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薬剤師は不足している?選ばれる薬剤師になるためのスキルも紹介

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薬剤師の数は年々増加しており、いずれ飽和する時代が来るといわれてきました。転職を考えている薬剤師にとって、需要の増減について実情を把握しておきたいと思う人も多いでしょう。

「薬剤師不足は本当なの?」「将来はAIなどに奪われて仕事を失ってしまうのかな……」といった不安を抱える薬剤師もいるかもしれません 。

そこで今回の記事では、薬剤師不足の現状と今後の見込み、その原因や影響を与える要因を詳しく解説します。加えて、将来的に薬剤師市場に変動があったとしても選ばれる薬剤師になるためのスキルも紹介しますので、参考にしてください。

1. 薬剤師は不足している?現状と見込み

薬剤師は不足している?現状と見込み

薬剤師の需要と供給に関しては多くの情報が溢れていて、事実を確認する方法を探すのが難しいと思う人も多いでしょう。ここでは、薬剤師が不足しているかどうかについて、以下3つの視点から、情報を整理し解説していきます。

  • 薬剤師の有効求人倍率
  • 推計からみる今後の見込み
  • 地方で深刻化する薬剤師不足

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

1-1. 薬剤師の有効求人倍率

転職市場では、「薬剤師が不足している」という声を耳にするようになってから久しいと感じる人も多いかもしれません。現状の薬剤師数の過不足は、厚生労働省が公表している有効求人倍率をみることで把握できます。

2022年6月の薬剤師求人倍率は、全国の数値で2.76倍と高く、薬剤師にとっては売り手市場だといえます。有効求人倍率とは、求職者数に対する求人数の割合のことです。倍率の高さは求職者にとっては就業先の選択肢が広い状態で、企業側から見ると採用が難しくなることを意味します。

しかし、5年前の2018年12月の有効求人倍率は5.84倍と、今以上に高い数値を表していました。この5年間で3倍もの差があり、薬剤師の不足は解消へと傾いていることが分かります。

出典:一般職業紹介状況(令和4年6月分)常用(除パート)|厚生労働省

出典:職業別一般職業紹介状況(平成30年12月分)[実数](常用(除パート))|厚生労働省

1-2. 推計からみる今後の見込み

薬剤師の今後の需要動向を知るために、2022年に発表された文部科学省の『薬剤師の養成及び資質向上等に関する検討会 とりまとめ』の中の、薬剤師の需要推計を見てみましょう。これによると「概ね今後10年間は同程度で推移するが、将来的には需要が供給を上回り、薬剤師が過剰になる」とあります。

ただし、この供給と需要の推計は、薬剤師の担う業務が現在と同じ状況が続くことを前提としたものです。今後、かかりつけ薬剤師・薬局の増加や、高齢化社会への対応として在宅医療が広がることも予測されており、需要の推計は変わることも考えられます。単純に推計通りの推移を辿るかは不透明ですが、今後の見込みを知るうえでは、参考になる資料の1つです。

出典:薬剤師の養成及び資質向上等に関する検討会 とりまとめ|文部科学省

1-3. 地方で深刻化する薬剤師不足

薬剤師の不足問題を把握するには、都道府県別の状況をみることも重要です。2020年の文部科学省『医師・歯科医師・薬剤師統計の概況』によると、人口10万人に対する薬剤師の数は全国平均で198.6人です。都道府県別の数値をみると東京・神奈川・大阪・兵庫などの都市部では200人を上回り充足がみられますが、その他の多くの地方では人手不足であることが分かります。

また、1つの都道府県内でも、郊外と中心部では薬剤師の充足率は異なります。市町村単位まで詳しく見てみると、離島や地方などは深刻な薬剤師不足に陥っていることも珍しくありません。医師や看護師と同様、地方では薬剤師の人材確保に苦労していることが窺えます。

出典:令和2(2020)年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況|文部科学省

2. 薬剤師不足の原因をみてみる

薬剤師不足の原因をみてみる

では、薬剤師が足りないとされる理由はなぜなのでしょうか。薬剤師不足の原因としては、以下の4つがあると考えられています。

  • 高齢化による薬局の市場拡大
  • 潜在薬剤師の存在
  • 薬局以外への就職
  • 大学制度の変化

それぞれの原因を見ていきましょう。

2-1. 高齢化による薬局の市場拡大

薬剤師の不足問題には、日本全体の高齢化に伴う薬局市場の拡大が起因しています。従来より、医薬分業の普及が進み調剤薬局の数は年々増加傾向にあります。

また、近年は薬局の運営方法も多様化しています。門前薬局として総合病院やクリニックなどの側で経営する店舗、大手チェーンのドラッグストア、医療モールに併設された薬局などさまざまなスタイルの薬局が存在します。薬局の運営方法が多様化し店舗数が増えることで、薬剤師の需要数が高まりをみせているのです。

