病院薬剤師の年収はいくら?職場別の給料と年収アップの方法
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病院薬剤師として働きながら、将来のキャリアや収入について不安を感じる薬剤師は少なくありません。病院薬剤師の仕事はやりがいがあり、患者さまの健康をサポートする重要な役割がありますが、給与面などさまざまな不満を抱えることがあるでしょう。
そこで、本記事では病院薬剤師の年収について、職場別の違いや年収アップを目指すための具体的な方法を解説します。
目次
1. 病院薬剤師の年収は? 他の医療従事者と比較
中央社会保険医療協議会の調べによると、病院薬剤師の平均年収は、約550万円です。病院には、薬剤師だけでなく医師や看護師、検査技師といった他の医療従事者もいます。他の医療従事者と比較した表が以下です。
職種 | 平均月収 | 平均年収 ※賞与を含む |
---|---|---|
医師 | 約123万円 | 約1,541万円 |
歯科医師 | 約51万円 | 約646万円 |
病院薬剤師 | 約36万円 | 約550万円 |
看護師 | 約32万円 | 約462万円 |
診療放射線技師 | 約33万円 | 約484万円 |
臨床検査技師 | 約29万円 | 約420万円 |
理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、視能訓練士 | 約28万円 | 約398万円 |
関連記事:薬剤師の平均年収はいくら?都道府県別から業種別まで詳しく解説!
出典:第23回医療経済実態調査 (医療機関等調査) 報告|中央社会保険医療協議会
2. 病院薬剤師の職場別の年収
病院薬剤師は、職場によって年収が異なるケースが多くみられます。ここでは、病院薬剤師を以下の3つにわけて、それぞれの年収について詳しく解説します。
- 国立病院
- 公立病院
- 民間病院
2-1. 国立病院
中央社会保険医療協議会のおこなった調査によると、国立病院の薬剤師の平均年収は約570万円です。国立病院の薬剤師は、給与規定によって給与額が定められているため、どこの病院でも給与が同額になるのが特徴です。
2-2. 公立病院
中央社会保険医療協議会の同調査によると、公立病院の平均年収は、約590万円です。国公立病院は安定性が大きな利点です。公務員としての薬剤師は、基本的には病院の事情で解雇されることはなく、本人の希望により定年まで勤務が可能です。加えて、福利厚生や各種手当、残業代も整っているため、長期間にわたって安定して働きたい方には、理想的な職場環境と言えるでしょう。
2-3. 民間病院
同じく中央社会保険医療協議会の結果によると、民間病院の平均年収は約550万円です。勤務先の病院によりますが、民間病院は、定期昇給の規定が必ずしも確立していないため注意が必要です。
国公立病院では毎年一定の昇給が見込まれますが、民間病院では昇給の額に明確な基準はなく、確実に給与アップがおこなわれるかわかりません。実際、昇給の機会がまったくない病院もあります。
そのため、初期の段階では民間病院の給与のほうが高いものの、30代以降では逆転し、国公立病院のほうが高くなるといったケースもあります。
また、ボーナスや退職金についても病院によって差異があります。病院の経営状態などの影響を受けるためです。
3. 病院薬剤師の年収が低い理由
病院薬剤師の年収が低い理由には、以下の2つがあります。
- 病院は非営利が前提のため給与があがりにくい
- 病院内の人件費削減対象になりやすい
それぞれの理由について、詳しく解説していきます。
3-1. 病院は非営利が前提のため給与があがりにくい
病院や医療法人は非営利を前提としているため、病院薬剤師の給与アップは見込めないというのが理由の1つです。医療法の規定により、病院は利益追求を主な目的とはできないため、業績の向上が直接的に従業員の給与へ反映されるわけではありません。
さらに、国は利益追求を目的とする病院の設立を許可しないことがあります。雇用契約に基づく昇給はありますが、急激な収入の増加や賞与の大幅な増額は期待できないでしょう。
3-2. 病院内の人件費削減対象になりやすい
