多職種連携はなぜ必要?薬剤師と医療チームの理想的な状態とは
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現代では、患者さまの複雑なニーズに対応するために、各専門職が協力して質の高い医療と介護サービスを提供する「多職種連携」が求められています。
しかし、現場で働く薬剤師の中には、「多職種連携によって、薬剤師の働き方に変化はある?」「多職種連携は、患者さまにどのようなメリットがあるの?」といった疑問を持つ方がいるかもしれません。
そこで本記事では、なぜ薬剤師の働く職場では多職種連携が重要なのか、必要性について詳しく解説します。薬剤師として求められている現状を把握し、次のキャリアを目指すためにも、ぜひ最後までご覧ください。
目次
1. 多職種連携とは?

多職種連携とは、一人の患者さまに対して複数の職種がそれぞれの役割を発揮することを指します。具体的には、医師、看護師、薬剤師、介護士などが専門知識と技術を持ち寄り、医療チームとして協力しながら業務にあたります。
多職種連携が推進されている理由の1つに「地域包括ケアシステム」の構築があります。「地域包括ケアシステム」は、2025年を目途に国が進めている仕組みです。
住み慣れた地域で自立した生活を続けられるように在宅医療などで支援することを目指すもので、そう遠くない将来薬剤師の働き方にも影響を与えるシステムです。
そんな「地域包括ケアシステム」において、多職種が連携することは欠かせない要素とされています。
地域包括ケアシステムの推進により、医療の現場が患者さまの自宅まで広がりつつあります。自宅でも、病院と同様に正確な医療ケアを提供することが求められているためです。
多職種連携が上手く機能しないと、介護士からの報告が正確に担当医や薬剤師に届かず、処置が遅れるといった恐れがあります。
患者さまのケアに関わる医師・看護師・薬剤師・介護士などが、正確でスピーディーな情報共有を実現するために、多職種連携による「チーム」としての働き方がますます重要になっているのです。
※参考:地域包括ケアシステム|厚生労働省
2. 多職種連携をおこなうメリット

多職種連携をおこなうメリットには、以下の3つがあります。
- 医療や介護サービスの質が向上する
- 患者さまのニーズに合わせた医療や介護サービスを提供できる
- メンバーの視野や知識が向上する
それぞれ、詳しく解説します。
2-1. 医療や介護サービスの質が向上する
多職種連携のメリットの1つは、医療や介護サービスの質が向上することです。各職種間で専門知識を補い合うことができ、患者さまに対してより適切な支援が可能となります。
また、多職種が連携することで課題を解決しやすくなるのもメリットです。それぞれの職務の立場からの意見交換や情報共有をすることで、患者さまの問題に対する多角的なアプローチが可能となり、迅速かつ効果的に対応できるでしょう。
2-2. 患者さまのニーズに合わせた医療や介護サービスを提供できる
多職種連携のもう1つの大きなメリットは、患者さまのニーズに合わせた医療や介護サービスを提供できることです。近年、医療や介護のニーズは多様化しており、個々の患者さまに応じた柔軟な対応が求められています。
例えば、慢性的な病気を持つ高齢者とその家族の方には、定期的な医療管理と同時に日常生活の支援が欠かせません。理学療法士がリハビリテーションプランを作成する、介護士・看護師が日常的なケアをおこなう、薬剤師が継続的に薬歴を管理するといった総合的なケアが必要になるでしょう。
このような多様なニーズに応えるためには、医師だけではなく、看護師、薬剤師、理学療法士、介護士、栄養士など、さまざまな専門職が協力し合うことが重要です。
各々の専門職が持つ知識と技能を活かして、患者さまの具体的なニーズに対応できます。
2-3. メンバーの視野や知識が向上する
多職種連携には、チームメンバーの視野や知識を向上させるというメリットがあります。各職種の専門家が協力し合うことで、それぞれの視点や考え方を学ぶ機会を持てるのです。
例えば、看護師が理学療法士のリハビリテーションを見たり、医師が薬剤師から薬物知識を学んだりすることで、お互いの専門分野への理解が深まります。
さまざまな職種とかかわりながら仕事をすると、視野が広くなり、知識の幅が広がるでしょう。異なる専門分野を持つ医療従事者とのコミュニケーションを通じて、従来の方法にとらわれない新しいアプローチが生まれることも少なくありません。
チームメンバーがそれぞれの専門知識を持ち寄り、協力し合うことで、より包括的で効果的なケアを実現できるでしょう。
3. 多職種連携における薬剤師の役割