2-2. 潜在薬剤師の存在

薬剤師不足の原因には、潜在薬剤師の存在も関係しています。潜在薬剤師とは、薬剤師免許を持ちながら薬剤師として働いていない人のことです。厚生労働省の統計結果では、薬剤師の約6割が女性で、女性薬剤師が結婚や出産、子育てなどのライフイベントを機に、潜在薬剤師となることは珍しくありません。

薬剤師として豊富な経験と知識を持っていたとしても、一度離れた職場に同条件で復職するのは難しいものです。ワークライフバランスが取れない職場では退職せざるを得ず、潜在薬剤師となる人もいます。離職しなかったとしても、常勤から非常勤・パート・アルバイトへと働き方を変えることもあるでしょう。

出典:令和2(2020)年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況|厚生労働省

2-3. 薬局以外への就職

薬剤師が不足する原因には、薬剤師が薬局以外を就職先として選んでいることもあります。製薬会社の治験コーディネータ・製薬企業のMR・研究開発などは、薬剤師免許の有無を問わず、就業先として人気があります。

患者様に向けて直接的な接客をするよりも、ビジネス上の営業をする方が得意だと思う薬剤師は、薬局よりも他業種を選ぶこともあり、免許を持ちながらも薬局以外で働く人も少なくありません。

2-4. 大学制度の変化

薬剤師不足の原因には、大学制度の変化も考えられます。2006年、薬学教育が4年制から6年制へ移行しました。6年間の薬学部を経なければ国家試験を受けられなくなったのです。これにより、従来の制度で薬剤師免許を取得した卒業生が2009年に輩出されたのち、新制度での卒業生が試験を受けられる2010年、2011年の2年間、新卒の薬剤師が減少するという「空白の2年間」がありました。

大学制度の移行とともに薬学部の新設が相次ぎましたが、志望する学生数は想定していたよりも少なく、大学によっては国家試験合格率が低いという減少が起こったのです。結果的に、薬学部の増加は薬剤師不足を解消する一手とはならなかったといえます。

3. 薬剤師不足に影響を与える4つの要因

前述した需要推計を見る限り、将来的に薬剤師は充足するとみられていますが、地方では薬剤師不足が解消されていません。今後の薬剤師の需要と供給に影響を与える要因には、以下の4つが考えられます。

  • 新型コロナウイルスの感染拡大
  • ファーマシーテクニシャンの導入
  • AI技術による業務効率化
  • 潜在薬剤師の復帰

それぞれの要因を見ていきましょう。

3-1. 新型コロナウイルスの感染拡大

薬剤師不足に影響を与えるものとして、新型コロナウイルスの感染拡大の影響があります。感染防止のため、調剤薬局では患者様の受診控えと処方期間の長期化が起こり、処方箋を受け付ける回数が減少しました。それに伴い、多くの調剤薬局やドラッグストアでは、薬剤師の需要も減少しつつあります。

新型コロナウイルスの感染拡大は、2022年8月現在収束の見通しが立たず、たとえ収束したとしても、その後の患者様の動向や処方機関にどう影響を与えるかは分かりません。これらのことを鑑みると、新型コロナウイルスの感染拡大が薬剤師の需要と供給に与える影響は、短期的だとは言い切れないことが分かります。

3-2. ファーマシーテクニシャンの導入

海外の調剤薬局では、薬剤師をサポートする職業としてファーマシーテクニシャン(調剤助手)という人員が配置されています。ファーマシーテクニシャンが薬剤師の指導の下でピッキングや作業を行うことで、薬剤師が薬物治療など専門性の高い業務に専念できる環境が整えられているのです。

日本でも2019年の厚生労働省『調剤業務のあり方について』に於いて、調剤業務の範囲が明文化され、薬剤師以外の従業員でも調剤業務の一部が行えるようになりました。これにより、薬剤師は服薬指導など以前より対人業務を中心とした働き方が可能になるでしょう。調剤業務の負担は少なくなりますが、薬剤師には新たな業務も発生します。調剤を行うスタッフの指導・調剤の最終確認・マネジメントなどです。海外のファーマシーテクニシャン制度とは異なりますが、この制度により薬剤師不足の解消が期待できるとともに薬剤師の職域の拡大が予想されています。

出典:調剤業務のあり方について|厚生労働省

3-3. AI技術による業務効率化

薬剤師不足に影響を与えるものとして、AI技術による業務効率化があります。現在、科学技術の発達により、あらゆる職種でAIを用いた業務のデジタル化が進んでいます。飲食店ではロボットが食事を運ぶ仕事を担ったり、大手ホテルチェーンでは顔認証技術を用いてフロントの無人化が実現したりと、身近なところでもAIの活用事例が挙げられます。

今後、薬剤師が活躍する薬局内や病院でも、AI技術を用いた業務効率化が進むと予測されています。しかし、AIにはトラブル時の対応力や患者様との会話の中から潜在ニーズを読み取るなどのコミュニケーション力がまだありません。薬剤師の業務をすべて代行することはだいぶ先になると予測できます。

3-4. 潜在薬剤師の復帰

潜在薬剤師の存在が、薬剤師不足の一因になっていることは、先述したとおりです。結婚・出産などのライフイベントを機に、仕事から離れた女性薬剤師の復帰が、薬剤師不足の対策として期待されています。

