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薬剤師が押さえたい「コロナ(COVID-19)対策」の基本

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未だに世界中で猛威を振るう新型コロナウイルス(以下COVID-19)ですが、日本でもワクチン接種が開始され、集団免疫の獲得に向けて着実に動き出しています。しかし、ワクチン接種に当たっては様々な問題点があり、接種人員不足や国民の意識など課題が多く残っているのも事実です。4月から優先接種が開始された高齢者(約3,600人)では5月現時点での厚生労働省の発表では接種完了率が7月で85%ほどになると報道されている一方、民間企業による調査では集団免疫獲得の目安とされる7割の接種完了は2022年3〜6月頃とされています。その中で薬剤師である我々にはどのようなことができるのでしょうか。この記事では薬剤師が押さえたいCOVID-19感染防止対策についての留意点をまとめました。

医療施設等(薬局)における感染防止対策の留意点

「令和2年10月15日事務連絡 医療施設等における感染拡大防止のための留意点について その2」を参考に薬局でできる感染防止対策を以下にまとめます。

1.職員等への対応について

(1)職員、委託業者等、職員と接触する可能性があると考えられる者に対して、マスクの着用を含む咳エチケットや手洗い、アルコール消毒等により、感染経路を断つ。「医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応について」参照し、対策を徹底する。

(2)職員は、出勤前に体温を計測し、発熱等の症状がある場合は欠勤を徹底する。過去に発熱があった場合も解熱後24時間以上の経過と呼吸器症状が改善するまでは欠勤を徹底する必要がある。該当する職員は、管理者に報告して確実な把握をする。

(2)職員は、出勤前に体温を計測し、発熱等の症状がある場合は欠勤を徹底する。過去に発熱があった場合も解熱後24時間以上の経過と呼吸器症状が改善するまでは欠勤を徹底する必要がある。該当する職員は、管理者に報告して確実な把握をする。

(4)取引業者や委託業者等との物品の受け渡し等は玄関など薬局の限られた場所で行うこと。施設内に立ち入る場合は体温を測定してもらい、発熱が認められる場合は入局を断る等の対応を検討する。

(5)廃棄物の処理及び清掃に関して、医療行為等により生じた廃棄物は感染性廃棄物として、環境省が示している「廃棄物処理法に基づく感染性廃棄物処理マニュアル」に基づいて適切な方法で取り扱う。その他の廃棄物に関しては、感染性廃棄物ではないが、「廃棄物に関する新型コロナウイルス感染症対策ガイドライン」を参考にし、ごみに直接触れない、ごみ袋等に入れてしっかり縛って封をし、排出する。処理後は手を洗う等の感染防止策を実施する。

http://www.env.go.jp/recycle/misc/kansen-manual1.pdf
http://www.env.go.jp/recycle/waste/sp_contr/infection/202009corona_guideline.pdf

2.患者等への対応について

 医療機関における新型コロナウイルス感染症の疑いのある人や患者の診療時の感染予防策については、 「 新型コロナウイルス感染症が疑われる者等の診療に関する留意点について(その3) 」(令和2年 10 月 2 日付事務連絡) 等に基づき、 適切に対応すること。

・一般的に標準予防対策であるサージカルマスクの着用と手指衛生の励行を徹底することが重要であり、エアロゾルが発生する可能性のある手技を実施しない場合は、対応した患者さんが後に新型コロナウイルス感染症患者だと判明した場合であっても、濃厚接触者には該当しないとされています。新型コロナウイルスの消毒・除菌方法に関しても様々な方法が現在認められており、再度確認することがおすすめです。例えば有名なものだとアルコール消毒がありますが、こちらもアルコールが入っていれば良いのではなく、濃度が70%から95%以下が良いとされ、その用量のエタノールが入ったものを使用することが推奨されております。また、60%台のエタノールによる消毒でも一定の有効性があると考えられる報告があることから、70%から95%以下のエタノールが用意できない場合は60%台のエタノールを使用しても問題ありません。

 新型コロナウイルス消毒・除菌方法一覧(それぞれ所定の濃度があります)

方法 モノ 手指 現在の市販品の薬機法上の整理
水及び石鹸よる洗浄
熱水 ×
アルコール消毒液 医薬品・医薬部外品(モノへの適用は「雑品」)
次亜塩素酸ナトリウム水溶液
(塩素系漂白剤)
× 「雑品」(一部、医薬品)
手指用以外の界面活性剤
(未評価)
「雑品」(一部、医薬品・医薬部外品)
次亜塩素酸水
(一定条件を満たすもの)

