病院前の「門前薬局」はウハウハだった?診療報酬マイナス改定の裏側とは...?
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こんにちは、薬剤師転職のアポプラス薬剤師ライターチームです。
2016年度、つまり2016年4月から行われる診療報酬改定では、全体の改定率をマイナスにする方向で調整に入りました。全体の改定率がマイナスになれば、8年ぶりのこととなり、医薬業界からもさまざまな意見がでています。
マイナス改定のターゲットは、「診療報酬」「調剤報酬」「薬剤師の技術料」などですが、実は今回のマイナス改定は「薬剤師の技術料の値下げ」が焦点だとの意見もあります。「門前薬局や上場しているチェーンの薬局は、非常に利益がでている」との見方があり、メスが入った形です。しかし「診療報酬マイナス改定」には、政府や日本医師会、日本薬剤師会など、それぞれの考えや想いがひしめきあっているようです。
診療報酬マイナス改定の裏側について、探っていきたいと思います。
政府の狙い
国家財政のピンチ「財政健全化計画」
日本が今借金を抱えていることは、みなさんご存じのことと思います。経済ジャーナリストの財部誠一(たからべせいいち)氏がインターネットにアップした「借金時計」を見て衝撃を受けた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
▼日本の借金時計「日本の借金は1,026兆円!家庭の負担額は1,940万円!?」
http://www.takarabe-hrj.co.jp/clockabout.html
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2015年12月3日現在
厚生労働省は8月末の概算要求で、高齢化などに伴う年金・医療費の自然増を6,700億円と見積もっていますが、財政を健全化に近づけるためには1,700億円程度圧縮しなければならないとされています。現在の診療報酬を1%下げれば医療費は約4,300億円減らせるといわれており、今回の「診療報酬マイナス改定」は政府にとっても欠かせないことなのです。
▼産経ニュース「診療報酬マイナス改定を提案」参照
http://www.sankei.com/economy/news/151030/ecn1510300054-n1.html
日本医師会(日医会)は
調剤の伸びを批判
診療報酬は「医科」「歯科」「調剤」の3分野に分かれており、それぞれが「技術料」と「薬価」に分かれています。「医科」「歯科」の診療報酬が下がれば、患者にとってはありがたいことですが、医師や歯科医師にとっては問題でもあります。また病院などの経営にも大きな影響がでる可能性もあります。
通常は日医会と薬剤師会は「プラス改定」を求めて足並みを揃えるものですが、もし薬剤師の技術料が大きく引き下げられれば、医師や歯科医師の技術料の引き下げが小さくなることも考えられるため、それぞれの思惑がいきかっているようです。日医会側は、近年伸び率が高くなっている「薬剤師の技術料」を焦点にしたいと考えているのです。
調剤の全面負担を避けたい
薬剤師会の想い
先ほどお話しした理由から、日医会より調剤の伸びを批判されている薬剤師会。しかし実のところは約40兆円に上る医療費のうち、薬剤師の技術料は1.8兆円程度で医師や歯科医師の技術料に比べれば全体の規模が小さくなっています。このことから、薬剤師会側は「医療費増の責任を薬剤師に押しつけることは不当である」とけん制の構えをみせています。また一方でこれまで見過ごされてきた「門前薬局」に切り込む見方もあります。
- 調剤報酬が病院内の処方よりも割高になっている
- 薬の過剰投与が指摘されている
などの問題があると考えられる「門前薬局」については、今回の診療報酬マイナス改定で、大きな見直しを迫られるようです。
▼日本経済新聞「診療報酬改定、門前薬局に照準」参照
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS30H7L_Q5A031C1PP8000/
それぞれの思惑
診療報酬マイナス改定の行方に注目
2016年度の改定で、診療報酬を下げることはほぼ間違いありませんが、具体的にどの分野のどの部分をいくら下げるかについては、まさに調整中の段階です。日本の財政状況をみると、「診療報酬マイナス改定」は仕方のない現実だともいえます。日医会・薬剤師会、それぞれが歩み寄り、公正な「改定」が行われることを願うばかりです。薬剤師のみなさんにも直接関わってくるであろう「診療報酬の改定」には、今後も注目しておきたいものです。
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