルを基に、希望する時給は適正だと自信を持ってアピールします。
このとき、客観的な判断材料となる情報を準備しておくことも有効です。勤務先と類似の求人情報で時給が高いケースを探して、交渉に役立てましょう。
6. 薬剤師が高時給を狙うなら転職エージェントに登録しよう
パート薬剤師の時給は、2,200円が全国平均です。年収アップを目指すなら、現在の職場で時給の交渉をするという方法もありますが、転職して時給を上げることも検討してみてはいかがでしょうか。
転職エージェントは、状況次第ではあなたに代わって職場で時給交渉を行うことも可能です。転職エージェントを選ぶときは、薬剤師に特化しているところを選びましょう。薬剤師の求人のみに絞られており多くの求人情報を揃えているため、職種や勤務地に適した求人が見つかりやすいというメリットがあります。
また、転職エージェントは面接に関するアドバイスなど、あなたの転職活動のサポートも行ってくれます。転職エージェントに登録して、希望に近い職場への転職を成功させましょう。
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アポプラス薬剤師編集部
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