多職種連携における薬剤師の役割は、対患者さまと対医療チームの大きく2つにわけられます。
3-1. 対患者さま
患者さまに対しては、正しく薬を使用できるようにサポートすることがメインの役割です。薬の効果や副作用、飲み合わせについて詳しく説明し、患者さまが安心して治療を受けられるように服薬指導をおこないます。
また、残薬と薬歴管理を通じて、患者さまが適切に薬を服用できているか確認し、不要な薬の整理もおこないます。薬の無駄を減らし、治療効果を高めるためにも大切です。
3-2. 対医療チーム
医療チームに対しては、患者さまが薬を服用した際に起こりうる副作用について情報を共有し、適切な処方を促します。
そして、服薬状況の報告を通じて、医療チーム全体が患者さまの治療状況を正確に把握できるようにします。
適切な処方をおこなっても、正しく服用しなければ効果は期待できません。薬剤師は患者さまの治療効果を高めるためには欠かせないのです。
4. 多職種連携推進に伴い薬剤師に求められること

多職種連携が推進される中で、薬剤師に求められる役割には、以下の2つがあります。
- かかりつけ薬剤師
- 在宅薬剤師
多職種連携が推進されるにつれて、上記2つの経験を持つ薬剤師は需要が高まっています。
それぞれのスキルについて、詳しく解説します。
4-1. かかりつけ薬剤師
かかりつけ薬剤師は、薬についてはもちろん、健康や介護に関することなどに豊富な知識と経験を持つ薬剤師のことです。患者さまやその家族のニーズに沿った相談に応じることができます。
一人ひとりの患者さまと向き合い、薬歴の管理や相談対応といった継続的なサポートをおこなうことは多職種連携でも必要になるため、かかりつけ薬剤師は求められています。
長期的な健康管理をサポートするためにも、薬剤師の存在は重要です。高い専門性と責任を伴うため、高収入のポジションが多く見られます。
2016年の診療報酬改定に伴い新しくスタートしたのが、薬局での「かかりつけ薬剤師制度」です。これからの社会における健康と安心を支える担い手として、患者はもちろん、薬剤師の中でも注目が集まっています。
4-2. 在宅薬剤師
高齢化社会が進む中で、在宅医療のニーズが高まっています。患者さまの自宅を訪問して薬の管理や服薬指導をおこなうことで、患者さまが安心して在宅で治療を続けられるようサポートするのが、在宅薬剤師の役割です。
多業種との連携は、在宅医療チームの一員として薬剤師の役割を果たす上で重要です。かかりつけ薬剤師と同様に、在宅薬剤師にも専門性が求められるため、高収入の求人が出ていることも珍しくありません。
多職種連携の目的の1つに在宅医療の充実があります。薬剤師には、在宅薬剤師として医師・看護師・介護士といった職種と共同で動き、多職種連携を推進してもらいたいというニーズがあるためです。
在宅薬剤師の役割や仕事内容、求められるスキルや経験について詳しく解説します。在宅薬剤師としての転職を検討している方は、ぜひご一読ください。
5. 他職種連携を見据えてキャリアを設計するのが吉

多職種連携が重要視される現代の医療現場では、かかりつけ薬剤師や在宅薬剤師といった役割が求められている一方で、現在の職場では経験を積めないケースも少なくありません。
社会の動きに合わせて自身のスキルを磨き、キャリアアップを叶えるためには、かかりつけ薬剤師や在宅医療に力を入れている職場への転職を考えるのも1つの選択肢です。
そこでご紹介したいのが、薬剤師専門の転職エージェント「アポプラス薬剤師」です。「アポプラス薬剤師」は、薬剤師のキャリアパスに精通したコンサルタントが多数在籍しており、個々のスキルや希望に合った職場を紹介してくれます。
多職種連携の現場で活躍できる職場や、かかりつけ薬剤師としての経験を積めるポジションなど、幅広い選択肢を提供することが可能です。
多職種連携の推進により、医療の質が向上し、患者さま一人ひとりに合わせたケアが求められる今、薬剤師も専門性を高めることが必要です。「アポプラス薬剤師」とともに、先を見据えた転職活動を始めてみませんか。
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