潜在薬剤師の中には、「家事・育児との両立ができるなら、仕事を辞めたくない」と考える人もいることでしょう。潜在薬剤師の復帰をサポートできる体制が整えられれば、貴重な人材を確保できるかもしれません。たとえば、子どもを預けられる託児所付きの職場・急な病気や怪我に対応できるための雇用形態(パート・アルバイトなど)・産休や育休明けに実施される復帰支援研修などです。

子育てしながら仕事を続けられる環境が整うことで、潜在薬剤師がスムーズに復帰できるようになると考えられます。

4. 不足解消後も選ばれる薬剤師になるための4つのスキル

不足解消後も選ばれる薬剤師になるための4つのスキル

薬剤師が今後充足されると想定したうえで、必要とされる薬剤師になるためにはどのような能力を身につけるべきなのでしょうか。需要の高い薬剤師になるためのスキルとしては、以下の4つが考えられます。

  • コミュニケーション・マネジメントスキル
  • 在宅医療の経験とスキル
  • 対物よりも対人業務スキル
  • グローバル化に備えた外国語のスキル

1つずつ見ていきましょう。

4-1. コミュニケーション・マネジメントスキル

今後を見据えて薬剤師が身につけておきたいスキルの1つは、コミュニケーションスキル・マネジメントスキルです。どれだけAI技術が発達し、薬剤師の働く場で活用されることになったとしても、コミュニケーションは代替ができません。

薬剤師は、ただ調剤するだけでなく患者様個々の薬歴を聞いたり服薬の相談に乗ったりすることも大切な業務の1つです。患者様のニーズを汲み取り、頼られる薬剤師として円滑に業務を進めるためにもコミュニケーションスキルを向上させていくことをおすすめします。

また、管理薬剤師の経験を持つなどマネジメントスキルがあると、薬局長や薬局のリーダーとして即戦力になるため、転職時には有利に働きます。マネジメント能力は、将来的な自分のキャリアアップにもつながるでしょう。

4-2. 在宅医療の経験とスキル

在宅医療の経験とスキルも、選ばれる薬剤師になるために備えたい能力の1つです。高齢化社会が進む現代、在宅医療の需要は高まっています。在宅医療の経験やかかりつけ薬剤師としての知識・技術を持つ薬剤師は、今後も重宝される人材となることが予想されます。

すでに、地域密着型の調剤薬局や一部のチェーン薬局、またドラッグストアでは、在宅医療に対応する取り組みが促進されています。特に、後期高齢者の割合が高い地域では、患者様とより近い距離で専門的な相談に乗る薬剤師は、需要の高い存在です。また、認定薬剤師の資格を取得して、かかりつけ薬剤師や専門薬剤師を目指すのもよいでしょう。

関連記事・かかりつけ薬剤師とは

薬剤師のキャリアアップに役立てるべく、かかりつけ薬剤師として働くために必要なスキルや資格のほか、メリット・デメリットなどについて知っておきましょう。

4-3. 対物よりも対人業務スキル

需要のある薬剤師になるには、対人業務スキルも重要です。薬剤師の仕事のうち、薬や在庫の管理、散薬計量や錠剤の取り揃えなどの対物業務は、将来的になくなることが予想されています。一方で、患者様の健康管理や服薬管理、調剤薬の確認などの対人業務は、薬剤師にしかできない仕事です。患者様だけでなく、指導薬剤師として後輩指導をするなど、職場内の対人業務にも目を向けていくのもよいでしょう。

4-4. グローバル化に備えた外国語のスキル

薬剤師がこれから鍛えたい能力としては、外国語のスキルもあります。グローバル化に伴い、語学ができる薬剤師は今後さらに求められることが予測されます。都市部でなくても、日本で暮らす外国人や外国人観光客が多く訪れる地域は存在します。英語や中国語など、外国語が話せる薬剤師は、日本の各地で必要とされるでしょう。

また、新薬の情報は一般的にWebサイトや医学雑誌に英文で掲載されます。日本語に翻訳されて情報公開されるまでには数カ月を要することもあるうえに、すべての論文や記事が翻訳されるとは限りません。英文を読むスキルがあれば、最新の情報を自分のスキルにすることも可能です。薬剤師として働くうえで、語学ができることは強みになります。

5. 薬剤師不足の影響を受けないためにはスキルアップが重要

薬剤師不足の影響を受けないためにはスキルアップが重要

薬剤師は、現在も有効求人倍率は高く、薬剤師にとっては売り手市場だといえます。今後、薬剤師不足は解消される見込みにあるとの推計もありますが、地方での薬剤師の人材不足問題は未だ深刻な状況です。

薬剤師を取り巻く環境の変化により、薬剤師に求められる能力も変わってきています。AIに取って代わられることのないコミュニケーションやマネジメントスキルをはじめ、高齢化社会に対応するための在宅医療の経験などがあると、将来性も期待できます。多様化する薬剤師への需要に応えられるよう、スキルアップすることがますます重要になるでしょう。

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