(未評価)
「雑品」(一部、医薬品)
亜塩素酸水
(未評価)
「雑品」(一部、医薬品)

※薬機法上の承認を有する製品が一部あり、そのような製品は手指消毒も可能。
※一部、食品添加物に該当する製品があり、食品衛生法の規制がかかる場合があります。

引用:新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について(厚生労働省・経済産業省・消費者庁特設ページ)

 また、マスクも様々な種類があり、それぞれの性能を考慮し、選んでいくことも大切でしょう。マスクとフェイスシールドの効果については、豊橋技術科学大学による実験でそれらが評価されているため、マスク選びの参考にされると良いと思います。下表のように最近では比較的入手しやすく、飛沫量をより抑えられる一般的なマスクは不織布素材のものであります。しかし、中には肌が弱くかぶれやすい方もいらっしゃることでしょう。その場合は布やウレタン素材を使用したマスクで代用することもやむを得ないと考えられます。一方で最近では様々なメーカーからマスクが発売されており、肌に優しい素材でPFE(微粒子濾過率)やVFE(ウイルス濾過率)レベルが98%以上のものも開発・販売されています。機能性と自己体質からそれぞれに合うものを使用していくと良いでしょう。

国立大学法人豊橋技術科学大学Press Release定例記者会見

引用:国立大学法人豊橋技術科学大学Press Release定例記者会見

感染防止対策臨時加算について

 COVID-19に対して多くの医療機関は今まで以上に感染予防への対応に追われ、上記の留意点を含め、様々な感染防止策が講じられています。それらの対策に対して2020年12月15日より薬局においても感染予防対策を実施することで、6歳未満の乳幼児に対して【感染症対策実施加算】が算定可能になりました。これに続いて2021年4月1日以降からは全ての患者さんに対して2021年9月までの限定的な加算とはなりますが、算定対象となりました。COVID-19の感染状況等も踏まえて10月以降も延長される可能性があります。すでに算定されている薬局も多くあるかと思いますが、今一度感染防止対策のポイントや加算についての加算方法等を見直していく際にご活用いただければと思います。

1.小児の外来における対応について(1215事務連絡)

「薬剤服用歴管理指導料」・「かかりつけ薬剤師指導料」+現行の加算+12点

・保険医療機関(保険薬局)において、6歳未満の乳幼児に対して、小児の外来診療等において特に必要な感染予防策を講じた上で診療(必要な薬学的管理及び指導)を行う
→「新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて(その31)」を参照し、実施していくことが必要です。三密を避ける環境づくりや上記に記載した「感染防止対策の留意点」は基本であり、それに加えて、小児COVID-19患者は無症状であることが多く、症状が出現しても自ら訴えることは難しいことから、COVID-19を疑うことは非常に困難であります。そのため、一人の患者ごとに手指消毒をすることや環境消毒を定期的に行っていく等の感染防止対策を実施していくことが必要です。

・患者又はその家族等に対して、感染防止等に留意した対応を行っている旨を十分に説明し、同意を得る

 小児患者にその家族等に対して説明、同意を得ることが必要なため、それを行った記録として薬歴や調剤録に残していくと良いでしょう。また、掲示物や説明用紙などを作成して説明に添えるとよりスムーズに同意を得られることがあります。

・感染症対策実施加算期間:2020年12月15日~2021年9月まで。

2.【調剤感染症対策実施加算】

・必要な感染予防策を講じた上で実施  ※ 「調剤基本料」+現行の加算+4点

必要な感染予防対策に関しては上記に記載したものの他に、日本薬剤師会から「みんなで安心マーク」が発行されており、そこに感染症対策のチェックリストが記載されています。まずはそちらのチェックリストを参考にして実施していくことがおすすめです。

https://entry.nichiyaku.or.jp/anshin_mark/anshin_top.html

新型コロナウイルス感染症等感染防止対策実施薬局みんなで安心マーク

・算定に当たっては、患者又はその家族等に対して、その趣旨等について、十分に説明する
→こちらでは小児と違い、同意をとることは必要ないとされておりますが、同様に説明した旨を薬歴や調剤録に記録しておくと良いでしょう。