医師や看護師に比べ、薬剤師は人件費削減の対象になりやすいのも、病院薬剤師の年収が低い理由の1つです。診療や治療をするには、医師や看護師の存在は欠かせません。また、病院によっては医師や看護師の人材不足が深刻化しているため、高い給与など待遇をよくして、人材を確保する必要があります。
一方で、病院薬剤師は新卒にとってやりがいのある仕事として人気があり、高い給与を提示しなくても人材が集まりやすいと言われています。このような背景から、医師や看護師と比べて病院薬剤師は人件費の削減の対象となりやすく、結果として給与が低く設定されやすいと言えます。
4. 病院薬剤師が年収アップする4つの方法
病院で働く薬剤師が年収をあげるには、主に以下の4つの方法があります。
- 資格を取得する
- キャリアアップを目指す
- 国立や公立病院に転職する
- 地方の病院に転職する
以下ではそれぞれ解説していきます。
4-1. 資格を取得する
病院薬剤師が年収アップする方法の1つ目は、資格を取得することです。認定薬剤師や専門薬剤師といった資格は、資格があることで特定の業務や役職に就くチャンスが増え、キャリアアップへの道が広がります。とくに、がん、感染症、緩和ケアの分野における認定薬剤師・専門薬剤師は、病院での活躍の場が多く、おすすめできる資格です。
例えば、感染症領域の資格(感染制御認定薬剤師/感染制御専門薬剤師)があれば、病院内で「ICT」と呼ばれる感染対策チームの一員として、病院全体の感染対策に取り組むことができます。
取得の流れとしては、認定薬剤師からスタートし、その後、専門薬剤師を目指すのが一般的です。資格取得には、必要な研修単位の取得や症例の経験、さらには試験に合格する必要があるため、事前に準備して計画的に勉強する必要があるでしょう。
4-2. キャリアアップを目指す
病院薬剤師が年収アップする方法の2つ目は、キャリアアップを目指すことです。例えば、薬剤部長、薬剤部副部長、または主任薬剤師といった管理職への昇進を目指しましょう。
病院の大きさにもよりますが、管理職手当がついて数万円の給料アップを期待できます。勤務年数や実務経験、そして病院の経営状態などのさまざまな要因によって異なりますが、薬剤部長に昇進すれば、高収入を目指すことも可能です。
4-3. 国立や公立病院に転職する
病院薬剤師が年収アップする方法の3つ目は、国立や公立病院に転職することです。毎年確実に昇給し、ボーナスや退職金などの福利厚生も整っているため、安定と高収入を望む病院薬剤師にとって魅力的な選択肢と言えます。
とくに、長期間にわたり病院薬剤師として勤務したい方は、国公立病院の薬剤師として働くのがおすすめです。しかし、国公立病院へ就職するには公務員試験の受験が必要で、合格も簡単ではありません。
中途採用の希望者にとっては、他の病院で経験を積み、スキルアップしたうえで、国公立病院への転職を目指すことが成功の鍵になるでしょう。
4-4. 地方の病院に転職する
病院薬剤師が年収アップする方法の4つ目は、地方の病院に転職することです。都市部では、薬剤師の数が飽和状態に近づいていますが、地方では薬剤師不足に悩む病院が多いです。地方の条件のよい病院に勤務できれば、年収アップが見込めます。家族を持つ人は、状況によって引越しが難しいかもしれませんが、地方での勤務が可能な人にはおすすめの方法です。
しかし、民間病院においては、待遇が施設ごとに異なることに留意する必要があります。給与や諸条件をしっかりと比較し、自分の希望にあった病院を探してみましょう。また、経営状態が不安定な病院もあるため、事前調査は欠かせません。
5. 病院薬剤師はエージェントを活用して年収の高い職場へ転職しよう
本記事では、病院薬剤師の年収や低い理由について解説し、給料アップのための具体的な方法も紹介しました。給与面での不満を解消し、より充実した職場への転職を考えるときには、転職エージェント「アポプラス薬剤師」への登録も検討してみてください。薬剤師専門のコンサルタントが、あなたのキャリアアップをサポートします。
アポプラス薬剤師編集部
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