・調剤感染症対策実施加算期間:2021年4月~2021年9月末まで。
※10月~感染状況等を踏まえて延長の可能性あり

発熱外来の対応について

 日常の患者対応においてニューノーマルの一つになったのが、発熱外来だと思います。発熱患者(特にインフルエンザ患者)に対して、今までも他患者と比べて感染予防に注意をしていたと思いますが、COVID-19発生後からは発熱患者への対応方法により一層注意を払わなければならなくなりました。なるべく発熱患者との接触を避け、他患者との仕切りのための待機場所の確保等、感染拡大にならないような体制作りが求められます。そのためには医療機関との連携が必須となり、先に薬局での受け入れ体制を整えることが求められるでしょう。昨年、時限的・特例的に開始された0410対応は感染拡大が原因で実施されたものでありますが、そのベースとなっているのが改正薬機法オンライン服薬指導でもあります。ただし、オンライン服薬指導と0410対応では対応できる処方箋の種類や通信方法に違いがあるため、注意が必要です。また、先日には「オンライン診療」の恒久化に向けての制度案を政府がまとめましたが、その中には「オンライン服薬指導」も薬剤師の判断で初回から可能とするという項目もありました。2022年度より段階的に実施していくようですので、今後もこちらの変更事項は確認していくことが重要となります。

厚⽣労働省 規制改革推進会議 第2回 医療・介護ワーキング・グループ 議事次第 資料1-2

出典:厚⽣労働省 規制改革推進会議 第2回 医療・介護ワーキング・グループ 議事次第 資料1-2

【医療機関との連携】
・普段より受け付けている処方せんの発行元医療機関において発熱外来の実施有無を確認する必要があります。門前薬局は多くの場合は事前に医療機関側から通知がくるケースも多いようですが、門前医療機関に限らず、その他の近隣医療機関についてもリサーチをしておくと良いでしょう。もちろん医療機関から薬局へ誘導はできませんので、あくまでも処方箋が来るかどうかは患者希望になりますが、医療機関側や患者側に対して発熱外来患者の受け入れ体制が整っていることを周知することは蔓延防止に繋がる一つのアクションです。また、医療機関の中でも発熱患者への対応は様々なため、薬局と連携している医療機関の発熱外来がどのような流れで診察をしているのかを把握しましょう。

【患者さんの待合場所確保】
・発熱外来で一つの問題点となるのが、待合場所の確保になると思います。地方の薬局で多く見受けられるのは薬局内には入らず、患者さんに車内で待機してもらい、薬の受け渡しを駐車場で行うことがあります。また、ドライブスルーを備えている薬局もあり、そのような設備がある薬局では待合場所の確保にそこまで頭を悩ますこともないようです。一方で都市部などにある敷地面積が小さい薬局では、一般患者と発熱患者を仕切るほどのスペースがなく、苦労されている薬局も多くあるでしょう。そのような立地にある薬局では薬局の外で待ってもらい、そこで薬の受け渡しを行うことが多いように見受けられます。また、患者さんに帰宅してもらい、患者宅に配達するまたはその家族等代理の方に取りに来て頂くこともあるようです。非接触という事例でみると海外の薬局では薬局外に24時間使用可能なロッカーを設置し、そこに調剤された薬(海外では箱調剤が一般的)が入れられています。患者さんは携帯電話に送られたコードを入力または読み込ませることによって薬を受け取れる自動払出システムになっており、説明は薬の箱に記載されており、薬剤師や医師が電話などの通信手段を用いてフォローアップをしていく流れになりますので、基本的に他の患者さんとの接触はありません。日本の調剤薬局でもこういった非接触・非対面の薬局作りを行っている薬局も増え始めており、もしかしたら今後このような薬局の形がニューノーマルになるかもしれません。いずれにしろ、感染拡大を防ぐためには発熱患者と一般患者の時間的・空間的分離を行うことが大切です。今後の感染状況によっては現在の発熱外来の体制が当たり前になることも考えられるでしょう。それぞれの薬局において最良の体制を構築することが必要です。

まとめ

 COVID-19は次々と変異株が出現しており、現在開発されているワクチンも変異株に対しても有効とされているものの、いつ有効性が失われる変異株が出現するかは予想がつきません。そうなった場合、COVID-19感染症が終息すれば元の環境に戻れると考えられる一方、現状の環境がこれから継続して続く可能性も多いにあります。今回は主に基礎的な感染対策や発熱外来などについてご紹介しましたが、その他にも続々と新たなシステムや患者さんへの対応の仕方などが出てくるでしょう。その時その時の変化に対応し、自己の薬剤師としての価値を高めていくことが大切です。また現在日本では、薬剤師会を中心に新型コロナワクチンの希釈分注業務を主に薬剤師が実施しております。こうした地域貢献は、薬剤師の存在価値を地域にアピールする大きなチャンスでもあり、薬剤師全体の地位向上にも繋がると思います。

著:廖志陽(薬剤師)

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